学級の荒れで辞めたいと思う教師が多い、防止するには?
「学級担任を辞めたいと思ったことがある」という教師が多いと、報道されたことがある。経験を積んだ教師に多いと聞く。辞めたいと思いながら、意欲も湧かずに続けることほど、子どもにとっても教師にとっても残酷なことはない。
どうして辞めたいと思うのかというと、学級に荒れがあることが大きな原因であるという。教師になる人間は、はじめは大きな夢をもって教師になるが、学級の荒れは夢をうちくだくのに十分である。
夢をもって教師になったのに、何年かすると校内研究では、授業研究をやりたがらないし、週案簿も書かないし、普段の授業も見せたがらなくなる。
その結果、社会や子ども、家庭の変化に対応して、どういう教え方をしたらいいのか、どういう方法がいいのか、という実践力を学ぶ機会が少ない。他の教師と教え方に対する話し合いの場がない。
教師としての基本的な教育技術、変化する社会に対応する教育技術をみんなで話し合い、授業を見せ合い、研究して共有すべき時に来ている今、校内研究は極めて大切である。
子どもが楽しんで学校に来て、喜ぶ授業をする。そのための技術を学年会で話し合ったり、記録して、全校で互いに共有するシステムを作る、そのための校内研究にする必要がある。
授業で話を聞かない子どもが多くなった現実について話し合い、どういう話し方にしたらよいのか、どういう基本を子どもにしつけたらよいのかを、教師同士が話し合うための時間と場を設定する必要がある。
校内研究と学年会を質の高いものにしていくことが、学校教育充実の要である。
(飛田貞子:東京都の公立小学校教諭を経て小学校校長)
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