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子どもたちをコントロールすることが難しくなった

 1970年代まで、子どもの多くは操作可能な存在に近かった。教室に入ってきた教師の表情を見ただけで、自分の席にすわり前を向いて静かにしていなければならない、と察することができた。
 しかし、1980年代になると、教師にとって高校生はしだいに操作しにくくなり、1990年代になると、小学生・中学生までもが、操作可能な存在ではなくなりはじめた。いわゆる「学級崩壊」の始まりである。
 子どもたちは、教師が大声をだしても、気に入らないと思えば、教師の指示を無視するようになった。
 現代の子どもの多くが、教師にも親にも、権威を見いださず、他人からさしずされることを嫌悪するようになった。
 このような子どもたちを教育技術や教育方法でコントロールすることが難しいと教師たちは実感するようになった。つまり、教育方法では解決できない根本的な教育問題が立ち現れてきた。
 今、問われているのは子どもの「教師の注意をきく」という態度が失われていることである。すなわち、こうした「子どもの教育受容という態度」(=教育装置)の喪失である。
 これまでは、教育方法を問題にしていればよかった。しかし、この教育装置の喪失が問題であるとするならば、いくら教育方法を考えても、現代の教育問題を解決することはできないだろう。
(田中智志: 1958年生れ,山梨学院大学教授。専攻は教育社会学、教育思想史)

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