発問や指示は授業や学級を大きく左右する、その極意とは

 発問や指示は授業や学級を大きく左右する大きな柱であるといえる。その極意をつぎに示すと、
1 指示は一度に一つ
 子どもがすべき内容が指示の中にたくさん含まれていると、学級の子ども全員がたくさんの内容を実行することは難しい。
2 指示を出したら確認する
 例えば「教科書の〇〇ページを開きましょう」と言っても、ぽかんとしている、指示が通りにくい子どもがいる。 
 だからこそ、指示通りに動いているかを1人ひとり確認する必要がある。
 指示の一つひとつを確認することが大切である。
 確認作業を甘くみていると、だんだん規律のない学級になっていってしまう。
3 指示はくりかえすことで定着する
 授業が始まる前に、ノートを開いて待っている学級がある。
 その学級は、4月に学級を担任したときから「授業の前にノートを開いて待ちましょう」と指示を繰り返したはずである。
 そして、授業が始まる前にノートを確認したはずである。
 指示と確認をくり返すことで定着する。
 定着するまで、根気よく指導をくり返すことが大切である。
4 主発問は、授業のその時間の目標に直結している
 その時間の目標は何かを考えて授業を構成することが大切である。
 その目標を達成させるための考えを引き出し「子どもに何を考えさせるのか」を明確な言葉で表したものが主発問である。
5 その時間の目標は具体的な子どもの姿で表す
 その時間の目標は、授業が終わったときに到達すべき内容を示したものである。
 そのとき「どんな子どもになっていればよいのか」という具体的な子どもの姿を把握していなければ、達成したかどうか評価することができない。
6 補助発問で学習の仕方を身につける
 単なる主発問の補助的なものととらえるのではなく、学習の仕方を身につけるもの。
「どのように考えればよいか」発問するのが補助発問である。
7 話し合いで考えを高める
 子どもたち一人ひとりの考えをいろいろな観点で話し合うことによって、考えを高めることができし、コミュニケーション力を培うことができる。
8 指示や発問の語尾を工夫する
 同じ内容の指示や発問でも言い方次第で学級の雰囲気は変わるものである。
 例えば
「教科書を出しなさい」
「教科書を出しましょう」
「教科書を出してください」
「教科書を出して」
 いずれも、同じ内容の指示である。あなたは、どの言い方をよくするだろうか。
 命令口調だと子どもは委縮する。お願い口調だと、子どもはつけあがる。友だち口調だと、なれなれしい雰囲気になる。
 指示や発問などの内容や語尾、教師の話す長さ、助言の内容など、教師が授業の中で工夫しなければならないことは多様にある。
(白井一之:東京都公立小学校校長。文部科学省教員表彰)

 

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掃除をさぼる子どもがクラスにたくさんいるとき、どうすればよいのでしょうか

 掃除をさぼる子ども、掃除をするフリをする子どもがたくさんいます。どうすばよいのでしょうか。
 だらだらと時間をつぶさせて、形だけやらせるような掃除指導をやめます。
 第一段階は、素早い動きで、無駄話をしないで掃除するように徹底的に指導します。
 だらだらした動きや無駄話を防ぐために、短時間に掃除を取り組ませます。
 掃除時間が20分間あるとすれば、半分の10分間で掃除を終わらせるように挑発します。
 残った時間は、教室に座って休憩です。
 短時間掃除で、子どもの動きが変わります。
 全力で掃除する充実感を味わいます。
 第二段階は、「丁寧さの指導」です。
「素早く、黙って、丁寧に」の3つができるようになれば、たとえ、掃除時間に教室で休んでいても、誰からの批判を受けることはありません。
 なぜ、掃除をしなくてはならないのか。掃除をする意味は何なのか。分かるように伝えておく必要があります。
 掃除は、子どもにとって最も嫌いな活動の1つです。さぼりたくなって当然です。
 しかし、だからこそ全力で取り組ませる価値があります。
 自分の怠け心とたたかい、打ち克つことの充実感を味わわせることのできる活動です。
 掃除に全力で取り組むことは、相当の価値があることを、子どもたちには機会あるごとに伝えるようにします。
 毎日、全力で取り組めたことをほめることを続けましょう。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

 

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保護者を味方につけなければ、学級は成り立たない、影響力のある保護者をひいきせよ

 今は、保護者の力が圧倒的に強く、学校の力が弱い。
 保護者は、どうしたら教師が嫌がるか良く知っているのだ。だから、担任に直接文句を言わない。いきなり校長や教育委員会に文句を言う。
 教師が一番心を痛めているのが、保護者対応だという事実を忘れてはならない。
 逆に言えば、保護者対応さえうまくいけば、そんなに心を痛めなくてすむ。
 力のない教師が力を持った保護者と戦うなんて無理な話だ。
 だから、私は保護者とは、絶対に戦わない。例えば
 保護者に「最近、忘れ物が多いですけど」「最近、授業態度が悪いんですけど」なんてことは、絶対に言わない。
 できるだけ保護者には苦情を言わなくて済むようにする。
 ちっとしたことでも保護者に苦情を言う教師が多い。その教師は、教師と保護者との圧倒的な力の差を知っているのだろうか。
 教師は、その子の教育に関われるのは1年間限定のパートタイム教育者なのだ。子どもの一生に責任を持つ親にかなうはずがない。
 プロである教師はその限界を知るべきだ。
 新しいクラスを持って、初めて教室の前に立った時、
 私は「このクラスは、この子とこの子を味方につけておけば大丈夫だな」と感じることが多い。
 私ぐらいのベテランになると「教師の勘」が働く。
 当然、その子に対する対応は、手厚いものになる。手の内に入れようと、あの手この手を尽くす。
 それと同じで、保護者についても、
「このクラスは、この保護者とこの保護者を味方につけておけば大丈夫だな」と考えるようになった。
 影響力のある保護者は味方にしないとマズイ。敵に回してしまっては、あっという間に、保護者の多数が教師の敵になってしまう。
 学級懇談会では、多数の保護者から集中砲火を浴びることになる。そのとき、どんなにその教師の味方であっても、少数派の保護者は助けてはくれない。
 逆に、多数派の保護者の支持を取り付けておけば、大丈夫だ。そのためには、影響力のある保護者の支持が欠かせない。
 では、どうやって影響力のある保護者を見つけるか?
 これは、事前の情報が欠かせない。前の学年の担任たちから積極的に情報を得ておくことが重要だ。それが唯一の方法だと言っていいだろう。
 キーパーソンが分かれば、その保護者への対応は、当然、手厚いものになる。気に入ってもらえるように、様々な手を尽くして対応することになる。
 また、他の保護者への影響力はなくても、些細なことでもすぐに学校に抗議に来たり、教育委員会に電話する保護者がいる。そういう保護者は「有名人」だから、情報は自然と耳に入ってくる。
 その保護者の対応も、手厚いものになる。これは当然のことだろう。
 これからの教師は、どの保護者に手厚く対応するかという「策略」を巡らせる必要がある。策略を持たなければ、学級は成り立たないのだ。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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子どもたちの心をつかむため、教師の発声や表情はどうすればよいか

 教師の声は、明るくはっきり、大きな声が基本です。
 教師の熱意と頑張りを子どもたちや保護者に伝えるためのものです。
 教師は、子どもたちの心を揺さぶり、動かしていかなければならない。
 そのため、エネルギーを常に発散させねばならない。
 発声の練習には、顔の表情の練習も加えていきます。
「一生懸命に頑張っている」という表情です。
 教師が楽しんでいる表情です。
 苦しそうではダメです。 
 つまらなさそうでもダメです。
 あくまでも楽しんでいる表情です。
 教師が楽しんでいなければ、子どもたちも楽しめません。
 頑張っていることが、楽しいという姿勢です。
 メリハリが大切ですから、真顔の練習もします。
 そうした表情のメリハリだけで、子どもたちをコントロールすることができるようになります。
 先生の表情から、子どもたちは「あ、まずいな」「先生、楽しそうでよかった」と、読み取るからです。
 早口が悪いのは、聞き取れない、間がないからです。
 間がないと、聞き手の脳の中で、どんどん情報が上書きされてしまうわけです。
 感情を込めた読み方も勉強する必要があります。
 必要に応じて、身振り手振りもして、動き回って語ります。
 教師が子どもたちをしっかりと見て、自分が見られているということを子どもたちに意識させるのです。
「先生は私に伝えようとしている」
「ちゃんと伝わっているかを確認している」
と、一人ひとりの子どもたちに思わせる。
 声以外に最も大事なのは目の動きです。
「目は口ほどにものを言う」というのは本当です。
 教室では、教師はせかせかせず、まんべんなく、子どもたちを見ていくことが重要です。
 極力、子どもたちを均等に見てあげます。
 教師は、子どもたちを目だけで追ってはいけません。身体ごと、一人ひとりの子どもと正対する。肩から向かわなければダメです。
 教師は自分が思っているよりも、かなりゆっくりとしたスピードで、子どもたちを見ないと、伝わりません。
 教師が子どもたちを見ているつもりでも、見ていないことが多い。
 そのコツをつかめば、子どもたちが30人だろうが100人であっても、伝えることができるはずです。
(大矢 純:1966年生まれ、授業学研究所所長。数学の授業や教員育成などの経験をもとに、授業学の確立と普及を行っている。各地の学校で研修や講演、コンサルティングを行っている)

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担任の指導のやり方に何度も苦情を言う保護者に、どう対応すればよいか

 苦情の電話があれば、学年主任に報告する。小規模校であれば、教頭などの管理職に報告する。必要に応じて、生徒指導主任にも報告する。
 保護者が苦情を言ってきたときには、信頼関係に亀裂が入る危機状態である。しかし「雨降って地固まる」ということわざがある通り、この機会に信頼を取り戻し、回復するチャンスにもなるのである。
 一番最初の真摯な対応が、その後の保護者の印象を左右することがある。
「先生は、しっかりと考えてくれる人だ」「学校は丁寧に対応してくれた」と納得する保護者もいる。
 中には、不満を言うだけで、すっきりされる保護者もいる。
 まずは、どんな苦情かを丁寧に聴く。反論したいことがあっても、一生懸命に聴くことが大事である。
 話を聞いたら、まずはお礼を言う。
 苦情や批判でも、子どものためという保護者の思いはありがたいことである。
 その場で、即答できること、お詫びすべきことは、その場でしてよい。ただし、言い訳が多くなったり、子どもの責任にしたりするのはよくない。
 連絡帳で苦情を受けた場合は、教師から保護者に電話を入れて
「とても重要なことなので、詳しくお話しして頂けませんでしょうか」
と、迷惑にならない範囲で話を詳しく聞きたい。 
 次のようなときは、すぐに返事ができないことがある。 
(1)他の教師が絡んでいるとき
(2)学校全体が関係するとき
(3)管理職の判断が必要なとき
(4)重大な過失があったとき
 学校として対応が必要なときは、すぐに管理職に報告する必要がある。
 管理職の指示をよく聞いて、適切に対応することが求められる。
 個人として行ったことでも、保護者から見たら学校の対応と見られる。
 何度も苦情を言ってくる保護者は、必ず管理職に報告をする。
「何度も言ってくる」ことは、学校の対応に納得がいかなかったり、不満があると思われる。保護者の真意が別のところにある場合もある。
 教師個人では対応は難しく、学年主任や管理職から話を聞いてもらったり、家庭訪問をしたりして対応する必要がある。
 また、どうやって返事をしていいか分からないことはある。
 その時には、急いで答えてはいけない。すぐに管理職に相談して、改めて返事することを伝える。
 その際に、いつまでに、どのように返事をするのかを明確に伝える。
 例えば、何時間後、明日まで、2日後までなのか。電話するのか、直接伺うのか。
 この部分が極めて重要である。誤解を生じてしまったために、保護者の印象を悪くすることがある。
(貝沼浩晃:新潟市立小学校教師)

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教師は言葉による指導が大部分、授業を録音して聴いて、言葉の修業をすると驚くほど力がつく

 自分の授業のイメージと、実際の授業にはズレがあります。
 その違いを認識することが、授業上達への第一歩です。
 毎日、1時間、授業を録音しましょう。
 録音したものを聴くと、
「やたらと話が長い」
「くどい」
「説明がわかりにくい」
「えーっを連発する」
「一本調子」
「同じトーン」
「あいまい」
「子どもをほめていない」
など、いろいろなことがわかります。
 聴いていくうちに、
「こんなはずではない」「これは、私ではない」と、ひどすぎ、いやになってきます。
 あまりにも、自分のイメージとかけ離れているのです。
 私は、3年間、毎日聴きました。いやになりましたね。
「なんて、へたくそなんだ!」
「だれだ、おまえは!」
「あっ、おれか」
 このような自問自答を続けました。
 今は笑えますけど、当時は笑えませんでした。
 録音したものを聴くことにより、いろいろなことを発見します。それが大切なのです。
 自分を客観視することができます。自己改革を迫られます。
「子どもが悪いのではない」
「悪いのは、自分だ」
 私は、毎日、気づいたことを直してきました。
 無駄な言葉を省いていきました。
 ストップウォッチを持って、時間を計ることもしました。指示の時間を計ったのです。
 やっているうちに、いろいろなことがわかってきます。
 授業を録音し、聴いてみましょう。
 教師の指導の表の部分は、言葉による指導が大部分です。
 ですから、言葉について修業しましょう。意識して実践すると、驚くほど力がつきます。
 本当に教師は話がへたですね。今までに、うまいと思った方は10人いません。ほとんどの教師が問題外です。
 テレビ番組は、いい教材になります。
 言葉は、自分の意識のあらわれです。ですから、心が変わらないと言葉は変わりません。
(杉渕鉄良:1959年東京生まれ、東京都公立小学校教師。「教育の鉄人」と呼ばれる実践家、子どもを伸ばす為に命をかける熱血教師。ユニット授業研究会代表。その実践スタイルは全国の教師、保護者から支持を受ける。2003年夏、日経スペシャル「ガイアの夜明け」に出演。PHP「VOICE」や、経済誌「プレジデント」での教育シリーズに取り上げられ、各方面からの注目も高い。ユニット授業、10マス計算、表現読み、指名なし発言など、子どもの可能性を引き出すため、さまざまな工夫を凝らした教育実践を行っている)

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小学校の高学年女子に嫌われないためには、どのようにすればよいか

 多くの教師が小学校の高学年女子の指導が難しいと感じ、一歩間違えれば修復しづらいと思っています。
 女性教師の方が女子指導に長けているといわれています。女子はかつて自分が経験してきたから、同性だから女子の心理がわかるというのが大きな理由でしょう。
 しかし、すべての女子教師がそうであるかというと、決してそうではありません。同性ゆえに、女子とぶつかり合い、険悪な関係を築いてしまうケースもあります。
 男性教師であっても、女子を手のひらの上で転がすように上手に指導する教師もいます。
 これは、女子という特性に合った指導をすることが肝要であることを示唆しています。
 小学校高学年女子は、潔癖で正義感が強いため、嫌いと思ったら、簡単に許すことができません。
 教師と子どもは立場が対等ではなく、しかも、年齢的にも心情的にも距離が遠いのです。一度溝ができてしまえば、修復することはそう簡単なことではありません。
 子どもは、嫌な人の言うことを、信じようとは思えません。ですから、教師として最低限のつぎのような「嫌われない努力」は必要なのです。
(1)頭ごなしは嫌われる
 思春期の子どもたちにとって、上からの圧力は格好の反発の的。権力で従属させようとしたりすれば、一人の人間として尊重されていないと感じ、反発心を生みます。
(2)自分しか見えていないとバカにされる
 自分しか見えていない教師はバカにされます。
 例えば、子どもたちのニーズに合わないことを一生懸命にやっている教師は、滑稽に見えます。
 自分中心的な教師から教わりたいと思う子どもなんて、そうそういません。
(3)くどいとうるさがられる
 細かいこと、わかっていること、同じことをくどくど言う教師がいます。
 子どもは「うるさいな。わかっているよ」と、指導を聞かなくなる。
(4)不潔・セクシーは気持ち悪がられる
 高学年女子は潔癖です。
「生理的に受け付けないもの」が結構あります。
 例えば、不潔・不衛生なもの。教師の髪型。口臭や体臭、服装などが評価の対象です。
 清潔であることは、もちろんですが、女性の色っぽさにも女子は嫌悪感を抱きます。
(5)教師と子どもとの距離
 執拗に子どもの近くに寄る。身体の接触が多いのはダメ。
(6)下ネタ、セクハラは即刻アウトです
(宇野弘恵:1969年北海道生まれ、旭川市内小学校教師。教育研修サークル・北の教育文化フェスティバル理事)

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教育雑誌や教育書を何回も読むと教師力を高めることができ、教師修業に欠かせない

 私が新任教師のころの研修主任の先生は、時間があれば本を読んでいました。
 私が「何の本を読んでいるのですか?」と尋ねると、
「これは、現代教育科学、授業研究、国語教育、作文と教育の教育雑誌、これは斎藤喜博、大村はま先生の本・・・・」
と、次々と、机の上にあった本を見せてくれました。
「教育雑誌や教育書は、読んだほうがいいよ。教育界の今の課題や流れなどを知ることができるからね」
「子どもたちに勉強を教えるのに、教師が勉強していなかったら、おかしいよね」
 言い方は優しかったけれど、私の心につき刺さる言葉でした。
 小学生の教科書の内容くらい教科書さえ読んでいれば、簡単に教えられると思っていた自分の考えの甘さが恥ずかしくなりました。
 学校帰りにすぐ、本屋に立ち寄りました。とにかく、読みまくって勉強するぞ、という気持ちになりました。少しでも、いい授業がしたい、教師としての力を上げたい。
 本を読み進めると、面白くてたまりませんでした。
 そこには、自分が知らない世界が広がっていて、なぜ今まで読まなかったのだろうと後悔しました。
 この日から、10冊近い教育雑誌の定期購読を始めることにしたのです。一冊でも多くの教育雑誌を読む。教師修業の本格的なスタートです。
 いざ読み始めると難しい内容ばかりです。頭の中に、簡単にすーっと入ってきません。
 研修主任の先生に、読み方について聞くと
「福山さん、これ見て」と、手元にあった教育雑誌とノートを見せてくれました。
 雑誌には、たくさんの線が引いてありました。何か言葉も書いてありました。
 ノートを見ると、雑誌から書き出した言葉が並んでいました。
 私は甘かった。本を一回読んで、あきらめていたのです。ノートに書き写すなんてことは、やっていません。
 さらに、私は質問しました「この雑誌は何回読んだのですか」
「確か、3回かな」「一回読んだぐらいじゃ、分からないからね」
 本当に甘い自分だと思いました。
 本の中に出てくる実践内容や理論が、一つでも多く自分の頭に入ってくるように、何度でも読み返せばいい。
 まずは、分からない内容があったら「?」を書いて読み飛ばす。時には「?」と書いて、ノートに記録しておこうと、考えるようになったのです。
 多い時には、15回も再読したことがありました。頭にすっと浮かぶものも出てきました。
 30数年経った今でも、読み続けています。読むスピードが速くなりました。内容も、さっと読んで分かるものがたくさん出てきました。
 本は読めば読むほど、自分の教師力を高めてくれる「学びのねた」に出会ってきました。
 本の再読を楽しむ。これは、教師修業に欠かせない心持ちだと思うのです。
(福山憲市:1960年山口県生まれ、山口県下関市立小学校教師。サークル「ふくの会」、「ミスをいかす子ども達を育てる研究会」を組織している)

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いじめの前兆に目を光らしたり、いじめがわかったときなど、どう指導すればよいか

 いじめは、いじめられる子どもだけでなく、いじめた子も不幸にする恐ろしいものです。発見したら即対応です。
 いじめの前兆に目を光らします。いじめは「芽」のうちに摘み取ってしまいましょう。
「いじめは」いきなり起きるのではありません。些細なもめごとや、からかいが、徐々にエスカレートして「いじめ」になります。
 ですから「これがいじめ?」と思えるような、かすかな前兆を見逃さないように注意しなくてはいけません。
 いじめの前兆に気づかず見逃すと、子どもや保護者が不安になるだけでなく、深刻ないじめに発展する恐れがあります。
 いじめの前兆を見逃さず、的確に指導することで、いじめを防止することになり、子どもも保護者も安心する。
 子どもや保護者の相談には、真剣に耳を傾けなくてはなりません。「それは考えすぎ」「単なるいたずら」などとは思ってはいけません。
 その子とクラス全体を観察する目をさらに厳しく「いじめの前兆」はないか、どうかを見極めましょう。
 何かことがあるごとに、対応し、保護者に報告します。
 グループから外れる、からかわれやすい、非難をうけやすい、など、そのような子どもがいたら、気をつけて見ておきます。
 そして、機会あるたびに周囲の子どもを指導するようにします。保護者も何となく、わが子が友だちから避けられていると感じています。
 指導するたびに連絡を入れ、日頃から少しずつ安心してもらうよう努めましょう。
 もしも、深刻ないじめを発見したら、いじめと闘う決意を伝える。
 深刻ないじめを発見したら、クラスの子、全員に対してはもちろん、いじめられている子と、その保護者に対しても、教師が全面的に子どもを守ることを約束し、いじめと闘う姿勢を示します。
 いじめを憎み、闘う教師の姿勢で、子どもと保護者の信頼と安らぎを取り戻しましょう。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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生徒や同僚と関わる喜びを支えに、崩壊した学級を立て直した

 私は45歳、教師歴23年の中学校、理科の女性教師です。
 私の性格はじっとしていることができず、いつもあくせくと働いています。人に何か頼まれると嫌とは言えず、人に頼ったりすることが苦手なタイプです。
 私は、生徒たちと共に成長していけることに喜びを感じています。
 若い頃は保護者からの協力も得られ、支えられてきましたが、異動先の学校の保護者からの匿名の中傷のはがきが原因で人間不信になってしまいました。
 最近では、保護者からの教師に対する批判も多く、一生懸命やっても満たされない思いが残ります。
 初任の学校では、ほとんどの時間を理科の準備室で過ごしました。先生方からは、実験の準備やコツなどたくさん教えていただきました。
 生徒も休み時間のたびに準備室を訪れ、話をしていきました。
 生徒の対応で困ったとき、よく相談にのってもらったのが体育の女性教師です。
 私は教師になれたら結婚しないつもりでいました。思う存分に生徒と過ごす時間を使いたかったからです。
 しかし恋の病には勝てませんでした。相手の一言で一喜一憂する恋愛による心の不安定さで、仕事に影響を及ぼすことは避けたいと、あまり深く考えずに、新採の年度末にあっさりと結婚してしまいました。
 夫と同じ職場にはいられないということで異動することになりました。異動先の学校は私が太刀打ちできない、毎日が運動会のような荒れた学校でした。
 そんななか私は突然、妊娠による貧血で倒れ入院してしまいました。私が産休に入るには代替の教員を探さなくてはなりません。
 女性教頭に「自分で代替の教員を探しなさい」と言われ、出身大学を訪れ後輩が来てくれることになりました。私はこういう教頭のような冷たい人になりたくないと思いました。
 学年主任は、年配の先生でとても感性豊かな方でした。出産祝いに生徒全員のメッセージを病院に届けてくれました。「これからは教育相談を勉強したほうがいい」と勧めてくれました。
 私の子どもは実家の母が自分の仕事を辞めて見てくれました。母は「あなた教員になったとき、協力するために仕事を辞める決心をしていた」と、後で聞かされました。
 出産後も学校は相変わらず荒れていました。
 一学期が終わろうとしていたある日、1年の女性担任が相談にきて、学級が崩壊し生徒の前に立つのが怖くなって退職するというのです。
 二学期からは、念願がなって初めての担任となりました。ただし、学級崩壊しているクラスです。
 二学期の始業式の日、教室では、一人の子をめがけて、給食の白衣が飛び交っていました。いじめで不登校になりかかっている生徒もいました。
 早速、緊急保護者会を開き、現状を訴え、混乱している子どもたちに、健全な教育をしてあげたいことを力説しました。
 そして、何よりも、このクラスの担任になれたことに感謝し、うれしく思っていることを伝えました。このとき、本当に心からそう思えたのです。
 実は、今までに、このクラスの卒業生の結婚招待状が一番多く届いています。彼らは思い出話を語り、僕たちの恩師と呼べるのは先生だけですと言ってくれます。
 学級通信を1日おきに発行し、生徒ノート(生徒と担任との交換日記)も準備しました。
 運動会のクラス対抗リレーでは、最後は担任が走るのが慣例になっていました。私のクラスが優勝し、閉会式の後、私のもとにクラスの生徒がいっせいに駆け寄り胴上げをしてくれました。
 教師冥利につきる瞬間でした。このような感動を一度でも味わってしまったら、教師はやめられなくなるでしょう。
(佐藤恵子(仮名):中学校教師、河村茂雄編:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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困った子どもに出会ったとき、教師はどう接すればよいのでしょうか

 教師に叱られる子どもの気持ちになってみると、叱られたときは、だれだって「自分が悪い」とは思っています。子どもなりに反省もしています。
 しかし、教師に面と向って言われるだけだとカチンとくるのです。先生が叱られる子どもに対して何もしてくれないからです。冷たいからです。
 厳しく注意されたり、怒られたりすると、子どもは「自分は愛されていない」と思ってしまいます。ですから、教師の思いとは逆の方向に走ってしまうのです。
 まずは、あたたかく接しましょう。
 例えば、忘れ物をした子どものために、いろいろなグッズを用意しておきましょう。鉛筆、赤鉛筆、消しゴム、教科書、ノート、絵の具など。
 子どもたちは安心します。
「この先生は、忘れ物をしても怒らない」
「にこにこして、貸してくれる」
と、うれしくなります。
 おがて「ぼくが悪いのに、先生は、ぼくを責めない。それどころか、フォローしてくれている」と思うようになります。
 すると、子どもたちは、だんだん言うことを聞くようになります。
 人間は、自分を愛してくれていると思える人の言うことは、よく聞くものだからです。
 子どもにあたたかく接しましょう。恋人に接するように。
 思っているだけでもだめです。具体的な行動を起こしましょう。
 困った子どもに出会ったとき。
 困った問題行動を子どもがし始めたとき。
 そういうときこそ、その子どもの長所、ただ一点とのみ、つき合いましょう。
 これが大事だと思います。
 どんな子どもにも、いいところがあります。
 その一点とだけ、つき合いましょう。
 それだけで、子どもは変わります。
 困った子どもに出会ったときのポイントは
(1)まず、受け入れ、包み込もう。
(2)長所のみを見て、接しよう。
(3)受け入れられ、認められると、子どもは変わる。
(杉渕鉄良:1959年東京生まれ、東京都公立小学校教師。「教育の鉄人」と呼ばれる実践家、子どもを伸ばす為に命をかける熱血教師。ユニット授業研究会代表。その実践スタイルは全国の教師、保護者から支持を受ける。2003年夏、日経スペシャル「ガイアの夜明け」に出演。PHP「VOICE」や、経済誌「プレジデント」での教育シリーズに取り上げられ、各方面からの注目も高い。ユニット授業、10マス計算、表現読み、指名なし発言など、子どもの可能性を引き出すため、さまざまな工夫を凝らした教育実践を行っている)

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保護者が学校にクレームを言いに来たとき、教師はどのような心構えが必要か

 保護者が、わざわざ来校するのですから、教師が保護者に「何しに来るの」などと思わないことです。
 教師が「忙しい中、子どものためにようこそ」という精神で迎え入れ、自然に笑顔で対応するように心がけましょう。
 教師が笑顔で迎え入れ、保護者に共感の一言をかけることで、保護者の気持ちが和らぎ、円滑で前向きな話し合いが可能になります。
 教師が保護者に共感できるためには、教師が余裕をもって保護者に対応する必要があります。
 教師として、子どもを思う保護者の気持ちに共感できる感性を養うようにしましょう。
 保護者も教師と同じ「人間」です。怒りもすれば、笑いもし、分かりあえることもできるのです。
 教師が、そう考えて対応することによって、教師の考えを保護者に理解してもらうこともでき、前向きな話し合いが可能になります。
 興奮している保護者の感情をよく考えて、言葉は慎重に選びましょう。
 保護者が来校した時、教師の何気ないひと言で、保護者が「何か言いたことでもあるの?」と気分を害してしまい、保護者の気持ちをヒートアップさせる原因にもなりかねません。
 また、共感の一言が大切だからとは言え、納得できないことや、他の人を否定するような話にうなずいてはいけません。
 保護者と一緒に問題を解決していくという気持ちで話し合いに臨みましょう。
 教師に至らない点があれば、素直に謝罪して、改善できることがあれば、改善策を提案します。
 子どものために、真剣に考えていきたいという真摯な姿勢を示さなくてはなりません。
 クレームを言ってくる保護者は、教師の誠意を理解してもらえれば、逆に心強い応援団になってくれることが多いものです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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不満や悩みの解消に役立ち、生きる喜びも高いものになる人間としての生き方とは

 人間としての生き方はみな異なるものだと思います。
 人間の生き方は、自分に与えられた持ち味を生かし、使命(責任をもって果たさなければならないつとめ)をやり遂げること。これこそが人間としての成功と呼べるものではないでしょうか。
 例えば、ある人が靴を作る仕事をはじめたとします。靴を作って人の役に立ち、喜ばれることが成功となります。
 つまり、人間として成功かどうかの基準は、社会的な地位や名誉や財産ではなく、自分に与えられた持ち味、使命を十分に生かすか、生かさないかというところにある。
 地位や名誉や財産はどんなに努力しても全員がえられるものではないでしょう。
 しかし、持ち味を生かそうとして、人生を生きることは考え方によっては全員が可能だと思います。
 自らの持ち味を生かして生きている人は、地位や財産があろうとなかろうと、いつもいきいきと、自分の喜びはここにあるのだという自信と誇りをもって、充実した人生を送ることができると思います。
 そういう人が多ければ、豊かな活力が生まれ、力強い発展がもたらされるのではないでしょうか。
 最近は、昔に比べれば生活が豊かになったにもかかわらず、不平や不満、不安に悩む人が多くなったと言われます。
 その原因として、人間の成功をどのように思うかが関係しているように思います。
 地位や名誉や財産に重きを置き過ぎて、自分の独自の持ち味を生かし、使命に生きることの大切さが忘れられている傾向があります。それが不満や悩みを増やしているのではないかと思います。
 人生や人間としての成功を、自分の持ち味を生かすことにあると考え、それを求めていくことによって、不満や悩みの解消に役立ち、個人としての生きる喜びも、社会全体の発展や繁栄も、より高いものになると思います。
(松下幸之助:1894-1989年、パナソニック(旧名:松下電器産業)創業者。経営の神様と呼ばれた日本を代表する経営者)

 

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トップ1割の教師が知っている「クラスの子どもの育て方」とは

「どうして、あの先生の言うことだと、子どもは聞くんだろうか?」
「なぜ、あの先生のクラスの子どもはきちんとしているんだろう?」
 そんなふうに気になったことはありませんか。
 すぐれた教師は、自然に「コーチング」の手法を使いこなしているということです。
 コーチングは、人のやる気やアイデアを引き出し、自分自身の力で目標を達成させるための方法です。
 学校で何か問題が起こったとき、いままで多くの場合、教師が正しいことを教えて、子どもにやらせる指導をしてきました。
 でも、コーチングを使うときは、子どもの話に耳を傾け、質問し、子ども自身がどう問題を解決したいかを考えさせます。
 子ども自身が自分で何をやるのかを決めたり、目標を決めたりすることをサポートするのが教師の役割になります。
「コーチングを使ったら、子どもたちとの関係がよくなった」
「クラスがうまくいくようになった」
という声が、数多く寄せられています。
 子どもたちが教師の言うことをきかない。教師の言うことに反発する子どもが多い。
 子どものやる気のなさにイライラする。
 クラスにまとまりがなく、子ども同士がバラバラで、何かを一緒にやろうという意欲が見られない。
 こんなことで困っていませんか。
 教師がコーチングを使うと、
 子どもが教師の言葉に耳を傾けるようになる。
 子どものやる気がぐんぐん出てきて、教師も子どもと話すのが楽しみになる。
 クラスの雰囲気がよくなり、子ども同士のつながりが生まれるようになる。
 子どもが自分で考えて行動を始める。自分の問題の責任をとるようになる。
 というふうに、クラスが変わります。
 コーチングは、200にも及ぶスキルがあります。そのたくさんのスキルの前提になるのが次の3原則です。
 コーチングは、すべての会話がこの3原則からスタートします。
1 双方向性
 教師から子どもへの一方的なコミュニケーションではなく、子どもの話を聞き、質問をすることで、教師と子ども、子ども同士がお互いに考えを伝えあう、双方向のコミュニケーションをとります。
2 個別対応
「たくさんほめる」ときには「見守ってあげる」といったように、子どものパーソナリティーや状況に応じて、関わり方を変えていきます。
3 継続性
 課題の進み具合を共有しながら、最後まで目標に到達できるように、継続的にコミュニケーションをとります。
 クラス運営の中でも、この3原則を大事にしていくと、クラスの雰囲気がよくなり、クラスもまとまってきたと語る教師が多い。
 まずは、クラス運営の中で、場面によって、意識的に3原則を使ったり、試したりしてみてください。
(吉田 忍:1972年東京都生まれ、大手企業の管理職、約6000人の組織リーダーのビジネスコーチを経て、教師向けのコーチングセミナーを全国展開している)

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教師は「悪口を言われるのも、お給料の内」、戦場となっている教室では熱意や誠実さだけでは戦えない策略を巡らせて戦う必要がある

 学校現場は厳しい。教室は「戦場」のようなものだ。
 それなのに、初任者の教師は「武器」も持たず「策略」も練らずにやってくる。それでは「攻撃してください」と言っているようなものだ。
 教師になるような人は、真面目で叱られ慣れていない。だから、打たれ弱い。
 私も打たれ弱い性格だと自覚している。だから、打たれないようにと気をつけながら、なんとか無難に毎日を切り抜けられるようにしているのだ。
 しかし、若手教師は無難に過ごすことは無理だろう。気をつけていても、失敗するはすだ。たった一つの失敗でも、人格否定されるような攻撃を受けることもある。
 特に、学級懇談会が怖い。保護者が集団になって担任をつぶしに来る可能性があるからだ。学級懇談会の後、私は職員室で泣く若手教師を何人も見て来た。それなりの策略を練り、臨むべきだ。
 それでも、集中攻撃を受けることはあるだろう。傷ついたとしても、絶対に辞めてはいけない。
 初任者のクラスの8割が荒れると言われている。1年目の若手教師はどれだけ失敗しようが、辞めないことが一番いいことだ。厳しい1年目を乗り切れば、2年目は絶対に楽になる。
 ちなみに、私は「教師は悪口を言われる商売だ」と思っている。
 どんなに私の前で「中村先生が担任でよかったです!」と言ってくださる保護者がいても、信用してはいない。 リップサービスだと思って、話を半分に聞いている。
 保護者は担任に何かしらの不満を持っていると思っておいた方がよい。そして、陰で集まって悪口を言ったり、メールやLINEで悪口をやり取りしているに違いない。
 教師は悪口を言われるのもお給料の内なのである。そう思えば腹も立たない。また、陰で悪口を言って気が晴れるのなら、とても有り難いことである。教師にやいばが直接向ってくるよりは、よっぽどいい。傷つかなくて済む。
 教師は内閣総理大臣の支持率のようなものだ。内閣の支持率が100%はあり得ない。
 悪口を言われていることを自覚しながらも「策略」を巡らせ、内閣支持率を上げていくことが大切なのだ。
 私が一番こだわっているのが予防です。例えば、やんちゃくんが反抗的になってしまうと、どんな手を使っても指導は入りません。そこで、やんちゃくんが背を向けないように予防することが大切です。
 やんちゃ君とは絶対に対峙しないことです。戦わなくてすむように予防する配慮が必要なのです。戦わなければ負けることはないですからね。
 やんちゃくんと対峙して反抗的になるぐらいなら、放っておけばいいのだ。やんちゃくんの周りの子どもを個別に叱る。やんちゃくん予備軍の子どもたちがやんちゃくんの真似をして悪いことをしようとしたら、怒鳴って止める。
 やんちゃくんが増えていくと、学級崩壊の危険が高まる。だから、やんちゃくんが増えないように周りの子を厳しく叱るのだ。
 ただ、みんなの前で怒鳴られたことを恨みに思って、やんちゃくん化されても困る。だから個別に呼んで叱る方が効果的だ。
 今の教室は戦場になっています。戦場では熱意や誠実さだけでは戦えません。しっかりと策略を巡らせて戦う必要があります。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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子どもたちの(スポーツ等での)心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか

(1)子どもたちの心づくりを成功させるためには「心を使う」(目標設定、イメージの原則)
私は、オリンピックの金メダリストたちの分析で、心の大切さを知った。
「どれだけ強烈に自分は勝つと思っているか」
最後は、その心の強さで決まる。勝つ秘訣は「心づくり」です。
心を使うとは「書く」ということです。
目標設定用紙に書いて、目標を立て、達成のための方策、予想される問題点、解決策などを考え書く。
本当にハッキリするまで書くということです。
(2)心を強くする(できることの継続と特例禁止)
登山家の講演会でヒントをもらった「継続」です。
毎日、自分が決めた家のお手伝いを三年間つづけさせます。そして、教師に報告します。
(3)心を整理する(過去の中の後悔、未来への不安の解消)
自分ではどうすることもできない未来のことや過去の後悔などに、心が縛られて萎縮してしまうことがある。
いまの楽しさだけを求めてしまうこともある。
そういう心のマイナス要素を整理して、気持ちを未来に持っていくこと。
そのために役立つのが日誌です。日誌に、その日の反省、明日やるべきこと、自分の決意などを書きます。
私は子どもたちの日誌を読んで、必ずコメントを書いていきます。そうすることで、その子の持っているエネルギーを前に押し出すための後押しができるのです。
(4)心をきれいにする(感謝の心。奉仕活動。清掃活動。エコ活動)
感謝の気持ち、謙虚な心を養うことです。
スポーツで優勝しても天狗になっては意味がありません。自分の力だけで勝ったという傲慢で利己的な発想を排除すべきものなのです。
「ありがというございます」「おかげさまです」の心を育てるために、子どもたちに清掃活動(大会会場の清掃)や奉仕活動をさせています。
(5)心を広くする(生き方ノウハウの提供、自利即利他の原則)
強い選手、日本一になれる選手ほど、嫌がることなく真剣に仲間をサポートします。決して利己的な態度、言動はとりません。
そういう精神を持っている子どもこそ、自立型人間と呼ぶにふさわしいと思います。謙虚であるということです。
 そして、次の四つの方法で実践しています。
 それぞれ「プラン、ドゥ、シー、ショウ」に落とし込んでいきます。
 プラン・・・・目標を決め、計画を立てる
 ドゥ・・・・・・実行する
 シー・・・・・・検証する
 ショウ・・・・公表、共有する
(原田隆史:1960年生まれ 20年間大阪市公立中学校教師、教師塾主宰を経て原田教育研究所社長。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

 

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教師の心の病には「うつ病」がある、具体的な症状と治療法とは

 心の病で思い浮かべるのは「うつ病」ではないでしょうか。
 心の風邪と呼ばれたこともあり、うつ病患者は年間100万人以上で、診断を受けていない人を含めると500万人以上が罹患していると推定されています。
 うつ病の一番特徴的な症状は、気分の落ち込みです。数日、時には数時間や数十分単位で変化します。
「体が疲れやすく、運動もできない、する気が起きない」「テレビもうるさくて見たくない」
といった状態になります。
 特に、朝の気分が優れず、夕方以降は少し改善することがあります。
「うつ病の人を励ましてはいけない」ということはよく知られています。無理に気分転換を図ったり、活動をしたりすることで具合が良くなるものではありません。
 取るべき対応は通常とはまったく異なる場合があるので、注意が必要です。
 まれに、気分の落ち込みが目立たない「仮面うつ病」と呼ばれるうつ病もあります。
 この場合の症状は「食欲が落ちて体重が減った」「だるい」「疲れやすい」など、身体の症状が中心となります。
 また、最近は「非定型うつ病」と呼ばれるうつ病があります。過眠・過食などの症状が見られ、夕方から夜にかけて気分が滅入る人が多くなります。
 対人関係に過度に敏感になり、周囲を責めるような言動が見られたり、好きなこと楽しいことに関心がもてたりと、従来のうつ病と異なる特徴が見られます。
 一方、「体が鉛のように重い」「イライラ感があまりに強く仕事が手につかない」などの症状が出るため、仕事への支障は小さくありません。
 その他に、「躁うつ病」があります。過度に気分が高揚して活動性が高い「躁状態」と、「うつ状態」をくり返す病気です。最近では「双極性障害」と呼ばれることが多い。
 うつ病は、過労やストレスがきっかけとなって発症するのが一般的です。
 何か「原因」を探したくなるものですが、明らかでない場合もあるのです。
 うつ病の主な症状は
(1)気分の落ち込み
 悲しい気持ち、希望を持てない気持ちが、常につきまといます。何をしていてもつらく、重症化すると仕事や生活にも支障を来たします。
(2)興味と喜びの喪失
 何をやっても楽しめず、むなしさがぬぐい去れなくなります。好きだった趣味もする気が起こりません。
(3)活力の減退
 活力が落ち、疲れやすく、活発に動けなくなります。何をするにもおっくうで、ちょっとしたことにも、取りかかる時間がかかってしまいます。
(4)思考力・集中力・注意力の低下
 本や新聞などの活字が読めなくなったり、人の話が頭に入らなくなったりします。受け答えが遅くなり、ちょっとしたことでも判断や決断が下せず、迷うことが増えます。
(5)自責感
 自分を責めやすくなります。自分が悪いと考えるようになります。
(6)体調の変化
 頭痛や腰痛などの体の痛みなど、さまざまな身体症状が現れます。そのため、当初は精神疾患だと気づかず、内科などを受診する人もいます。
 また、睡眠障害が起き「寝つけない」「熟睡できない」などが、しばしば起こります。
 このほか、重大な症状として「死にたい気持ち」があります。病気のなり始めと、ある程度よくなってきた回復期に多い。今は病気であることを繰り返し伝え、死なないでほしいと約束を交わすことが大切です。
 うつ病になりやすい性格として、次の(1)(2)の性格の人があげられます。
 つぎのような性格の人が必ずうつ病になるわけでも、それ以外の人たちが絶対ならないわけでもありません。
 ただし、うつ病になった人がこうした性格に当てはまる場合、落ち着いた頃に、自分の性格や思考パターンを見つめ直してみると、その後の再発防止に役立つと考えられます。
(1)真面目で几帳面
 何事も適当に済ませられず、徹底的にやり抜こうとするため、知らず知らずのうちに、自分を追い込んでしまいがちです。また、思った通りにいかないときに、大きなストレスを抱かえてしまいます。
 教師は真面目で几帳面な人が多いので注意が必要です。
(2)協調性が高い
「他人に合わせようとする」「周囲との摩擦を避ける」なども、うつ病になりやすいタイプとされています。
 他人への過剰な気づかいから自分の気持ちを抑え過ぎていたり、トラブルが発生した際に、過度に自分を責め、必要以上に責任を感じたりしやすいのです。
 頼まれ事をされた際に断れないことも少なくありません。
 うつ病の代表的な治療法は
 治療が始まってからも、病状には波があり、良くなったり、悪くなったりをくり返しながら改善していくのが一般的です。焦らずその時々の状態に合わせた療養に努めていただきたい。
(1)薬物療法
 うつ病の治療で中心となるのは薬物療法です。
 うつ病では、モノアミンと呼ばれる神経伝達物質が減少していると考えられます。
 この働きを高めるのが、抗うつ剤です。効果が現れ始めるまでに約2週間以上が必要で時間がかかりますが、比較的高い確率で改善が見られます。
 飲み始めの頃は、吐き気や胃の痛み、その後も眠気や便秘などの副作用が出る場合があります。
(2)電気けいれん療法
 頭に電極をつけて電流を流し、人為的にてんかん発作を起こす治療法です。抗うつ剤が無効な場合や、飲食ができず衰弱する危険性、自殺の危険が切迫している場合など症状の重い場合に実施されることが多い。
(3)精神療法
 ストレスを受けた際の考え方を見直し、バランスの取れた思考や行動を実践できるようになることを目的とした療法です。
(真金薫子:東京都教職員互助会三楽病院精神科部長、東京都教職員総合健康センター長、東京医科歯科大学臨床教授)

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教師は、どのようにして授業を改善すればよいのでしょうか

 授業の課題を見つけることが授業改善の第一歩です。課題が見つかったからといって、すぐに授業が改善されるわけではありません。
 どうすれば改善できるかがわからなければ何ともしようがありません。
 例えば、子どもを「ほめることが少ない」という課題で悩んでいる教師がいました。
 子どもをほめているつもりなのですが、一向に改善されません。どうしたらいいのか、お手上げの状態でした。
 具体的な改善策がなければ、かえって悩むばかりになるのです。
 その教師に話をうかがってみると、子どもが正解したらほめるようにしているということでした。正解した子ども、できる子どもしかほめられないのです。
 子どもたちをほめる観点を増やして、どの子どももほめる機会をつくることを意識すれば、よくなるはずです。
 気づいてしまえば当たり前のことでも、自分一人で悩んでいると、気づけないこともよくあるのです。
 自分で考えることも必要ですが、時には同僚や先輩に相談することも大切です。
 日頃から、授業に関して気軽に話せる関係をつくる必要があります。
 本を参考にすることも有効ですが、これだというものに出会えないこともあります。
 教師一人ひとりの個性も違えば、子どもたちの様子も違います。
 絶対的な正解などないのですから、あれこれ考えてばかりいても、授業は改善されません。
 大切なことは、まず何かを変えてみることです。
 子どもたちが変化することを期待して授業を変えるのですから、当然、子どもたちの様子が気になるはずです。
 今まで以上に子どもたちをよく見るようになります。
 子どもたちの、ちょっとした変化に気づくようになれば、授業改善につながる新たなヒントも見つかります。
 たとえ、ちょっとした改善でも、日々積み重なっていけば、大きな改善につながります。自信を持って継続していけばよいのです。
 改善策をただ実行するだけでなく、その方法で子どもたちの姿がなぜ変わるのかも理解することで、子どもたちの変化を待つ余裕ができます。
 問題は、よい変化が見られなかった場合です。
 結果がでないと、ダメだったとすぐに止めてしまう教師がいますが、ちょっと待ってほしいのです。
 少し授業を変えたからといって、すぐに結果が出ることは稀です。子どもも教師も変化にとまどって、すぐに結果がでない対応できないことがよくあります。
 結論を焦らずに実行し続けることも大切です。
(大西貞憲:1955年生まれ、愛知県公立中学・高校教師を経て教育コンサルタント)

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プロ中のプロ教師になる道とは何か、どのように進めばよいのでしょうか

 全てにおいてプロとしての技量を持っているんだけど、特に高い評価を得ている方、それがプロ中のプロなのです。
 対談した先生方は、個性的で傑出した力を持つ次の3人です。
1 八巻寛治
 ソーシャルスキルやグループエンカウンターの第一人者と言われる、仙台の八巻寛治さんです。
 今回、特に強く受けた印象は「乗り越える」というイメージでした。
「思春期をきちんと乗り越える」ということです。例えば、
「私は、子どもがすっと変わる瞬間というのが楽しかったんですね」
「子どもたちは、いろんな反応を示します。シグナルで伝えているはずなんです。そこをぜひ、心配してほしいんです。心配し過ぎるくらいに心配してほしいし、確かめてほしい」
「もし、違っていたら『ごめん、違っていたんだね』でいいんです」
 私は確かに、子どもたちに乗り越えさせずに終わっていることって、多いなあと思いました。
 穏やかに話す八巻さんですが、熱い人なのだということも、確かめることができました。熱い思いを優しい言葉で包んでいるんだなぁと思うところがありました。
 八巻さんのスキルはたくさんある。それは自分の生活経験から出てくるのです。
2 中村健一
 お笑いとネタで、全国の若い先生たちを勇気づけている信念の教師の山口の中村健一さんです。
 話を通じて強く感じたのは「最前線で戦う部隊長」ということでした。厳しいところで体を張って教育しているからこその言葉が、たくさん飛び出してきたように思います。例えば
「なんぼ、授業が上手で、ポリシーがあっても、目の前の子どもが変わらないと意味がない」
「子どもや保護者にそっぽ向かれたら、教育って成り立たない。その一方で、それだけになびいてもダメだなと思うんだ」
「理屈ばっかり言って、子どもを動かせない。それって、はっきり言ってプロじゃない」
「僕らは、目の前の子どもを変えるのが全てだ。できるようにする、それが楽しいんだ」
「俺が楽しいのは、子どもが楽しいからであって、子どもが楽しくないと、俺も楽しくない」
「人のやっていることを、その通りやったら、絶対にうまくいかないよ。空気読みながらやらないと」
「勉強になるのは、子ども。目の前の子どもが全てだから。子どもから学ぶ」
 若い先生たちの力になりたいという思いが強い。目の前で多くの教師仲間がぼろぼろになっていく姿に、怒りまで感じているのでしょうね。
3 山田洋一
 子どもとの関係づくりと授業づくりで次々とメッセージを発信する札幌の山田洋一さんです。
 山田さんの言葉の使い方は的確で、明晰さと学問がちらちらと顔を見せるのです。相当な勉強が山田さんのバックにあることを感じさせられました。例えば、
「うまくいったというのは、うまくいくための前提条件が膨大にあるはずなんですよ」
「この仕事に無駄なんて一切ないんだと思うんだ。無駄と思うことも、無駄じゃなくなってくるんだ。積み重ねたおかげて、できるようになるんだ」
 砂をかむような苦しい思いを通り越して、今の山田さんがある、これは本物ですね。
「自分のダメさを認めることのできた教師」が、プロとして一流に向かっていくんだろうなあと思いました。
 3人に共通して感じることは、今行っていることに自信を持っているということです。
 それは、自分の学級なら絶対に大丈夫だ、というような傲慢な自信ではありません。この3人の先生方からは、傲慢さは全く感じられませんでした。
「このやり方ならば、子どもたちは、こうなってきた」
という成果に基づいた自信なのですね。
 それから、楽しそうだということです。
 求道者のような教育実践家ではなくて、自分が楽しいことをしているという感覚が伝わってきます。
 これは実は、プロとしては、とても大事なことなのですね。
 楽しんでいるということは、子どもに対して
「私は、こんなにがんばって、してやっているんだぞ」
といった気負いや傲慢さがないということです。
「楽しませて、もらっています」
というような感覚があるのです。
 これは、長続きしていく、元となるのですね。
 そして、よく勉強しているということです。
 それぞれの学んでいるところは違いますが、だからこそ、おもしろいのです。
 学びながらも、自分の道を確実に歩んでいるということです。
 つぎの3点が共通点のように思えました。
「自信と信念」
「楽しさ」
「自分の学び」
 これから、プロ中のプロを目指される先生方に、ぜひこのあたりのことを大切に考えていってほしいと思いました。 
(多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演)

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「お誕生日会」で、1年間の思い出となる、楽しい学級づくり

 3月になって、子どもたちに1年間の思い出を聞けば、決まって一番に「お誕生日会」をあげるのです。
 お誕生日会の「小さいころのインタビュー」こそは、確実に自分が主人公であり、注目の的になれたからでしょうか。
 「小さいころのインタビュー」で、自分の小さい時のことを聞きます。照れくさそうに耳をふさぎながら聞く子どももいます。
 でも本当は、みんなが自分に注目してくれている、このときが一番うれしいのです。
 それと、お誕生日会の「班の出しもの」が1年間の思い出になるのです。
1 小さいころのインタビュー
 インタビューは、小学校低学年なら家庭訪問のときに、前もって聞くことをお知らせしておいて、担任が録音します。
 中学年以上になれば、そのつど、お家の都合を聞いて、班の友だちなどがインタビューに行きます。複雑な家庭事情がある場合は、担任が何とかします。
 次に、「小さいころのインタビュー」の例をあげます。
 お誕生日の子どもが教室の前にすわり、録音された自分の小さい時のことを聞きます。
子ども「今から〇〇くんのおばちゃんにインタビューします。〇〇くんが生まれた時の体重は何kgでしたか?」
母親「3900kgでした」
子ども「生まれたときの身長は何cmでしたか?」
母親「53cmでした」
子ども「小さい時に、大きな病気やけがをしませんでしたか?」
母親「1歳のときに、ひきつけをおこして、救急車で運ばれて、死ぬかと心配したことがありました」
子ども「どのようにして崇広という名前にしたのですか」
母親「おじいちゃんと、お父さんの名前から1字ずつもらって、人の役に立つ心の広い人になってほしいと思ってつけました」
子ども「クラスの友だちや先生に何か一言どうぞ」
母親「みんな、担任の先生の言われることをよく聞いて、仲良く助け合いながら、しっかり勉強してください」
母親「崇広はちょっと気が弱いので、みなさんから声をかけてくださいね」
母親「先生には、お世話になりますが、よろしくお願いします」
子ども「インタビューにこたえてくれて、ありがとうございました」
母親「ご苦労さまでした」
2 子どもたちを親密にする「班のだしもの」
 お誕生日会では、班で力を合わせて「班のだしもの」を創りあげます。
 例えば、紙人形劇、劇、紙芝居、合奏、歌、クイズ、手品、漫才などです。
 何とかまとめようと班長が苦労します。班長が最も成長する場面でもあります。
 練習期間は2週間ほどです。学級活動や道徳、雨で体育ができなかった時などを使います。
 練習中ももめますが、もめた班ほど、成功したときの喜びは大きいものです。
 お誕生日会は、適当な人数ごとに、2カ月とか3カ月に実施します。
 1回経験すると、必要な仕事やスケジュール、フログラムなど話し合う中身がわかるので、自分たちで話し合いをすすめることができるようになります。
 お誕生日会のグッズ、例えば、画用紙を6枚貼り合わせた、大きなバースデーケーキ、一人ひとりの名前を書いたローソク(裏に磁石を貼る)、プレゼントするバースディカードなどは、分担して子どもたちがつくります。
 お誕生日会のたびに班の出しものをする機会ができるので、内容が文化的にも高まっていきます。
 今までのクラスの子どもたちの親密さは、お誕生日会のたびに班の出しもので積み重ねられてでてきた親密さだったと思います。
 その親密さが、子どもたちにとって心地よく、楽しくて、一年間の一番の思い出になったのでしょう。
(野口美代子:1946年兵庫県生まれ、元兵庫県尼崎市立小学校教師・全国生活指導研究会全国委員)

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保護者との信頼関係は、子どもの家に「足」を運び、家庭訪問することで築け

 保護者に顔を合わせて伝えるのと、文章や音声だけで伝えるのとでは、同じメッセージでも、受け手側のイメージが大きく異なることがあります。
 トラブルの報告や生徒指導上の必要な事柄は、保護者の顔を見て伝えることで、後の大きな労力を削減することになります。保護者と「顔を合わせる」ことが大切なのです。 
 保護者には誠実さを示すことが教師への信頼を高めます。
 大きなトラブルが生じた時の家庭訪問は、当然です。そうしなければ、保護者の気分を害することになります。
 反対に、ほんの些細と思われることで家庭訪問をすると、保護者は「そんなことで? ありがたい!」と、教師への信頼を高めます。
 家庭訪問し、足を運ぶことはおっくうに感じるかもしれませんが「この30分間の労力が、後のトラブルへ発展することを回避する」と考えて、機会を見つけて家庭訪問をするように心がけましょう。
 大きなトラブル以外での家庭訪問は、保護者と顔を合わせて世間話をする感覚で、気軽に行うことが基本です。
 子どもが病気やケガなどで欠席した時、近所の子どもやきょうだいに連絡帳を預けたり、電話でメッセージを伝えたりするのが一般的な対応です。
 しかし、子どもが欠席した時こそ、家庭訪問のチャンスです。
 保護者と直接、出会って話をするための理由ができます。
 何よりも、子どもを思う誠実さが保護者に伝わり、信頼関係を築く機会になります。
 他の教師がやらないことこそ、効果も大きくなります。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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教師が気をつけること、教師が力をつけるために、大事なこととは何んでしょうか

 私の場合は、教師以外の方との付き合いの中から多くを学ばせてもらったような気がします。
 もちろん、先輩教師にも素晴らしい方はたくさんいましたし、教師の中からも学んできました。
 けれども、自分の知らない世界で学んできた方からの学びというものは、学校の中で、いくら逆立ちしても及びもつかないことです。
 教師以外の方から学ぶことの素晴らしさを私は体験することができたのです。
 私たち教師の毎日は、子どもが相手なんですね。教室に行けば、王様です。程度の低い相手としか付き合わない日々なんです。
 そうして10年、20年、30年とたった時に、その人々がどうなるかは、火を見るより明らかです。うっかりすると、自分を下げ続けていくしかないんですから。
 下の者とばかり付き合っているから、いつの間にか程度が低くなりがちです。
 私たち教師は、少なくとも自分より上の人と努めて付き合う日々とすべきです。
 今の自分よりも、もっと高い自分になるためのチャンスを作ることが大切です。
 師を持つことが大切です。自分の及ばない高さの力をお持ちの方と接するということは、自分を向上させていく、大きな目標になるし、力にもなるのです。
 いつも、自分の及び難い上の人と付き合っていれば、ずっと伸び続けることができるんです。
 私は、苦しいことや辛いことを皆さんに伝えているのではありません。
 レベルの高い人と付き合うということは、じつは、素晴らしく楽しいことなんです。
 それは、富士山の5合目までしか登ったことのなかった人が、6合目に上がれば新たに6合目の景色を見られるということだからです。
 「良き師」「良き友」「良き書物」、これが人生を充実させる三つの糧だと言われます。
 良き友というのは、自分よりレベルの高い友であることが望ましいです。
 良き師はむろんのこと。良き書物も同じです。
 一級の人物は、必ず一級の師匠を持っている。
 高杉晋作、山形有朋、伊藤博文らを育てた吉田松陰が松下村塾を開いたのは、2年半くらいでしょう。
 一人の偉大な人物の感化や影響というのは、決して時間じゃないのですね。どんな質で出会うか、ということです。
 人生は一回一回の出会いが、非常に大切なんですよ。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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授業中、子どもの飽きを緩和するためには、どのようにすればよいか

 授業中、あくび、手悪さなど、子どもの「飽き」を感じることはありませんか?
 そんな時に力を発揮するネタをお教えしましょう。子どもたちはリフレッシュし、授業に再び集中します。
1 合言葉
 お決まりの合い言葉をみんなで言います。すると、子どもたちは元気になり、授業に集中できます。
(1)合い言葉を決めておき、教師が途中まで言ったら、子どもたちが続きを言う。
 例えば、
 教師「やる気がある子は」、子ども「背中ピシッ」
 教師「準備ができたら」、子ども「手はおひざ」
 教師「教室は」、子ども「間違うところです」
 教師「できなくても」、子ども「がんばる姿が美しい」
 ちょっと笑わせて緊張をほぐしたい時は、ボケを入れるとよい。
 教師「〇〇先生」、子ども「最高です」
 教師「西南戦争」、子ども「西郷です」
2 3分間の雑談タイム
 学習をバンバン進めたい時は、説明中心のつまらない授業になりがちです。
 それでも、授業中に3分間の雑談タイムを設ければ、子どもたちはがんばれます。
 教師は「もし、みんなががんばったなら、授業中に3分間だけ自由な時間をあげます。この時間は、席を立って誰とおしゃべりをしてもよいです」と言う。
 授業中、教師は子どもたちが飽きてきたと感じたら、3分間の雑談タイムを取る。子どもたちは笑顔で立ち歩き、おしゃべりをしてリフレッシュする。
 どんなにつまらない授業でも、子どもたちは、この時間を楽しみにがんばることができる。
3 教師の質問に、子どもたちが声をそろえて「そーですね」と答える
 先生の質問にクラス全員が「そーですね」と答えます。
 声をそろえて言うことで、クラスに一体感が生まれます。
 また、子どもの声が大きくなります。
 そして、授業にテンポが出て、子どもが飽きにくくなります。
 授業中、クラスみんなで一斉に声を出す機会を増やしましょう。
(1)教師が「今日は、いい天気ですね」と天気に関する質問をする。これがスタートの合図。
 子どもたちは「そーですね」とクラス全員で声をそろえて答える。
(2)続いて、教師は「割り算は難しいですね」などの質問をくり返す。
 子どもたちは、その度に「そーですね」と答える。
(3)いくつか質問をした後、
 教師が「鼻の長い動物は」と聞く。勘のいい子どもが「ゾウですね」と答え、笑いが起きる。
 教師「10を別の言い方で」、子ども「とうですね」
 教師「ジャンケンでチョキに勝つのは?」、子ども「グーですね」
 教師「頭の中にあるのは」、子ども「脳ですね」
 教師「英語で2は?」、子ども「ツーですね」
 など、くだらないやりとりが楽しい。
(中村健一編:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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授業の最初に子どもたちをしっかりツカむには、どのようにすればよいか

「先生と勝負」という形にすると、子どもたちは乗ってくる。繰り返しやっても、子どもたちは飽きない。
 漫才的な私の授業は、最初が命。最初に子どもたちをツカんで、勢いだけで授業をやりきる必要があるからだ。
 授業の最初に号令をかけ、準備の確認をする。
 その後、私は何も言わないで、黒板に日付と学習するページ書く。
 そして、すぐに「書けた人?」と聞く。
 書き終わっている子は、得意げに手を挙げる。
 そこで、私はとっても悔しげに
「えっ? もう書けたの? 速すぎ! 負けた! 悔しい~!」と言う。
 できるだけオーバーに言う。黒板をたたきながら、泣く真似をすることもある。
 すると、先生に勝った子どもたちは、大喜びだ。
 子どもをほめる時のコツは「驚くこと」である。驚くとわざとらしくならない。子どもも大いに喜ぶ。
 ほめることが苦手な若手教師は
「えっ? もう書けたの? 速すぎ!」と言って、まずは驚いてみよう。子どもたちが大喜びするのが実感できると思う。
 さらに、学習の「めあて」を書く。
 私は「今度こそ、負けないぞ」と言って書き始める。子どもたちは先生に負けまいと素速く書く。
 これは、さすがに教師より先に書ける子どもはいない。そこで「めあて」を赤線で囲む時に、多少の手加減をする。
 私が赤線を引いている内に「書けた!」と声がする。私が赤線を引き終わって子どもたちの方を見ると、クラスの半分くらいの子が得意げに手を挙げて待っている。
「えっ? もう? 先生もがんばったのにな、悔しい~」とオーバーに言うと、子どもたちは喜ぶ。さらに
「きみたちは、速すぎだからね。今書き終わった人だって、中学生レベルだよ。書けた人?」と言う。
 子どもたちは得意げに手を挙げる。さらに、もう一度「書けた人?」と聞き、
「ここまで、合格。〇年生として、十分な速さだよ」とほめる。クラス全員なら、拍手もする。
 学習の「めあて」を書かせた後は、声だしをさせて、子どもたちをさらに元気にする。
「速くかけても、正しく書けてないと意味ないからね。自分が書いた『めあて』を確認しながら、ゆっくり読みます。はい」
 私の「はい」の後に続けて、子どもたちはゆっくりと「めあて」を読む。
「次は、素早く声を揃えて言うよ。『180度をこえる角の大きさを工夫して測ろう』はい」
 さらに、もう一度、今度は素速く声を揃えて「めあて」を読む。
「先生と勝負」学習の「めあて」の一斉音読、これを毎時間繰り返して行う。
 これだけのことだが、授業の最初に子どもたちをしっかりツカむことができる。
 さらに、授業の最初に「誰でも答えられる質問」で全員を巻き込むようにしている。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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教師はいかに学びあい、授業力をつけていけばよいのでしょうか

 私は職員室で時間を見つけては、子どものようすや授業について語り合うようにしています。
 これはと思う教材も紹介する。そして、話しただけでは具体的にわからないので、自分の授業を見てもらうようにしています。
 私は、教師になってしばらくは、全国の優れた授業実践を本や雑誌などで学びました。民間などのいろいろな研究会にも参加しました。
 私の若いころから職場では、「子どもから学ぶ」ことが大事だといわれてきました。しかし、私自身「子どもから学ぶ」ということがよくわかりませんでした。
 実際には、目の前の「子どもの姿をもとに授業を創る」重要さがわかり始めたころから、授業が変わってきたように思います。
 自分の身近にある生の素材から授業を創る体験が、授業力アップにつながります。
 教師は、困難に直面しているときはすごくつらいですが、その事態を深く見つめ続けていくと、ある時期、光が見え始め、そうするとまったく違う対応ができるようになるんです。
 私も荒れた6年生を担任していた時期は、子どもたちが朝会などで話を聴かなくて、それは大変でした。
 ところが、子どものようすを見ていると、聴かなくなるのはきまってつまらない話をしているときなんです。いい話をするときは、そんな子どもたちもちゃんと聴いている。
 小学校の高学年になると、話の質をすぐ見抜くんですね。
 それ以来、「6年生なのに」と思っていたことを「6年生だから」ととらえ直しました。
 そのときに、はじめて彼らの内面が見えてきたんです。おしゃべりも、なぜおしゃべりが起きるのかを深く考えてみる必要があります。
 現代の子どもは、人間関係に非常に不安を感じていて、疎外されたり関係を断ち切られたりすることが、教師に叱られる以上につらいことなんです。
 おしゃべりが「友だちとつながっていたい」という気持ちの表れだととらえ直すと、対処法が変わってきます。
 おしゃべりそのものを叱ってもだめで、教室に安心できる人間関係をつくっていかなければ、根本的な解決にはなりません。
 私は、子どもから学んでいけば、もっと楽に実践できると思います。
 まず、子どもの声を聴く。ある程度子どもに任せる。
 子どもが押してきたら、押し返すのではなく、むしろ押されて少しバックしてみる。
 そういうふうに、キャリアを積んだ年代の教師であればこそ、子どもの姿からつくっていく実践にもう一度チャレンジしてみてもいいのではないでしょうか。
(今泉 博:1949年北海道生まれ、東京都公立小学校教師、北海道教育大副学長(釧路校担当)を経て松本大学教授。「学びをつくる会」などの活動を通して創造的な授業の研究・実践を広く行う) 

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学校の仕事で一番大事なことは何か、授業の真髄とは何か

 NHKの「ようこそ先輩」や民間放送の「世界一受けたい授業」という番組を見た人も多いと思います。
 教員免許がない人だって、素晴らしい授業をします。
 ああいうところで授業をする人たちは、端的に言うと「サービス精神がある」から良い授業ができるのです。
 ふだんから「お客さん(市場)に鍛えられている」からです。
 たとえば、一流デザイナーと呼ばれる人たちが母校に帰って授業をする。
 一流デザイナーとしての力量は誰が認めるのでしょうか。お客さんが「この人のデザインが良い」「あの人より、この人が良い」と支持してくれるからでしょう。
 だから、教師は授業で、聴いてくれるお客さん(生徒)に理解してもらおうと考えるから、良い授業ができるのです。
 やっぱり授業で大事なことは、まず聴いてもらうこと。
 どんなに立派なことを話しても、聴き手が聴いてくれなければ、話にならない。
 聴き手が聴いてくれないと言うならば、興味深く聴けないということだから、話し手は反省しなければならない。
 基本的には、教えるほうの自分で、子どもの反応を受け止めて、話を進めなければなりません。
 先ほど、この講演の冒頭で、みなさんに学校の仕事で一番大事なことは何だと思いますか、と尋ねました。
 そうしたら、ほとんどの教師が「授業」と言ってくれたので安心し、素晴らしいと思いました。
 学校で一番大事な仕事は授業です。
 学校は授業が基本であり、すべてである、ということをしっかり胸に刻んでいる点が、素晴らしいと思います。
 良い授業とは何でしょうか。むろん自分で良い授業と思っていてもダメです。
 子どもたち学習者に「良い授業」「素晴らしい授業」と評価される授業が「良い授業」なのです。
 自分では良い授業だと思っているが、子どもはそのように思っていない。こういうミスマッチも、学習者の意見が反映しない教師本位に問題があるのです。
 ダメな教師の授業は子どもが相手にしないから、授業が成り立たないで学級崩壊するのは、昔も今も変わらないことがよくわかります。
 大多数の良い教師や、しっかりした教師の授業は、ふつうに粛々として行われていることは昔も今も変わりはありません。
 学ぶ学習者から率直な意見を聴取するのも、ひとつの方法ですし、同僚の教師の授業を見せてもらい参考にするなど、あらゆる方法で、日々、授業の改善工夫をこらす以外に道はないのです。
 それで給料をもらっているのだから、当然のことです。これが教師の仕事のいちばんキモのところです。
(戸田忠雄:1937年生まれ、長野県の私立、公立学校の教師、公立高校長、信学会長野予備学校長などを歴任し、政策研究大学院大学政策研究科客員教授。XYサタデースクールネットワーク代表。専門は教育政策・学校論など。政府の審議会専門委員も務めた)

 

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5月の連休を過ぎるころから、生徒は気のゆるみが見えはじめます、どうすればよいのでしょうか

 5月の連休を過ぎるころから、気のゆるみが見えはじめます。
 生徒は子どもです。放っておくと、けじめのないクラスになります。
 そこで、けじめのある明るさを教師が導いていくのです。教師は「笑い」と「まじめ」を表現する顔を自分で訓練しましょう。
 例えば、おもしろいことを話す中に、教訓めいた話が入るとします。教訓のときは、むずかしい顔をする。その後、破顔一笑するといった具合にです。
 目で笑ってても、ひきしまった顔をする。「百面相」という言葉がありますが、教育的「百面相」も努力次第でできます。
 体での表現もそうです。生徒と、うちとけてワアワア遊んでいても、心まで遊んでしまわない。しかし、生徒から見たら、心から「のぼせ」ているように動き回れる教師になることです。
 私は寄席が好きで、テレビで観ます。落語家のあの表情は、すぐに役立ちます。庶民的な雰囲気の中に、けじめの表情の大切さを教えてくれます。
 生徒に対して、親しさと指導のけじめを、教師がもつことです。
 例えば「人づて行動」がよいと思います。
 人づてに聞いたときには、面と向かって、教師から聞くよりもうれしいものです。
 先生が自分たちのことを陰で、そんなに「心配している」のか、あるいは「ほめている」のか、と知るときほど、生徒が真に受けとめられるものはないでしょう。
 さりげなく行われたら、なおのことです。
 教師は、その生徒をどうにかしようと思うから「叱る」のです。誤ちをしたりした時は、毅然と叱ることが大切です。
 「可愛くば、2つ叱って、3つほめ、5つ教えて、よい子にはせよ」という歌があります。
 今回は許そうと思うこともあろうが、やはり一度は叱ることが必要です。叱ったときには反抗的態度をとることもありましょうが、やはり叱るべきです。
 厳しく叱った後、場の雰囲気では、他の教師による説得が効果があります。「生徒指導は夫婦の呼吸」でといわれます。叱る教師もいけば、救う教師も必要です。
 叱るコツの5か条を次に示します。
(1)許すこと、許さないことを明らかに
(2)大勢の中で個人を叱るな(教師と生徒、一対一で叱ると生徒は素直です)
(3)熱い言葉で叱れ(厳しく、本気で)
(4)追いつめて叱るな(逃げ道を残して、古傷までえぐるな)
「生徒の気のゆるみ」は、やはり教師がつくっているのです。「教師の気のゆるみ」といってもよいでしょう。
 初心にかえること、4月の開幕の時期の緊張感を思い出してほしいものです。
(陣川桂三:1939年生まれ、福岡市立中学校教師、福岡教育大学附属中学校教師、福岡市教育委員会指導主事、中学校長、福岡市教育委員会部長、福岡大学教授を経て退職)

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学級崩壊予防の生命線は保護者、保護者と関係を良好に保つことが重要です

 保護者は決して教師の敵ではありません。子どもの成長のために協力し合うべきパートナーです。
 特に、低学年の子どもへの学習習慣に関する指導は、保護者の協力なしには効果があがりません。
 また、高学年の子どもへの指導は、たとえ、子どもとの関係がうまくいってなかったとしても、保護者からの信頼を得ていれば、思い切った指導をすることも可能になります。
「子どもを伸ばすためにがんばります」「子どもを伸ばすために、ご協力が必要です」と、日頃から保護者につたえるようにしましょう。
 保護者の教師への理解度によって、子どもに対する指導だけでなく、学級づくりにおいても、効果が大きく異なります。
 学級経営の最強のパートナーを得るために、保護者との関係を良好に保つことが重要です。
 子どもに厳しく指導した場合「なぜ、厳しくする必要があるか」「どのような考え方で指導しているのか」を、保護者に理解してもらわないと、不信感を与え、トラブルに発展する危険性があります。
 日常の授業や子どもへの指導を、教師自身どのような思いで行っているのかを、保護者に伝えることが重要です。
 保護者は、教師の考えを理解することができれば、教師の指導に納得してくれます。
 考えを理解してもらうためには、学級通信や保護者会、連絡帳へのコメントなど、あらゆる機会を利用して、具体的なエピソードを取り上げながら伝えるように努めなくてはなりません。
 学校の苦情を申し立てる保護者に対して「自分勝手だ」「他の子どものことも考えるべき」などと思ってしまうこともあるでしょう。
 しかし、わが子が痛い目にあえば、自分の身を切るような思いをするのが保護者というものです。
 わが子を思う保護者の気持ちを考えれば、常識はずれの行動も理解できないわけではありません。
「自分勝手」と考える前に、保護者の気持ちに寄り添う努力が必要です。そこから、教師と保護者との信頼関係がスタートします。
 活動的な子どもが集まる学校は、トラブルの火薬庫です。ほんの些細な一つのトラブルが、大きな問題に発展することは、日常茶飯事です。
 大きな問題が起きないようにするためには、些細なトラブルでも「大きな問題の火種」ととらえて、全力で対応し、解決することが重要です。
 保護者に事実が正確に伝わらなかったり、誤解を与えたりすると、大きなトラブルに発展しかねません。
 例えば、子どものケンカやケガなどは「この程度なら」などと軽く考えてそのまま放っておくと、誤解や偏見を与えてしまうこともあります。
 初期対応の時点で、保護者に事情を説明して、理解を得ることは、それほど大きな労力を必要としません。
 むしろ、保護者は「そんな些細なことまで、申し訳ない」と、感謝さえしてくれます。
 初期対応での保護者への連絡は肝心、かなめです。
 どの保護者も、わが子が担任から目をかけられることを望んでいます。
 なんらかのトラブルが起きて、子どもを指導するような場合でも、その子のよさや、その子に対する期待を保護者に伝え、その子が「大好き」というメッセージを受け取ってもらえるように努めましょう。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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クラス経営がうまくいかないとき、どう聞けば適切なアドバイスがもらえるのでしょうか

 クラスが落ち着かなくなってきたので、ベテランの教師に、その原因をアドバイスしてもらうと「先生は優しすぎるんだよ」と言われました。
 そこで、次の日から、子どもたちに厳しく対応しました。ところが、かえって子どもたちは落ち着かなくなりました。
 どう聞けば、適切なアドバイスがもらえるのでしょうか。
 まず、このベテラン教師が「優しすぎるんだよ」と言ったアドバイスには、どのような前提があるのでしょうか。
 あなたの指導を見て言っているのでしょうか。それとも、ふだんのあなたの雰囲気から、そう判断したのでしょうか。
「優しすぎる」とは、どういうことなのでしょうか。
 厳しくしなければいけない場面で、そうしてないという意味なのでしょうか。
 それとも「なめられている」と指摘しているのでしょうか。
 アドバイスを聞いたとき、あなたの解釈は、どのようなものであったのでしょうか。
 例えば、どの場面で、どの程度、どんなふうに「厳しく」しようと考えたのでしょうか。
 このような前提について、無自覚であったり、状況に対して方法が合致していないと、せっかくのアドバイスも無意味になってしまいます。
 アドバイスをもらう際には、できるだけ具体的に状況を語りましょう。大事なことは
(1)5W1Hをはっきりさせて話すこと
 具体的場面に応じて語らないと、印象でアドバイスをもらい、誤った指導改善をしてしまうことになります。
(2)ふだんの指導の様子をしっかり伝える
 指導において重要なことは関係性です。子どもと教師との関係性によって、当然、指導方法は変わってきます。
(3)「私にできることには、何がありますか」と尋ねる
 ベテラン教師が使いこなせる教育技術と、あなたの教育技術は違うのです。
 アドバイスは状況に合致していることが大事です。適切なアドバイスを引き出し、それを生かすには、尋ね方が大切です。
((山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)

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子どもの心に届く言葉がけの極意とは

 私は書店で目に留まった本「『AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理』岩田修著、明治図書、1988年」に衝撃をうけました。その内容を簡単にまとめると、
 指示は直接的なものより、間接的なものがいいということです。
「先生の方をむいてください」と指導するよりも,「おへそをこっちにむけてください」と指導した方が効果的である。子どもたち,特に低学年の子どもたちを教師側に向けさせる,有名な指導言だ。
「大きな口をあけて歌いましょう」と指導するよりも,「熱いジャガイモをほおばるように口をあけて,声を出しましょう」全校合唱を指導する時に,こう指導すると,子どもたちの歌い方がガラッと変わった。これもまた有名な指導言だ。
「○班静かにしてください!」と指導するよりも,「△班の聞き方が素晴らしい。みんなにまねしてほしいな」と指導した方が効果的であること。
 これらの様々なパターンの「魔法の言葉」を明確に方向付け、価値付けをした第一人者が岩下修だ。岩下は,この「魔法の言葉」を「AさせたいならBと言え」と原則化し,多くの教師の指導言を変えていった。
 子どもへの指示は直接的なものより,間接的なものの方がよいということだ。子どもたちの心を「自主的にさせる」指示の開発こそが必要なのである。
 たとえば「忘れ物をしないようにしなさい」「進んで発言しなさい」と、いいたいことを直接いってもダメな場合が、圧倒的に多い。このようにいっても、子どもの行動は変わりません。
 いいたいことを直接いってもダメなのはどうしてか、まとめてみましょう。
 ダメなのは、「中身がわからない、必然性・必要性がない、何かの障害がある」からです。
 ではどうすればよいか。
(1)「イメージを持たせる」ことです
 中身がわからないというのは、具体的にイメージできないということです。
 たとえば、コーダーの指導をするとき、「もっときれいな音でふきなさい」と指示します。
 これではどうしていいかがわかりません。きれいな音とはどういう音なのか、イメージできていないからです。
 見本を見せればいいのです。イメージができます。聴かせればいいのです。まずは、きれいな音とはこういう音だということを教えなければいけません。そうすれば、きれいな音というのがイメージできます。
(2)子どもたちにとって「身近なものに例えて」指示をする
 きれいな音のイメージができても、それだけではダメです。どうやったらきれいな音が出せるかがわからないからです。たとえば、次のように指示します。
「シャボン玉を割らないように、そっとそっと少しずつふくらますようにふいてみよう」
 音がきれいになります。シャボン玉をふくとき、一氣に強くふく人はいませんね。そんなことをしたら、すぐに割れてしまいます。「すーっ」というようにそっとふきます。このふき方が、リコーダーのふき方と似ているのです。
 子どもたちが経験したことがあるもの、つまり、子どもたちにとって身近なものに例えると、子どもは変化します。
 私は「AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理」の本を何度も何度も読み返しました。
 その内、私の中でおぼろげながら見えていた、子どもたちの心に届く「言葉がけの原理・原則」らしきものが、確信に変わっていくのを感じたのでした。
 岩田修氏は、本の中で、理想とする教師の言葉がけの要素として、次のように述べています。
(1)その子の頭の中に入って、10秒,20秒と時間が経過しても、ゆれることなく同一の像として、そこにある物。
(2)クラス40人の子どもの、どの子の頭の中に入っても、同一の像として、そこにある物。
 この2つを「ゆれないモノ」と定義する。
 そして「AさせたいならBと言え」の言葉を作り出す(Bの言葉を探す)方略として
「ゆれないものの提示により、Bの言葉を作る」
 そして、その「ゆれないモノ」とは「物、人、場所、数、音、色」である。
 また、岩田修氏は、大変多くの事例をあげておられます。
 やがて、私は自分の日常生活の中で何気なく感じていたものまではっきりと「あ、今の言葉は『AさせたいならBと言え』だな」と気づくようになっていきました。
 優れた言葉がけというのは、世の中にはたくさんあふれているものです。
(西村健吾:1973年鳥取県生まれ、鳥取県公立小学校教師。教育サークル「豆腐のような教師になろう」代表)

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教師が子どものリーダーとして必要な3つの条件とは何か

 担任はクラスのリーダーであり、校長は学校のリーダーである。
「教育は人なり」とはよく聞く言葉だ。
 教える教師と教わる子どもとの間には、どのような条件が必要になるのだろうか。
 私は、次の3つの条件をあげてきた。
(1)信用され、信頼される人
 人は、信用し信頼している人の言葉には、耳を傾け従う。
 不信感を持っている人の言葉には、誰も耳を貸さない。
 信用され、信頼されるためには、ふだんの一つひとつの小さなことが子どもに納得されるものでなくてはならない。
 リーダーである教師は、子どもからも保護者からも「信用、信頼を得る」ことが何よりも大切だ。
 これなくして、教育は成り立ち得ない。
「信」の字は、「人」編に「言」と書く。言葉が大切なのだ。偽りや虚言は信を失う大本である。
 言葉を慎み、口に出したことはその通りにしなければならない。
 信用も信頼もされない者に教育はできようはずがない。
(2)尊敬される人
 人は優れている人だと敬服する。優れた人の言葉や行いに、人は進んで近づき、学ぼうとする。
 尊敬されるためには、不断に学び、成長することが欠かせない。
 常に謙虚な姿勢で、自分の不備や不十分に気付き、それを補い、高め、続けている人は、誰からも尊敬される。
 尊敬する人には、誰もが憧れを抱き、あのようになりたい、少しでも近づきたいと思う。
(3)慕(した)われる
 子どもが教師に、何だか近づきたいという気がしないというのでは、教育は成り立たない。
 子どもに慕われないと、学びは長く続かない。長く続かなければ教育は実らない。
 これを生むのが、人間としての温かさであり、優しさであり、寛大さであり、明るさであり、おおらかさである。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき、突然クイズを出すと、話を聞くようになる

 授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき突然クイズを出します。
 教師の話をよく聞いていた子だけが分かるクイズです。
 子どもたちは、教師の話を注意深く聞くようになります。
 進め方は、
(1)授業中、教師の話を聞いていない子がいたとき
 教師は突然「ラーメンが食べたい」と言う。
(2)教師は
「おしゃべり禁止。先生は今、何が食べたいと言ったでしょう」
「1番、カレー。2番、寿司。3番、ラーメン」
「決めた人は、顔を伏せます」
と言う。
(3)子どもたち全員が伏せたら、教師は、伏せたまま、決めた番号を指で出すように指示する。
(4)子どもたち全員が番号を出したら、指を出したまま、顔を上げさせる。
(5)教師は
「正解は3番のラーメンです」
「正解だった人は、起立!」
「先生の話をとても良く聞いていましたね。拍手~!」
とほめる。
 繰り返し行うと、子どもたちは教師の話をよく聞くようになる。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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アマチュアみたいな教師が多すぎる、プロ教師になるにはどうすればよいか

 アマチュアみたいな教師が多すぎると思います。
 長い時間かけて学校で何かをしていたら、仕事をしているのだと勘違いしている教師たちがいます。
 私がプロ中のプロだと認める教師たちの多くは、毎日学校に遅くまで残っていることは少ないのです。
 遅くなる理由は、
(1)だらだらと時間をかけることに慣れて、早くするという感覚が無くなっている。
(2)段取りが悪くて、時間がかかってしまう。
(3)切りのないことを、いつまでも続けてしまう。
 例えば、明日の授業のことなどは、いくら粘っても良い授業にはなりません。授業は常に「見切り発車」なのに、見切らないままに時間が過ぎて、くたくたになってしまうのです。
 プロ教師は、お客である保護者に満足してもらわないといけないのです。
「私は正しいが、親が分かってくれない」なんていうのは、プロ教師の言うことではありません。正しいなら、分かってもらえるように説明すべきです。
 その仕事に応じた態度というものがあるのです。教師は子どもや保護者に不安に思われないことが大切です。
 教師も、下手に出ることで、かえって軽く見られてしまうことがあります。自信がなくても、そんなそぶりを見せてはいけないのです。
 子どもたちだって、教師は堂々としていてくれた方がいいのです。
 教師は学び続ける姿勢が必要です。
 普遍的な考えや技術があり、同時に新しいものへの知識と見識を持っていることがプロ教師としての最低条件だと思います。
 プロは結果が問われます。
 プロ教師は子どもが育ち、目に見える目標や結果をのこすことを意識するものだと思います。例えば、
「あの先生が担任したら、子どもの平均点が上がる」
「あの先生は、子どもたちの世の中への関心を高めてくれる」
などと言われるようにならないと、プロ教師とは言えないのです。
 プロ教師になるには教育実践がすべて。
 教育書や学級経営の本を読みあさり、セミナーにいくら参加しても、決して授業や学級づくりはうまくいきません。
「ここを、どうすれば良いのだろうか?」という問題意識を持ち、その上で本を読んだり、セミナーを聴いたりして、もう一度、子どもたちへ教育実践し、常に子どもを通して学んでいくことが大切です。
 では、教育実践はどうすればよいのでしょうか。
 授業や学級づくりで教師が力をつけるために、教育実践を工夫し、失敗や成功を、ちゃんと受け止めて学び、自分の教育実践を改善していくようにするとよいと思います。
 子どもたちとの教育実践からしか、教師は力をつけられないものなのです。
(多賀一郎:1955年生まれ、神戸大学附属小学校を経て私立小学校教師。退職後は追手門学院小学校講師、専門は国語教育。在職中に日本私立小学校連盟国語部全国委員長歴任。親塾・教師塾等で保護者・教師教育の手助けをし、全国で講演)

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教育実践がうまくいく先生は何が違うのでしょうか

 教育実践がうまくいっている教師は何が違うのでしょうか。
 教育実践がうまくいっている理由をあげると、
(1)教育実践がうまい教師は、原因を追及しすぎません。
 原因を追求しすぎると、教育実践がうまくいかないことを、よく知っているからです。
 教育実践がうまくいかない原因には、取り除くことができるものと、できないものがあります。
 例えば、親の離婚が原因で欠席が多くなった場合「離婚をやめてください」とは言えません。
 原因を追究して取り除くという考え方は、教育現場には、なじまない場合が多いようです。
(2)どうしたらうまくいくかという「解決」に焦点をあてる
 教育実践がうまい教師は、どうしたらうまくいくかという「解決」に焦点をあてます。 
 どうしたら、「よりよき状態を手に入れることができるか」を考えることに焦点をあてたほうが効率がよいのです。
(3)うまくいっている状況を具体的に想像ができる
 教育実践がうまい教師は、「よりよき状態」を手に入れるために
「うまくいっている状態では、どのようなことが起きているか」を、具体的に想像できます。
 実は、ここが一番重要なことです。
 例えば、うまくいっている学級の状態では「個々の子どもにどんなことが起きていますか?」具体的に考えてみてください。
 そのとき、子どもは何をしていますか。どのような言葉が聞こえ、どのような関わり方をしていますか。
 具体的な行動が想像でき、そのときの空気感まで感じることができれば、半分は成功です。
 最終のゴールのイメージが描けたら、現実のものにするために、何をするか考えればいいわけです。
 ゴールのイメージが想像しにくい教師は、うまくいっている教師の学級の様子を観察したり、同僚の教師と一緒に考えてみたりするとよいでしょう。
(4) 「どうしたら、うまくいくか」という解決志向の対応や考え方が体になじんでいます
 私は、以前に中学校の教師をしていましたが、そのとき私にできたことは、生徒たちが「しあわせ」を感じることのできるセンサーを磨くことと、心の種をひたすら蒔き続けることでした。
 ストレスは、自分の思うようにいかないときに生じるものです。
 私たちは、変えることのできない他人と過去の出来事について「なぜ」「どうして」と思い悩み、身動きがとれなくなるのです。
 他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられます。過去の出来事をどう受け止めるかは、いま、変えることができます。
 原因の追究に時間を割くのではなく、解決志向でいきましょう。
 教育実践のうまい教師は「どうしたら、うまくいくか」という解決志向の対応や考え方が体になじんでいます。
 こうした教師の対応や考えが、子どもたちのモデルにもなります。一石二鳥にもなるでしょう。
(5)うまくいかないとき、子どもを変えようとせず、教師自身の行動を変える
 子どもを変えようとするのではなく、教師自身の行動を変えれば、未来も変わります。
 もし、一度やってうまくいったなら、迷わず次もその方法でやってみることです。
 その方法を繰り返し続けていくうちに、それが自分の得意技となり、自信へとつながります。
 一度うまくいくと、どんな忙しくても、どんなに時間を費やしても「達成感>疲労感」となるものです。
 もし、うまくいかなかったら、いさぎよく、ほかのやり方を試してみましょう。うまくいかないことに、いつまでもこだわることはありません。
 百発百中をめざすのではなく「数打ちゃ当たる」の心意気です。そして、うまくいったら、迷わず次もその方法でやってみることです。
 教育実践のうまい教師は、うまくいかないとき、子どもを変えようとせず、自分が変わろうとします。 
(6)子どもたちの小さな変化に気づくのがじょうず
 教育実践のうまい教師は、子どもたちをよく見ています。
 いままで、できていなかったことが、できそうになった瞬間を見逃さないのです。すかさず声をかけるのです。子どもたちは前に進む勇気が出ます。
(7)小さな変化を起こすのがじょうず
 いままでとは違う何かをするということです。
 例えば教室に入るとき、いつもは前から入るが、今日は後ろから入り、机と机の間を通るルートを変えてみます。子どもの様子を身近で観察することができます。
(8)「どうしたらうまくいくか」考えるのがじょうず
 よりよき状態を手に入れるために、どうするか考え、すぐに行動に移すことができます。
(9)問題解決を「子ども自身でできる」と信じて対応することがじょうず
 教育実践のうまい教師は、子どもの話を聴きながら、
「そっかぁ(受容)」
「で、あなたはどうしたいの?(質問)」
と、いった会話をしています。
 答えは、その子がすでにもっているものです。気づかないふりをしていることが多いことを教師は知っているのです。
(10)「アプローチの引き出し」をたくさん用意できている
 教育実践のうまい教師は、アプローチの仕方の引き出しをたくさん持っています。
 この手法がダメなら、あの手法がある。この子にはこの言葉がけが効くだろうと。
 アプローチのレパートリーを増やすには、どうすればよいのでしょうか。
 各種研修会に参加する。本屋で探すのもいいでしょう。常にセンサーを張り、気になるものや使えそうなものを書きとめることをおすすめします。
(11)教育技法や理論を支える哲学をもち、それを支える人間性を常に磨く
 教育技法の裏づけとなる理論を知り、意味がわかることが大切です。
 すぐに結果が出なくても、意味がわかっていれば、余裕をもって子どもにかかわることができるようになります。
 逆に、小手先の技法にとらわれて溺れたりしないでください。
 いくら技法を学んでも、それを使う教師の人間性に問題があると、実践はしっくりきません。操作的になってしまい、うまくいかないので注意が必要です。
 教育実践のうまい教師は、教育技法や理論を支える哲学をもち、それを支える人間性を常に磨いているのです。
(鹿嶋真弓:広島県生まれ、東京都公立中学校で30年間勤務、神奈川県逗子市教育研究所長を経て高知大学准教授。文部科学大臣優秀教員表彰。日本カウンセリング学会賞受賞。専門は学級経営、人間関係づくり、カウンセリング科学。構成的グループエンカウンターなど教育現場に活かせるワークショップを展開。 『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)出演)

 

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教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている人、どうすればよいか

 失敗して、くよくよして教師に向いていないのではないかと、思い悩む日々があります。
 そんなときは、とても苦しいものです。
 それでも、元気に子どもの前に立ち、少しずつがんばりたいと思います。
 例えば、どうしても相性が合わないものがいるものです。無理に合わせようとしても、かえってすれ違ってしまいます。
 子どもに嫌われないためにできることは、少なくとも教師が子どもを嫌いにならないことです。
「あの子は嫌い」という教師の気持ちは、敏感な子どもたちにはすぐに伝わってしまいます。
 逆に「あの子が好き」という気持ちは、合わない子でも感じ取ります。
 合わない子のどこか好きなところを見つける。これは教師が意識すればできることです。
 教師が子どもたちに教えられる一番のことは「学び続ける」ことだと思います。
 教師自身が失敗しても、振り返り、そこから学び、元気にチャレンジする姿を見せる。
 それが、子どもにとって、一番の学びになるはずです。
「師」とは自分の学ぶ姿を弟子に伝える存在です。
 つまり、自分は教師に向いていないのではないかと考える姿こそ「師」として子どもに見せるべき一番大切な姿なのです。
「教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている」という言葉は、私自身が、自分の師とする人から言われた言葉です。
 ちょっと抜けたところもある教師だからこそ、子どもにも伝わることがあるはずです。
 そうはいっても、どうしてもしんどくて元気がでない時は、決して無理をしないようにしてください。
 教師の仕事は、自分の存在をすべてかける、やりがいのある仕事です。それを生きがいにして元気になるなら、大丈夫です。
 しかし、どうしても、しんどいときが必ずあります。
 しんどいときに、無理に頑張っても、何も解決できないことがあります。
 そんなときは、子どもたちのためにも、自分の身体や心を休め、大切にしてください。
 少し時間をおくと、状況が変わり、解決することもあるでしょう。
 楽しく学び続ける教師の姿こそが、子どもに一番いい影響を与えます。
(桔梗友行:1977年宮城県生まれ、兵庫県公立小学校教師。ユニット授業や学び合いに取り組む。「学び合うin神戸」主宰)

 

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学級づくりは、クラスの人間関係力を高めるとよい、どうすればよいか

 私は、学級づくりは人間関係力アップが全てだと考えている。
 人と人がうまくやっていける力である。
 最近、この人間関係力が乏しい子どもによく出会う。
 人間関係力の低下の一番の原因は「友だちの良さが見えない、見つけられない」という点にあると、私はとらえている。
 甘やかされて育ってきたせいもあるのであろう、自己中心的で、友だちの気にいらない部分ばかりが目に入ってくるのである。だから、文句や不満が出てくる。
 子どもたちの良い所をどんどん見つけて、返してあげると、人間関係が良くなり、子どもたちの自尊感情が育つはずである。
 そのための方法に、ハッピーレターという今村裕氏の実践がある。
 友だちに、良い所や好きな所を手紙に書いて届けてあげるという実践である。
 ポイントは、もらった人には必ず返信しなければならないということである。
 つまり、書けば書くほど、返事がくる。自分だけ手紙が届かないということがない。ここがこの実践の優れた所である。
 ハッピーレターは、子どもたちが綴って持って帰らせる。子どもたちは宝物のように持って帰る。もちろん教師が一応、目を通しておくことは必要である。
 この実践には、おまけがつく。教師にもハッピーレターを書く子どもが出てくる。教師も幸せになる。
 さらに翌日、保護者からもお手紙が届く。子どもたちが家で弾んでハッピーレターを見せるからである。
 例えばつぎのような、ハッピーレターを用意しておく。
「ハッピーレター例 (小学校2年生)」
 心はウキウキ ハッピーレター
(     )さんへ
 あなたのいいところ、すきなところは、
 (例) いつ見ても、にこにこしているね。
(     )より 
 簡単な実践であるが、効果は計り知れないものがある。 
 犯罪や自殺者、いじめの原因の一つに自尊感情の欠如があげられる。自分で自分のことが好きになれないのである。
 自分のことが好きになれば、自分を大切にするし、友だちも大切にするようになってくる。
 自尊感情を育てることを、学級経営や人間関係づくりの基礎として考えたい。
(古川光弘:1962年生まれ、兵庫県公立小学校教頭。「教材・授業開発研究所」MLを主宰。サークルやまびこ所属)

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小学校高学年では「さりげなくほめる」というフォローが有効な場合がある

 子どもたちが望ましい行動をしたとき、多くの教師はほめる。
 ただし、高学年の子どもの場合は見極めが必要である。特に女子の場合は慎重になったほうがいい。
 高学年になると、他の子どもたちから自分がどのように見られているのか、とても気になってくる。
 みんなの前で、ほめることが、その子にとってマイナスになる可能性もあるからである。
 ある日、歌っている時に、なかなか口を開かないA子が、いつもより大きな口を開いて歌っていたので、私は、
「今日は、いつもよりも大きな口を開けて、歌っている人を発見しました」
「それはA子さんです。先生はとてもうれしく感じました」
 A子は笑顔を見せずに座っていました。しかし、私はいいことをしたという気持ちでいっぱいだった。
 次の日、さりげなくA子に目をやると、とても暗い表情だった。明らかに前日の私のフォローが間違っていたようだった。
 後日、国語で話し合いをしていた時、A子がとてもいい発言をした。その後の休み時間に
「今日の発表、とても良かったね」
 と、さらっとA子に伝えると、ニコッと笑いながら、うなずいてくれた。
 このようなことを考えると、A子の場合は、個人的にさりげなくほめたほうが、効果的だったことが分かる。
 A子との出会いを通して、人それぞれ関わり方があるということを学んだ。
 ほめかたにも様々なアプローチがあるということも教えてもらった。
 つまり、子どもたち一人ひとりを、もっとよく見ていくことの大切さを知らされた。
 全体の場でほめるだけでなく、さりげないほめ言葉をかけるというフォローが有効な場合があるということを忘れないようにしていきたい。
(岡本雅弘:岡山県倉敷市立小学校教師)

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子どもの問題行動の支援を進めようとするときに、大切なこととは何か

 子どもの問題行動には、子ども特有の心理や事情があり、家族の抱かえる課題や友人関係などの影響が加わることで、問題の背景は複雑になり、対応に困難さを増していきます。
 子どもの問題行動の初期の支援に立ったとき、どのような視点からとらえたら良いのでしょうか?
 現れている子どもの問題行動は、子どもなりに解決しようとした手段であり「なぜこの行動が必要だったのか」という視点が大切です。
 善悪の物差しだけで判断することなく、視点の転換を柔軟に行うことによって、問題の意味するところや、誰に対する訴えなのか、がみえてくることがあり、それが解決につながることがあります。
 子どもの問題行動が起きたときには、
(1)事実関係を確認する
(2)子ども本人および周囲の関係者からの聴き取りにより問題の背景を把握する
(3)背景を踏まえた指導と支援の方針を決定する
 非行臨床では、この子はどんな子なのか、どうしてこんな行動を繰り返すのか、家庭の状況はどうか、友人関係はどうか、など複数の観点から問題を統合的に理解しようとするものです。
 そして、見立てによる理解に基づいて、具体的な指導や支援を行っていくことになります。
 このようなときこそ、子どもと関わる専門家として、腕の見せどころになります。
 しかし、残念なことに、これまでの自らの経験だけで判断したり、情報不足のまま先入観によって対応してしまうことがあります。
 このような対応には、大きなリスクが伴うことに注意が必要です。
 保護者の協力が得られないまま、子どもの指導を続ける状況では、解決の道はほど遠いと言えます。
 問題を改善するためには、保護者と力を合わせて連携することが必須となります。
 保護者と連携するときに大切なことは、保護者が子育てに対する不安、いら立ちや怒り、後悔や自責、被害者意識などを感じているときは、その内容を具体的に確認していくことです。
 そして、保護者のこれまでの苦労をねぎらい、子育てに対する不安や戸惑いの感情を受けとめることが、支援のはじまりとなります。
 保護者と一緒に悩みながら対応していくことが大切で、その積み重ねにより、相互の信頼関係が生まれて連携がスムーズに進んでいきます。
 このような連携のプロセスの中で、保護者のそれまでのしつけを修正していくことが問題の解決に結びついたりします。
 また、指導の難しい子どもに対して、保護者との話し合いを重ねることで教師とのつながりが強まったりします。
 保護者を通じて教師の意向が伝わったりすることで、子どもが変化する場合があります。
 子どもの問題行動の初期の支援では、保護者と連携した共同作業による問題への取り組みを、ぜひ心がけていただきたいと思います。
(石橋昭良:文教大学教授、元警視庁少年育成課副参事(心理職)、臨床心理士)

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教師がストレスで悩んだとき、相談先の見つけ方と、どのような人が名医か

 教師がストレスで悩み、相談したとき、どのような人が名医なのでしょうか。
 名医とは、自分の今抱かえているストレス内容を話した後、あー本当にこの人に話してよかったと思える人である。
 これから、この人と話し合うことによって、何か解決の見通しが立ちそうだと、まず思えることである。
 具体的な条件はつぎの3つである。
(1)相性がよいこと
 相性がよいと、気を使わなくてすむ。ストレスで疲れ果てているわけだから、無用な気を使わずにすみ、安心して話せる人が名医である。
(2)こちらが答えやすいことから、質問してくれる人
 初対面であるにもかかわらず、こちらの心理を無視して、能率優先で質問してくる人はよくない。
 いくつか解決したい複数のストレスがある場合、まず、こちらが聞いてほしい順番から質問してくる人は名医である。
 こちらが一番困っていることをわかってくれることにつながる。
(3)物事を常識的に、はっきりと言ってくれる人。こちらの細かな質問に対しても丁寧に納得するまで説明してくれる人。自分の意見を述べてくれる人。
 以上の3つを兼ね備えている人を自分の名医と考える。
 ここでいう名医とは、精神科医に限らず、ストレスを解決するための援助者すべてを含む。
 ストレスの内容は次の6つに分類できる。
(1)自分自身の健康上の問題
 具体的には、不眠、頭痛、肩こり、腰痛、食欲低下、めまい、耳鳴りなどの体調不良。
(2)家庭内での問題
 例えば、夫婦のストレス、子どもの問題行動(非行、ひきこもり、不登校、家庭内暴力など)
(3)職場内での人間関係
 職場の空気になじめない、同僚教師とのストレス(相性が合わない、いじめられるなど)、管理職とのあつれき(不仲、パワーハラスメント、セクシャルハラスメントなども含む)
(4)授業や生活指導に対する悩み
(5)教師としての適性についての悩み
 仕事が自分の思い通りに展開しなくなったとき、人は悩み、苦しむ。
 そのとき、信頼できる先輩、同僚、管理職などに恵まれている場合は、自分自信を取り戻すことができ、成長する。
 だが、そうでない場合は、自分の能力のなさを嘆き、落ち込み、自信をなくし、仕事がまったく手につかなくなってしまう。
(6)保護者との対応で生じるストレス
 保護者とうまくコミュニケーションがとれない場合、保護者自身に常識的なやりとりができない原因として、知的障害、精神障害、人格障害などがある場合など。
 そういう保護者に対しては慎重に言葉を選ばねばならず、教師のストレスは増していく。
 以上6つのうち、どのストレスが一番自分にとってつらいのかによって相談窓口を探し、決める。
 具体的な相談窓口は、どのようなところがあるのでしょうか。
 一般的には、教育センター、教育学部のある大学の教育相談室、専門的相談にのってくれる臨床教育実践センターなど専門機関を有している大学。
 相談内容によっては、信頼できる先輩や管理職の援助で解決できる場合もあります。
 また、弁護士、学校メンタルヘルスに精通した精神科医のいるクリニック、病院がよいこともある。
 一番確実なのは、信頼できる大人が関与している、質のよい口コミによる情報である。
 インターネット情報や情報誌による内容は本当に正しい情報かどうかはわからない。
 また、日常生活において何かストレスを意識した場合、最初に相談する相手は、自分に身近にいる同僚なり管理職に相談する場合が多いが、私見であるが、スクールカウンセラーが相談窓口となってほしい。
 どうしても口コミが得られないときは、機械的な情報を頼りにこつこつと探すしかないだろう。
(岡田 謙:医師(精神保健医)。教師と児童の精神疾患治療で有名な関東中央病院の部長を務め、東京都医師会学校精神保健検討委員会委員。平成18年から「くじらホスピタル」の初代院長に就任)

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小学校高学年の学級経営で勘違いしていることはありませんか?

 高学年の子どもにとって、教師はもはや圧倒的な存在ではありません。
 子どもたちは教師を1人の人間として、冷静に観察しています。
 高学年の担任として大切なことは
(1)教師の統率権を意識する
 子どもの考えを大切にする姿勢は必要ですが、何かトラブルが起きた時に、解決を子どもに任せっきりにしておくと、教師は「頼りない存在」と認識されてしまいます。
 そうならないように、例えば、何か起き、子どもたちが教師にどうすればよいか聞きにきたときは、
「なぜそうなったか、事実を確かめさせてね」
「その上で、先生に何ができるか、しっかり考えます」
と、子どもたちの頼りになる教師の役割を果たすようにするとよい。
 また、生活面や学習面の指導についても、時には有無を言わさないくらいの迫力を見せなければ「うまく、ごまかせば、言いなりになる教師」と思われてしまいます。
 教師の威厳が失われれば、一気に崩壊に向かってしまうのが高学年です。
(2)子どものメンツを大切にする
 高学年の子どもは、メンツにこだわる傾向があります。
 頭では理解していても、特に友だちの見ている前で、自分の非を素直に認めることができません。
 そうした思春期特有の子どもの精神状態を考慮しながら、慎重に対応しなくてはなりません。
 一度、人間関係が壊れると、修復が困難になってしまいます。
 高学年の場合、一人の子どもとの人間関係のもつれが、他の子どもたちとの関係にまでひびき、学級経営に支障をきたす危険さえあります。
(3)必要以上の厳しい指導は、静かな学級崩壊を招く
 教師の威厳や統率権を守るために、必要以上に厳しい指導をする教師がいます。
 あまりにも強圧的な指導を続けると、表向きは素直に指導に従っているようにみえても、教師と子どもとの距離は離れていきます。
 そして、まったく教師の指導を無視する「静かな学級崩壊」が始まります。
 高学年になると、ある程度「大人の事情」も理解できます。時には、子どもたちに、本音の部分を見せることも必要です。   
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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学級通信で保護者とよい関係をつくるには、どうすればよいか

 保護者が参加する行事は早めにしらせるようにします。
 最近は共働きの家庭が増えています。間際になってからの休暇の申請はしづらいものです。早めに伝え、計画的に休暇が取れるようにします。
 大事なことは強調して伝えるようにします。
 保護者は授業参観でしか授業の様子を知ることができません。
 学級通信に授業記録を載せることで、授業での子どもの様子を伝えることができます。
 子どもたちの様子を臨場感を持たせて伝えるには、子どもたちがしゃべったことをそのまま書くとよい。
 出来事の説明をしながら、その途中に子どもたちが話したことを書いていきます。教師と友だちとのやりとりを書いていくと、さらに臨場感が出てきます。
 子どもたちの写真を載せると、忙しい保護者でも、数秒で見ることができます。子どもたちの写真にほっとする保護者もいるでしょう。
 写真を載せる場合、事前に校長と保護者に許可を取っておきます。
 学級通信にも保護者から感想をいただいたら、担任との関係もよくなっていくでしょう。
 学級通信に感想記入欄を設けたり、感想記入カードを配ると、保護者も感想を書きやすくなり、関心も高まります。
 保護者から感想をいただいたら、お礼の返事を書きます。
 いただいた感想は、前もって学級通信に掲載することを伝えておきます。その際、名前は出さないこと、文字の訂正をすることもあることを伝えます。
 実際に掲載する場合は、事前に連絡帳などで、掲載してもよいか確かめます。
 感動するエピソードは、子どもたちにも保護者にも喜んでもらえます。
 明るく希望に満ちた感動話を子どもたちに語り聞かせ、学級通信で紹介します。
 時には子育ての情報を載せる。
 ちょっとした失敗談と、それをどのように乗り越えていったかを紹介しましょう。
 保護者の参考になると同時に、同じ悩みを抱かえる親として、親しみを覚えてくれると思います。
(山中伸之:1958年生まれ。栃木県公立小・中学校教師。実感道徳研究会会長 日本群読教育の会常任委員)

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授業も学級経営もたいへんなことばかり、うまくいかないと感じたらどうすればよいのでしょか

 授業も学級経営もたいへんなことばかり。何よりも大切なのは、困ったときに相談できる相手がいるということです。
 同僚教師は、現場をよく知っているので具体的な相談ができます。
 前任校の教師、サークルやセミナーで出会う他校の教師なら、技術やネタなどのアドバイスももらえるでしょう。
 また、趣味の合う人や家族、友だちからは、教師とは違う視点で助言してもらえるかもしれません。
 相談できる人がいることが、何よりなのです。相談できる相手を持つと、前進できます。
 私はクラスがまとまらないとき、先輩教師によく相談します。
 そのとき言われたのは「教師としての力」が足りないということです。
 それは、教師らしく生きる、生き方が試されているということなのでしょう。
 私は、失敗して、くよくよしても元気に学校に行く教師は、教師力があると思います。
 教師はみんな失敗しながら成長しています。
 失敗する教師は、失敗する子どもの気持ちがわかります。くよくよする教師は、授業や学級経営を振り返ることができます。
 そして、それでも元気でいる教師が、子どもたちは大好きです。その姿から子どもたちは学ぶのです。
 私は、教師力は「共感する力、振り返る力、リセットする力」だと考えています。
 できないと悩む子どもの気持ちを理解して、その子どもに寄り添う。それは教師にとって大切な力です。
 やんちゃな子は、どんな気持ちでいるのでしょうか。きっと何かうまくいかないことがあって、その気持ちをわかってほしいのです。
 どんな言葉をかければ、その子の気持ちに寄り添えるか。できないことで悩む教師であればこそ、わかるはずです。子どもの気持ちに共感できてこそ、次の一手がうてるのです。
 うまくいかなかったことを、くよくよしながらも振り返り、何がうまくいかないのかを整理する視点が必要です。例えば、
「授業の目標はどれだけの子が達成したか」「授業の時間配分は適切だったか」「気になるあの子は授業に参加できたか」
 など、振り返る視点をはっきりさせると、つぎの授業に具体的に活かすことができます。
 教師になって15年の中堅教師になった私も、悩んで、くよくよする日々です。
 くよくよしているだけでは教師を続けることはできません。どこかで「リセット」して気持ちを切り替えることが、一番大切な力です。
 さっと切り替えられるワザを、ぜひ身につけてください。
(桔梗友行:1977年宮城県生まれ、兵庫県公立小学校教師。ユニット授業や学び合いに取り組む。「学び合うin神戸」主宰)

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クラスの子どもたちのコミュニケーションを高める授業

教師:「朝、学校に来たら、みんなに何て言いますか?」
子ども:「おはようございます!」
教師:「そう、挨拶だね。なぜ挨拶をするのかな?」
 菊池省三先生の問いかけに、5年1組の子どもたちは、さっそくノートに向かいます。
 子どもたちは、3つ理由を考えたら先生に持っていきます。○をもらったら、その理由を黒板に書き込んでいきます。次のように板書していきます。
<言われたほうも言ったほうもいい気持ちになれるから>
<1日、友だちと仲良くなれる気がするから>
<「がんばるぞ」という気持ちになれるから>
<教室の雰囲気がよくなる>
 黒板に書かれた理由を見ながら、菊池先生が問いかけます。
教師:「みんながあげてくれた理由を3つに分けたいんだけど、どうやって分けようか?」
 子どもたちは、少し考え込みながら、みんなで導き出した答えは、「自分」「相手」「みんな」の3つ。
教師:「そうだね、挨拶のよさは、この3つの視点から考えることができるね」
教師:「それじゃあ、『おはようございます』以外に、『自分』『相手』『みんな』がプラスになれる言葉を考えてみよう」
 次々と子どもたちが菊池先生にノートを見せに行き、今度は後ろの黒板に次のように記入していきます。
<ありがとう>
<どういたしまして>
<どうぞ>
<元気?>
<お願いします>
<すごいね!>
<ごめんなさい>
<大丈夫だよ!>
<一緒にしようよ>
<あきらめないで>
<1人じゃないよ!>
<がんばるぞーっ!>
 魅力あふれる言葉がいくつも並び、みるみる黒板はいっぱいになってしまいました。
 子どもたちが書き終わった後、菊池先生が空いているスペースに「5年1組にあふれさせたい言葉」と大きく書き込みました。それを見た子どもたちはニッコリ。
 授業の締めくくりは、みんなの前で感想の発表です。
教師:「挨拶をすると、みんながいろんな思いで聞いてくれることがわかりました」
教師:「これからも自分の考えた言葉をいっぱい使って、気持ちいい1日を過ごしたいと思います」
 クラス全員がはきはきと発表している姿に驚かされました。
「みんなの前で発表するのが苦手な子もたくさんいますが、普段そういう機会が少ないんですね。ですから、1人で何分も話すのではなく、一言で終わるような短い時間で、しかもクラス全員が発表するところからスタートしていきます」
「もちろん、クラスの中で、みんなの発言を認め合える人間関係を作ることが大前提ですけれどね」と菊池先生。
「子どもたちの言葉をいかに引き出すか。教師にとっても親にとっても、とても大切なことです」と力を込めます。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

 

 

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教師は自分を演じなければプロとしてやっていけない、どうすればよいか

 私が小学校に勤めていたとき、新任の若い女の教師が4年生の担任になった。
 言葉遣いや身のこなし方など魅力的なセンスをもっていた。
 ところが、どうしたことか子どもから嫌われ、多くの保護者から「うちの子どもの担任をやめて」と言われるようになった。
 髪の毛が抜けるくらい悩み、放課後、3階の教室のベランダから飛び降りようとしたこともあった。
 幸い、同じ学年の教師に止められて大事にはいたらなかったが。結局、1学期の終わり頃から教室に入れなくなって、そのまま退職してしまった。
 周りにいた私たちは、オロオロするばかりで、どこからどのように話しかけてよいのか迷って、適切なアドバイスができないまま状況が悪化してしまった。
 彼女は、なぜそのようになったのか、私なりに次のように分析をしてみた。
(1)表情が硬く、子どもと一緒に笑ったりくやしがったりすることがなかった。
(2)声が小さく、平板なので、聞いている子どもたちも話の内容に興味や関心がもてないようで、私語が多かった。
(3)感情的になることが多く、子どもたちは何で怒られているのかが、わからない時があった。
(4)子どもを評価したり、ほめたりすることが非常に少なかった。
(5)子どもの話を聞かず、命令調の言葉や指示的な言葉が多かった。
 これらのことは、彼女が気がつくように何回も話した。当然分かってくれていると思っていた。
 しかし、学級のスタイルや子どもたちとの関係ができ上がってしまうと、なかなか崩せないのが学校現場である。
 彼女自身が納得したところは直そうと努力したことは強く感じられるが、やろうとすればするほど、子どもとの関係は「あり地獄」のような状況に陥ってしまったのである。
 私が自分の経験をふまえながら、大切にしていることは教師の「演技力」である。
 私の先輩教師は
「教師はどんな状況でも、どんな子どもたちの前でも、自分を演じなければプロとして生きていけない」
「教師は、役者、医者、易者、芸者、忍者、学者を演じなければならない」
と、教えてくれた。
 教師は次のような演技をすることで、自分を変え、子どもたちとの関係を組み替えることをしたい。例えば、発声について次に述べる。
 私は、子どもたちが気持ちよく身体に染みこませていけるような発声を絶えず研究している。
 体育館の壁に円を描いた的に目がけて発生する。発声を磨くと言葉にメリハリが生まれる。間を取り、歯切れよく発生すると、子どもたちの心に響く声が出せるようになる。
 声量と声質を使い分けられるようにしておくことが大切である。
 例えば「大小・強弱・長短」「明るい・元気・やさしい・厳しい・渋い」
 これらを使い分けるように教師としての技を磨いておくとよいであろう。
 そのお手本として落語が参考になる。一人で何人もの話し方を使い分け、巧みに表現し、聞き手の客を引き寄せている。寄席に通うことを勧めたい。
(志賀廣夫:元埼玉県公立小学校、愛知教育大学教師)

 

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授業開始のチャイムがなっても席に着かずに遊んでいる子どもがいるとき、どう指導すればよいか

 授業開始のチャイムがなっても席に着かずに遊んでいる子どもは、どこの学級にもいるものです。そんな時に次のような「指導」をします。以外と子どもたちにはききます。
 5分ほど席につかないで遊んでいた子どもを指名して、
「1週間にみんなは30時間ほど授業を受けます。1時間の授業で5分無駄になると、1週間でどのくらいの時間が無駄になりますか」
と問いい、黒板に計算させます。
子どもは黒板に、5分×30=150分、と板書します。
「みんなはこの1年間で35週ほど授業を受けます。1週間で150分無駄になると、1年間でどのくらいの時間が無駄になりますか。」と問い、黒板に計算させます。
子どもは黒板に、150分×35=5250分、と板書します。
「5分無駄にすると、1年間で5250分無駄になるわけです。授業117時間分です」
「1年間の体育の時間が105時間ですから、たった5分無駄にしていけば、体育を1年間できなくなるのと同じことになってしまうのです」
 ここまでさせると子どもたちは、たった5分ザワツイていただけで、1年間では、(自分たちが一番好きな)体育の総時数以上の時間が無駄になることを感じとります。
 この指導は効果が高いです。「けじめをつけよう!」という理念の固まりみたいな言葉より、数字を出す話のほうが、はるかに効果があるのです。
 もちろん授業がおもしろければ、子どもたちは授業を待つようになるので、このような指導もいらないのですが・・・。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

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教師と子どもが危機的関係にならないよう、教師が日常すべきこととは

1 子どもと共に遊び、語り合う教師
 子どもについての理解を深め、子ども一人ひとりの興味や関心、悩みや不安、考え方や行動の特徴を把握するために、子どもたちと日常から触れ合いを深めることが大切である。
 教師が子どもたちと遊んだり、雑談できる機会を作るように心がけたい。
 そのとき、教師が1人の人間として心を開いて語りかけると、子どもも心を開いてくる。
 また、教師は、子どもの話を真剣になって聞くように努め、途中で口をはさんだり、説教しないようにしたい。
 触れ合いを通して、子どもたちは少しずつ心を開いてきて、話しかけたり、相談するようになるものである。
 教師が子どもたちの良さや可能性を伸ばすように努めると、子どもは教師に期待されていると感じ、期待に応えようと行動し、問題を起こすことは少ない。
2 教師が生き方のサンプルを示す
 教師として、社会の一般常識をしっかりと身に付けて行動し、教師が1人の人間として真摯に生きていく姿を子どもに示すように努めたい。
 そのためには、教師が教養を深めるように努める。
 そして、教師は服装や言葉遣い、行動等に常に注意を払うようにする。
 さらに、子ども一人ひとりを1人の人間として尊重する姿勢を忘れない。
 子どもの意見もよく聞き、その考えが子どもの生き方に深く影響していることを理解して接するようにしたい。
「だめ」「間違い」と教師がすぐに発言を否定するようなことは、やめたいものである。
3 子ども一人ひとりの居場所をつくる
 子ども一人ひとりの存在を大切にし、子ども自身が存在感を抱くようにしなければならない。
 子ども自身が学級に必要とされていると意識したとき、学級への所属感が高まり、自分の居場所が学級内にできるのである。
 子どもたち一人ひとりが役割を分担し、遂行することにより、自己存在感を抱くようになる。また、友だちの役割遂行に協力することにより、学級の一員としての連帯感を高めることになる。
4 失敗を生かす力を培う
 人生は、ある意味では失敗を乗り切っていく過程でもあると言える。
 教師は、子どもが失敗しそうな時、すぐ手を出してしまう傾向が強いが、適度な失敗も必要である。
 子どもが失敗した時、別の方法を考えることが大切なことを教え、子どもと一緒になって解決する姿勢が大切なのである。
(荻野一郎:元東京都公立中学校長)

 

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思春期の子どもの子育てに悩む親たちの救いになることとは

 あんなに素直だったわが子が思春期に、急激に変わってしまうことに戸惑ってしまう親たち。
 子どもたちは思春期に何が起きているのでしょう。子どものSOSってどうすればわかるでしょうか。
 全国各地の教育カフェに集まった母親たちから子育ての悩みが率直に語られました。
「28歳になる娘がいる。小学校までは『いい子』だったが、その後はずーと悩みっぱなし。自信がないようで、家でストレスを発散するので、地雷を踏むような感じです」
「中学3年の息子が3学期から不登校の学校へ。学校へ行っても授業がうけられない。出席をとってもらって帰るだけ。不安を聞いてもあまり語らないので、結局、私が誘導してしまう感じ。どう対応したらよいかわかりません」
 思春期は自立の時期といわれています。自我を確立してひとりあるきできることが求められます。
 しかし、今の子どもは、生活の自立は後回しにされて、学校の体制に乗り遅れないように追い立てられるのです。
「中学生と高校生の子どもがいるが、進路の話をすると火に油。自己肯定感を高めるって、どういうことなんですか」
 思春期の子どもたちは「嫌いな自分」「学校や親が評価している自分」と向き合えない自分に苦しんでいるのではないでしょうか。
 親たちだって同じような出口のない現状に苦しんでいるのです。
 村上康彦(「母親の孤独から回復する」講談社の著者)氏は、わが子からの虐待に追い込まれている母親たちの回復支援に最も有力な解毒剤は「グループの連帯性である」と述べています。
「孤独だと思っていたが、自分だけではなかった」
「孤立の中で、自分のものとしては引き受けることができていなかった出来事が、グループを媒介とすることで引き受けられる」
「他の人が語り、仲間が『聴いて受けとめる』ことが『私も話してよい、話してだいじょうぶだ』という安心感を与えてくれる」
「つながりの安心感を内面化することが回復の仕上げである」
「安心感の獲得と、自分の過去とつながることは、自分自身とのつなぎ直しのことでもある」
 他者から受けとめてもらうことから生れるつながり合う安心感は、虐待に追い込まれた親たちだけではなく、不登校の子どもを持つ親でも、引きこもりの子を持つ親にも、思春期の子育てに悩む親にも大切な意味を持っているのでしょう。
 話し合う中で受けとめてもらえたという、つながり合う安心感を力にして、子どもとの新しい関係を見つけ出し、創り上げていくでしょう。
(村上士郎:大東文化大学名誉教授)

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小学校低学年の子どもたちの指導のポイントとは

 低学年の子どもは、かわいらしくて、人懐っこく愛嬌があります。
 ささいな失敗や荒っぽい行動も、少々のことは許すことができてしまいます。
 しかし、そのままにしておいては、いけません。
 子どもは無邪気な「天使」ではありません。
 特に、低学年のうちは「ならぬことは、ならぬ」と、ことあるごとに、しっかり指導しなければなりません。
「何が悪くて、何がよいのか」という善し悪しの区別がつかなくなった子どもは「悪魔」に豹変してしまいます。
 低学年の子どもの指導は、手をかけすぎないようにします。
 低学年の子どもは、何をするにも時間がかかり、まどろっこしく感じてしまうことも多く、口を出してしまいそうになります。
 しかし、大人が子どもに口や手をかけすぎることは、子どもの成長のチャンスを奪うことになります。
 非効率で時間がかかるのが低学年の子どもであると考えて、じっくりと構えて、見守ることが必要です。
 低学年の子どもを「押さえつけて指導する」のは危険です。
 子どもたちの、ささいなことにも、目くじらを立て、押さえつけて指導し続けることは危険です。
 やがて、子どもたちは「また、何か、おこごと言っているよ」「へっちゃらだ」と、必ず指導に従わなくなってしまいます。
 力で押さえようとすれば、どんどん強い力が必要になり、歯止めがきかなくなります。
 低学年の子どもが教師を軽んじ始めると、制御不能の騒乱状態になってしまいます。
 いざという時の厳しい指導が、クラスを安定させます。
 低学年の子どもほど、ささいな言動をどんどんほめることで、よい行いがクラス全体に広がっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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授業で、子どもの意欲を喚起させる、おもしろい発問をつくる心構えや視点とは

 若い教師の授業を見ると、教師がやみくもに「発問」を繰り返し、子どもたちは「ちんぷんかんぷん」という場面があります。
 教師の発問には「ねらい」「意図」「方向性」などが問われます。
 にもかかわらず、それらがない発問が繰り返されてしまうと、子どもたちの思考を著しく混乱させるばかりとなってしまいます。
 逆に、何の感動もなく、無味乾燥な発問を繰り返す授業に出くわすことがあります。たとえば、
「ここからわかることはなんですか?」
「筆者は、どんな気持ちでしょうか?」
「どうして、こうなるのですか?」
といった発問です。
 平板なトーンの発問を繰り返して聞くと、子どもたちは「またか!」という思いに支配されてしまいます。
 大方の子どもたちは「もう、うんざり」とばかりの表情で思考を停止させ、だんまりを決め込むことでしょう。
 それが、1時間の授業だけでなく、次の授業も、その次の授業も、同じように繰り返されたら、子どもたちはすっかり意欲を失い、ひたすら「忍耐」を覚えることになってしまいます。
 こんなとき、教師は子どもたちの無反応に腹を立てて「授業に意欲がない」とばかりに、子どもたちに責任を被せてしまうこともあります。
 発問で失敗する原因で考えられることは、
(1)発問が子どもたちの興味をそそるものではなく、子どもたちが自ら考えることを放棄するものになっている。
(2)発問そのものが、子どもたちの実態と「ズレ」ているために、意欲が湧かなかったり、発問に真実味がなかったりする。
(3)子どもたちにとって、発問のことばが難しく、発問の内容を十分に理解できない。
 こうした発問の問題点を振り返って、分析してみる必要があります。
「おもしろい発問」づくりは、次の視点をもとにつくりましょう。
 マニュアル化した発問では「おもしろい発問」は成立しません。
 教師自身が発問を工夫してこそ、おもしろい発問はつくられます。
(1)その発問は、教師にとっても「おもしろい発問」ですか。
(2)授業の目標に照らし、どんな順序でどんな発問をしたらよいですか。
(3)子どもの実態と教材にどんなズレがありますか。
(4)発問に入れ込むべき要素が考えられていますか。
(5)どんなことばを使えば子どもたちにわかりやすいですか。
「おもしろい発問」は、様々な条件を慎重に吟味して、はじめて成立します。
 まずは、自分で作った発問が「教師にとっても、子どもにとっても、おもしろい発問か」を考えることから始めます。
 常に、子どもたちの存在を忘れないで作ることが大切です。
 教師は発問にこだわらなくてはなりません。講義式の授業では、子どもたちが主体的で対話的な深い学びを実現することができない。
 教師は発問によって、子どもたちの学習意欲を引き出し、主体的な学び合いをつくりながら、確かな学力を身に付けさせることをめざしています。
 効果的な発問によって、学びが動機づけられた子どもたちは、自ら解を求めて学習するようになります。
 授業の中で成果が見えるようになれば、成功感・成就感が喚起され、よりいっそう学びを深めることができます。
 だからこそ、発問づくりは重要なのです。
「こう聞いたら、このように反応するかなぁ」
「こう問えば、きっとこう答えてくるだろう」
など、子どもたちの実態に応じて発問は変化します。
 子どもたちが意欲的に取り組むための発問の技術を身に付ける必要があります。
(大畑利則:1952年生まれ、元静岡県公立小学校校長)

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学級崩壊しないようにするには、崩壊学級の特徴をださないことだ、どうすればよいか

 私の学級も、いつ学級崩壊という現実になってもおかしくないと思っている。私は学級崩壊が怖い。だから学級崩壊しない学級づくりを全力で行っている。
 最近、気をつけているのが、崩壊学級の特徴をださないことだ。
 数々の崩壊学級を見てきた。それらの学級には共通した点が多くあることに気がついた。その特徴さえ出さなければ、学級崩壊をある程度防げるということだ。例えば
(1)教室が汚い
 崩壊学級では、多くのゴミ、プリントなどが散乱している。
 汚れた教室だと、子どもたちは汚すことを躊躇しない。ゴミは捨て放題である。あっという間に教室は荒れていく。
 だから、私が掃除をする。整理整頓する。教師がそこまでしてでも、崩壊学級の特徴は絶対に出してはいけない。
(2)子どもたちの動きが遅い
 崩壊学級の子どもたちは、動きが遅い。給食の準備だけでも30分かかる。帰りの会を始めるのにも10分以上かかる。
 だから、私は時間にうるさい。いろいろなことに目標タイムを設定し、キッチンタイマーで時間を管理している。
 目標タイムさえ設定できれば、子どもたちはがんばるものだ。
 私のクラスでは給食準備は10分以内。帰りの会前にランドセルを片付ける時間は2分以内。それが当たり前になっている。
 動きの素早いクラスは崩壊しない。スピード感を大切にしよう。
(3)ゲームが成り立たない
 崩壊学級では、教師の指示が通らない。子どもたちはルールを守らない。ゲームが成り立つはずがない。
 だから、私のクラスでは、どんどんゲームをする。そして、教師の指示に従うこと、ルールを守ることを教えているのだ。
 私はゲームが大好きである。授業の最初に、合間に、最後に時間を見つけてはクラスみんなでゲームを楽しんでいる。
 楽しんでゲームをすれば、子どもたちの仲が良くなる。ゲームは子どもたち同士を、つなげる。
 ゲームが成り立つのは、学級が崩壊していない証拠である。どんどんクラスでゲームをしよう。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

 

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