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いじめはどのように防ぎ、解決すればよいか

 いじめの多くは、対人関係の問題から起きている。最初は、偶発的なからかいや悪口から始まり、やがて、日常化した段階に進んでいく。初期の偶発的な段階で手を入れられれば、改善は容易である。しかし、本格的ないじめが始まってから指導をしようとしても、問題が悪化したり、陰湿化させる恐れがある。
 いじめは、対人関係の問題や軽微なトラブルの段階で発覚して、いかに手を入れるかが重要になる。「いじめは、初期対応が大事」「最初に徹底的にやること」「初期対応でほぼ解決できる」と、教師たちが話してくれた。
 子どもの中で起きているいじめは、特別な出来事ではない。日常的に使っている「キモイ」「ウザイ」という言葉や、グループ内での微妙な力関係が居場所を守る戦いの中で、自然発生的に起きている。
 いじめには、目に見えない、加害者の心の闇がある。満たされないものを抱えている。家庭や学校という本来受け止めてもらえる居場所で、安心して受け止めてもらえてないのだ。その思いが他者を受け入れない狭い心を作りだす。
 この心理を理解しないで、いじめ行為のみに焦点をあてて指導すると、加害者は否定されたと思い、もっと巧妙な手を使って自分の力を示そうとする。いじめの背景に焦点を当てずして、いじめの問題は本当には解決しない。
 長年、罪を犯してしまった子どもたちに向き合う中で学んだことの一つは、加害者が自分の非に気づけるのは、自分の被害者を受け止めてからだということだ。それはいじめでも同じである。
 自分自身が自分の心の傷にとらわれているときは、他人に責任を転嫁するばかりで、自分の非を本気で振り返ろうとはしない。自分の傷ついた気持ちが受け止められて初めて、自分のやってしまったことの意味を知り、いじめた被害者の痛みを、自分の痛みのように感じることができるようになる。真の謝罪とは、この痛みの上に、「もう、二度とやらない」と本心から、悔やみと誓いが刻まれるのだ。
 いじめの解決には、このプロセスと視点が不可欠である。
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魚住絹代:1964年生まれ、大阪府教育委員会スクールソーシャルワーカー。1982年法務教官となり、以後、福岡、東京、京都の少年院に12年間勤務。非行少女の立ち直りに携わる。2000年に退官後は京都医療少年院で音楽療法の講師となるかたわら、2002年から、大阪府の公立小・中学校に、スクールサポーター、家庭教育サポーターとして勤務。子ども、家庭、教師の相談支援をしている)

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