学級を荒れさせないようにするにはどうすればよいか
教師はまず自分のクラスを荒れさせないぞ、という意気込みをもつことが大切である。そういう意気込みをもてば、子どもへの接し方や授業のやり方が違ってくる。
子どもとの接し方は、子どもの立場に立って接することが大切である。
上から下に命令する口調でいつも子どもに接していると、そのうち子どもはパニックを起こす。はじめは従順にしているように見えても、やがて反乱が起きる。親をも巻き込んだ反乱となる。
教師とて、いつも清廉潔白とは行かない。何かしら失敗をする。
子どもが「先生は失敗もするけど、いい先生だ」と思っていれば、教師が少しくらい失敗したって何でもない。
しかし、教師がいつも怒っていて、上から下に命令するような叱り方をしていたら、子どもは「先生だって失敗するくせに」と心の中に不満をつのらせるから、実際に失敗したら、たちどころにそこを突いてくる。子ども全員が心の中でそう思っていたら、誰も教師に味方する者はいない。そこから学級崩壊が始まることもある。
授業のやり方で言えば、上から下に教えてやるぞ、という教え方ばかりでは、魅力ある授業とはいかない。いろいろな方法を工夫することである。十分に指導案を練り、他の人の授業を参観して、採り入れられるところを採り入れたりして、教師が工夫するようにする。
子どもは教師の姿勢をしっかりと見ているから、こうして教師自身が勉強しているのがわかれば、教師への信頼が芽生える。
このごろの子どもは、ただ聞いているよりも体験学習やグループ学習を楽しんでやる。少し競争を取り入れると意欲的になる。
国際理解教育、福祉教育、環境教育なども、教師が上手に方向づけていくと、子どもたちは十分に反応し、心が育つ。
日常の学校生活に生きて働く力として、こうした学習が「生き方」の勉強となるのである。
学級を荒れさせないぞと意気込んでいる教師は授業の下調べもよくするし、子どもたちの心に敏感でもある。
(飛田貞子:東京都の公立小学校教諭を経て小学校校長)
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