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国語科:つねに新しい指導法を取り入れ、良い方法を開発してみよう

 指導法を考える場合、野口芳宏がいつも考えていたのは、新しい指導法をとり入れていくということである。
 例えば、詩の指導の場合、題名のみを板書して話し合わせ、必要に応じて、少しずつ行を増やして提示していく方法を「うとてとこ」や「大きな風呂」でおこなった。
 また、ある特定の一行を隠しておき、そこが何であるかを推定させるという手法も考案した。
 もう一つ「吹き出し」がある。これらは、野口の創案で今では広く知られている。
 人のまねはいけないと言おうとしているのではない。他の教師のよい実践を積極的にとり入れていくのは、よい態度であると野口は考えている。
 しかし、それと並んでたいせつなのは、やはりありたきりの指導法に飽き足らず、自分なりに少しでも良い方法を開発してみようとする進取、前進の気概ではないかと野口は思っている。
 オーソドックスに、無難に、文句を言われないようにという保守的、現状維持的な中からは新しい発見は何も生まれてこない。第一、それでは自分自身が面白くないではないか。良かれ悪しかれ、自分なりの工夫をとり入れて試みるからこそ面白いのである。
(野口芳宏:1936年生まれ、元小学校校長、大学名誉教授、千葉県教育委員、授業道場野口塾等主宰)

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