子どもは教師の人格に反応して自分をさらす
問題を持った子どもの場合、多くは、否定的に見られている。「この子どもはどうでしたか」と聞きにいくと、校則違反の事例をあげて「指導しにくい子どもだった。よくない子どもだ。なめられないようにしたほうがいい」などといわれることもあった。
しかし、子どもを知るということは、過去の行動を知ること以上に、その伸びる可能性を知ることが重要である。したがって、子どもについて聞く場合には「長所はなにか」を主眼に聞くようにした。
それでも「この子どもはこんな悪いことをした」といえば、「たいへんでしたね」といってから「どういう長所があったか、指導の手がかりになる肯定面を教えてください」と、聞きこむようにした。そうすると、たいがい「そういえば、案外やさしいところがあったな・・・」などと思い出してくれた。
教師によって子どもの評価がちがうのは、子どもの多面性による。では、なぜ、子どもは多面的になるのかというと、子どもは教師の人格に反応して自分をさらすからだ、ということがわかった。
そのことから、その子どもに、どんな教師が受け入れられるのか、どんな接し方がいいのかの手がかりをつかむことができた。
さらに、後になって、その子どもをめぐる指導の輪をつくるときに、好意的・肯定的に見ている教師を、その輪に結集するようにした。
(家本芳郎:1930~2006年、東京都生まれ、小・中学校教師、長年、生活指導の研究会活動に参加し、全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)
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