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授業づくりと学級づくりは両輪

 授業づくりと学級づくりは両輪です。学級づくりをしながら授業づくりをしていき、授業づくりをしながら学級づくりをしていくという考え方が必要です。
 名人と言われる人の授業を見に行くと、授業だけでなく、学級づくりもできていることがよくわかります。授業で学級をつくるとは、授業を通して教師と子どもたちとの信頼関係を築くということです。
 仲間づくりでは授業において「お互いの違いを認め合える」「ありのままの自分でいられる居場所がある」という視点が必要です。授業において、子どもたちがさまざまな意見を出し合い、そのことがお互いに響き合い「そうかァ」「なるほど」といったように理解が深まり、新しい発見があるような教材や授業スタイルが工夫されることが「お互いの違いを認め合う」という学級づくりにつながっていくのです。
 クラスの仲間の関係がうまくいっていないのなら、体育の時間にチームゲームの教材を使って授業を進め、子どもの心をまとめていきます。友だち関係で悩んでいる子どもがいるときは、道徳の授業でそんな教材を取りあげ、子どもの心をほぐしていきます。
 授業の中で「間違った発言」があったときに担任がどのような姿勢を示すかが、その子どもとの信頼関係をつくるうえで、大きく影響します。「間違い」発言に“笑い”や“やゆ”が生じた場合、素早く反応し、その問題点を指摘しなければなりません。その発言を授業の深化につなげることのできる「授業力」を身につけることも求められます。
 「課題をかかえる子どもの学級づくり」では、彼らを念頭において「子どもの興味を引き出す」教材を準備し、授業への参加を可能にする授業スタイルを考え、彼らに発問し、その発言を授業の深化につなげていくようにします。
 その一方で、彼らとの話し込みなどで、自分の学習に対する姿勢を見つめさせていきます。彼らの将来への希望とも合わせて学習にとりくむ気持ちを引き出し、その“決意”を学級に明らかにする取り組みが必要です。
 イライラしている子がいれば、算数の時間にその子が理解できるような展開の授業を仕組んでいきます。
 学級づくりができていないと授業は最初、本当に苦労します。だからこそ研究し、だからこそ子どもをもう一度みつめるようになります。その取り組みが、結局、子ども理解と教材理解を深め、楽しい授業を創り出すことにつながり、子どもの心は和らぎ、学級ができていくのです。
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磯野雅治:1947年生まれ 大阪府公立中学校教師 退職後、学級づくり交流センターるるる塾を主宰)
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仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師、指導主事、48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象にセミナーを開いている。若手教師パワーアップセミナー「元気が一番」塾主宰)

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