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Q-Uテストで学級崩壊の不安をなくす

 自我の未発達な子どもを相手にする教師は、子どもの内面を理解する余裕がなくなったり、子どもの問題行動を必要以上に感情的に叱責してしまったりしないよう、自分の心の健康を保たなければなりません。
 学級担任をもつと、学級経営に不安感を抱く教師は少なくありません。学級集団は段階を追って崩壊していくのです。崩壊初期で具体的な対応ができればと、私は強く想います。
 したがって、教師の日常の観察だけではなく、調査法による子どもや学級集団の理解は、とても大切だと思います。
 教師の意図と子どもの受け取り方のあいだには、少なからずギャップがあるのです。そして、子どもは自分が受け取ったことに反応して、行動するのです。「A男は何度言っても、私語がおさまらない」と教師が嘆いても「私語は勉強の取り組みにマイナスの影響を与える」という意味を、その子ども自身が感じていないのです。この子どもは教師の注意をうるさいとしか感じず、反発することになるでしょう。
 また、夏休み明けから不登校になる子どももいます。教師が心情を事前に理解できていたら、不登校に至る前になんらかの対応ができたかもしれません。教師の前でも子どもの行動は、教師の存在を意識してなされるものです。そこには、自分の本音が形を変えて現れている場合が多いのです。
 したがって、教師は子どもの本音から
(1)
子ども一人ひとりの特性・心情面
(2)
学級集団の実態
(3)
教師の指導や援助をどうとらえているか
 という3点を、定期的に調査しておくことが、実践を進めるうえで、大きな指針となるのです。教師の意図と子どもの受け取り方のギャップを小さくすることが、子どもたちに、学級集団に、自信をもって具体的な対応をすることにつながのです。
 学級崩壊で苦しむ先生方と面接していて、私が強く感じることがあります。それは、学級崩壊が中期から末期の状態の場合、担任教師にとても強い焦りや不安が生じ、最後には万策尽きたという無力感が支配してしまうことです。
 教師も学級集団にまきこまれた状態でいますから、自分が実施した手だての効果がみえないのです。その結果、あれをやったがダメだった。これを試してみたがダメだったと、自分を追い込んでいってしまい、ますます悪循環を生んでしまうのです。
 このようなとき、定期的に調査法(注)を行い、適切な対応を実施すれば、再建策を実施した時点を底にして、子どもたちの学級生活への満足度はジリジリと上がってくるのです。
 つまり、焦って自分の実践のマイナス面しか見えなくなっているときに、調査法の結果は大きな安心感を与えてくれ、自分の対応に自信が持て、今後も計画的に再建策を続けていこうという意欲につながってくるのです。
 学級崩壊に悩む先生方の援助をさせていただいていて、この意欲の喚起と持続が問題解決の重要なポイントになると思います。
(注)Q-Uテスト:対象小学1~3年/小学4~6年/中学1~3年/高校1~3年、実施時間約15分、価格各310(検査用紙105円+コンピュータ診断205)
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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