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子どもたちをいじめから解き放つ学級づくり

 逃げ場のない学級の中で、イライラを乗り越えることができず、「やつあたり」や「紛らわし」として行っている行為がいじめなのです。今の子どもは他人に対する想像力、コミュニケーション力がきわめて希薄です。ここに学級づくりの問題としていじめを考える根拠もあるのです。
 子どもたちに不足している想像力、共感力、コミュニケーション力をいじめの抑止力として育てることは学級づくりの課題です。
 まず、担任として「いじめを絶対に許さない」というメッセージを伝えることが必要です。いじめが被害者ばかりか加害者までも傷つける行為だという認識を持ち、いじめのない学級づくりをめざします。いじめ行為が起きたときには、本気で怒り、悲しみつつ、いじめの背景に切り込む覚悟をします。心の底からの担任としての言動がいじめっ子や、同調者、傍観者に自らの姿勢を真剣に考えさせることができるのです。
 学級づくりにおいて「一人ひとりは違っていていい」という姿勢を明らかにする。「一人ひとりを大切に」し、いじめの対象になりやすい子どもを視野にいれ学級づくりを進めることが重要です。
 いじめをする子は、人をいじめても、自分がかかえる問題は解決しません。いじめっ子を丸ごと受けとめる(その子を好きになる)と、心が安定して、むかつきが減ればいじめに走ることも少なくなるはずです。彼らに「よりどころ」があるということが、「子どもをいじめから解き放つ」学級づくりにつながるのです。
 「いじめなんてしているヒマがないほど毎日が楽しい」という学級づくりが必要です。学級に楽しいイベントが用意されていれば、子どもたちは班活動に燃え、いじめなどしている暇はないのです。いじめを「遊び」とする感覚をおかしいと感じ、いじめを防止する力になりうると思います。
 学級内にいじめを許さない雰囲気を育てるために、いじめ教材や体験談を学習するのも子どもたちの心に響きやすいと思います。しかし、いじめがある状況がみえず、学級に鈍感なままで、すぐれた教材を用いても子どもたちには響かないと思います。
 自己肯定感や自尊感情が低い子どもがいじめっ子になりやすい。自分や友だちのいいところを見つける取り組みをすすめ、マイナス面もふくめて自分を好きになるように育てられるかが、いじめ防止のカギを握っています。
 いじめ防止には、子どもたちのコミュニケーション力を高める取り組みが大切です。子どもたちの他者を知る力、自分を表現する力、聴き合う力といったコミュニケーション力を高めることが大きな力になります。
 何よりも班活動、学級イベント、学校行事などを子どもの手ですすめ、共同作業を体験することが、お互いのコミュニケーションを豊かにすることにつながります。
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磯野雅治:1947年生まれ 大阪府公立中学校に勤務し2008年定年退職。学級づくり交流センターるるる塾を主宰、関西大学非常勤講師(教育実践論))

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