教師受難の時代に必要なのは学級経営の技術
世の中や、親や子どもが変わった。学校も変わることをよぎなくされている。学級崩壊の7割は教師の能力のなさに原因があるといった発言もある。
管理しようする学校と、反抗する子どもたちの間に立ち、苦悩し続けている教師も少なくない。
この教師受難の時代において、身につけるべき必須の教育技術は、学級経営の心理面からのテクニックである。
いま多くの教師を悩まされている学級経営の問題は、子どもたちの心の荒れにかかわるものである。子どもたちの問題行動の多くは”学級という独特の集団や人間関係の中で、生みだされたもの”である。子どもの問題行動に対する教師のかかわりのまずさによって、まさにその問題が刺激され増長されていることは少なくないのである。
したがって、教師は、心理面からの学級経営テクニックを身につけなくてはならない。そしてその際、学級集団をあつかうのに役立つ心理学をまなばなくてはならない。その代表的な心理学はアドラー心理学である。
ある不登校の多かった小学校で、毎月一回「構成的グループ・エンカウンター」を実施した。すると、エンカウンターのエクササイズを行うことで、教師の子どもにかかわる姿勢が変わっていった。子どもたちのよい面に着目した肯定的なかかわりが多くなっていった。その結果、学校全体の雰囲気もよくなり、数年の間に不登校が四分の一に激減していった。
思想を体得するまで待っていては何もできない。とりあえずハウツーを実践してみてほしい。それを実践していく中で、思想もおのずと身についていくのである。
学級経営の心理面からのテクニックとしては、学級経営に役立つグループ・ワークである「構成的グループ・エンカウンター」、「アサーション・トレーニング」、「リフレーミング」、そして教師自身の心をみつめるための手法である「フォーカシング」、「論理療法」、「交流分析」などがあります。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀)
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