子どもの感性をピクッと動かすことカウンセリング・マインドの基本
子どもの話を、全身を耳にして聴き入ることが、子どもとの信頼回復にはとても重要であると思います。
「この人は、本当に自分のことを知りたがっている」と思うと、子どもの感性というものはピクッと動くのです。
その子どもの感性をピクッと動かすことができれば、子どもの問題の大半は解決できるのではないでしょうか。
その子どもの感性をピクッと動かすことこそが、カウンセリング・マインドの基本であると思います。
しかしながら、いまの日本のカウンセリング・マインドは、誤ったものになっているのです。子どもに無限に迎合することなく、きちんとけじめをつける必要があります。
濤川は、子どもを無限に甘やかすことだけはしません。無限の愛と慈しみと受容は注ぎますが、そのかわり、どんなに厳しくても、子どもに言わなければならないことは、必ず言います。ただし、時間をかけて、子どもに無理のないように表現していきます。
なぜ受容し、傾聴するのか。それは、子どもの内面にあるものを吐き出させるためです。子どもの心の中に眠っている感性を、動かすためなのです。たった一度でも心がピクッと動いたならば、もうそれでいいのです。
濤川は、日本中のすべてのお父さん、お母さん、教師に、目の前にいる子どもたちに対して、カウンセリング・マインドを持ってほしいと願っています。
(濤(なみ)川栄太:1943~2009年、20年間の小学校教師を経て、ニッポン放送「テレホン人生相談」回答者、40年間つとめる教育相談では、悩める子どもたちに体当たりで励まし立ち直らせた。元新松下村塾」塾長)
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