子どもが自ら伸びていこうとするのをサポートする
生徒一人ひとりには、それぞれの生き方があります。人は自ら伸びていこうとしていくものです。それを認めてあげなければいけません。
教師は、生徒が自分なりの生き方を見つけられるために、そのサポートをしてあげるのです。よく、教師は勘違いして生徒をコントロールしようとしてしまいます。
「ふだんからちゃんと授業を聞いてないよね」と、決めつけたり、自分の考えを押しつけたりするのがそうです。
あくまでもサポートするのです。支えるのです。それは、カウンセリングに近いです。カウンセラーは相手に対して「こうしなさい」などとは絶対に言いません。過去を振り返って、責めるような話など絶対にしません。
カウンセリングのコツは、相手の言うことを承認して、オウム返ししてあげることです。自分で答えを見つけ出せるように引き出してあげるのです。これは最近よく耳にするコーチングにも非常に近いと思います。相手が持っているものを引き出して、サポートし、自ら進む方向を見つけられるようにしていくのです。
しかし、生徒もまだまだ未熟な面がたくさんあります。必ず暗記してもらわなければいけないとき、どうしても守らなければいけないルールを教えるようなときには、強く引っ張っていく必要もあります。
そのようなときも、生徒の”自分のなかで育っていこう”という気持ちをサポートすることを忘れてはいけません。
生徒を完璧に自分の支配下におかない。完全に教師からの一方通行にならないようにする。生徒が自ら考え、答えを見つけようとする。教師は根底には常に生徒を認めていなければいけません。
生徒も自分が認めてもらえると安心して、初めて教師という人間を認めるのです。
(長野雅弘:1956年名古屋市生まれ、一宮女子高校、平安女学院中・高校等で校長を務めた後、 聖徳大学教授。入学者が激減してつぶれるとまで噂された女子高校を授業等ソフトの改革で2年目から人気校になり全国から見学、講演が殺到した)
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