国語科:つねに新しい指導法を取り入れ、良い方法を開発してみよう
指導法を考える場合、野口芳宏がいつも考えていたのは、新しい指導法をとり入れていくということである。
例えば、詩の指導の場合、題名のみを板書して話し合わせ、必要に応じて、少しずつ行を増やして提示していく方法を「うとてとこ」や「大きな風呂」でおこなった。
また、ある特定の一行を隠しておき、そこが何であるかを推定させるという手法も考案した。
もう一つ「吹き出し」がある。これらは、野口の創案で今では広く知られている。
人のまねはいけないと言おうとしているのではない。他の教師のよい実践を積極的にとり入れていくのは、よい態度であると野口は考えている。
しかし、それと並んでたいせつなのは、やはりありたきりの指導法に飽き足らず、自分なりに少しでも良い方法を開発してみようとする進取、前進の気概ではないかと野口は思っている。
オーソドックスに、無難に、文句を言われないようにという保守的、現状維持的な中からは新しい発見は何も生まれてこない。第一、それでは自分自身が面白くないではないか。良かれ悪しかれ、自分なりの工夫をとり入れて試みるからこそ面白いのである。
(野口芳宏:1936年生まれ、元小学校校長、大学名誉教授、千葉県教育委員、授業道場野口塾等主宰)
| 固定リンク
「国語科の授業」カテゴリの記事
- 国語科:論理的思考力を育てる授業とは 筑波大学附属小学校国語研究部(2021.08.02)
- 国語科:読解力を高める読み方とは 中島克治(2021.07.13)
- 国語科:よい発問を作るにはどうすればよいか 熊谷直樹(2021.07.11)
- 国語科:論理的に読む「考える」授業づくりとは 香月正登(2021.05.27)
- 国語科:作文でクラスを育てる 大原雅樹(2021.03.27)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント