教育とは人間を理解すること
教育とは自分が深くかかわっている、人間を理解するということが、その目的だと言ってもいいと思う。それを私は「いのち輝く」という言い方で、一本の柱にしている。
そして、いのち輝くために一番大事なことは、人間の存在の尊厳を学ぶという視点を持つことだと思っている。視点さえ持っていれば、国語でも、社会でも、理科でも、給食時間でも、人間が深くかかわるということになろう。
掃除すれば、髪の毛が落ちていることに気づく。これを単なるゴミとみるか、ああ、いのちの繰り返し、つまり、人間のあらゆる部分は生と死を繰り返していると見られるかどうか。視点が自分のものになっていれば、落ちている髪の毛一本でも、子どもたちとともに学べるものだ。
視点を持っていれば、給食時間から豊かに勉強が始められるのだ。給食の時間「みんなは何を食べた?」と子どもに問うと当然「給食、食べ物」と答える。でも、もう一歩「よーく考えてごらん」と問うと、豚肉だったら、豚といういのちの本体を食べているという。卵だったら、にわとりの次のいのちのリレーである赤ちゃんの元を、食べている。牛乳は牛が出産して、わが子に飲ませるための乳を、私たちがとっていることがわかってくる。
ああ、僕たちって、毎日、膨大ないのちをもらって、生きていると思っていたが、そうじゃない「生かされているものなんだ」ということに気づく。
生かされているということに気づいたときに、僕たちのために犠牲になったものを大事にしようと考える。大事にするということは、それをプラスにして生きることだ。つまり仲間と一緒に一生懸命、運動するぞ、勉強するぞ、友だち大事にするぞ、という気持ちを持って、いのちを大事にしなければならないと気づき始める。
(金森俊朗:1946年生れ、元小学校教諭、北陸学院大学教授。「仲間とつながりハッピーになる」教育や人と自然に直に触れ合う命の授業を行う。NHKで日本賞グランプリ受賞)
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