子どもの情報をメールを使って学校と親が共有し信頼関係をつくる
無茶苦茶な要求をつきつけてくるモンスターペアレント。教育現場は保護者からのクレームに悩まされています。モンスターペアレントの不当な不可解な要求に耐えかねて、多くの先生が心を壊し、精神的に追い詰められて病気になり、辞職し、命を絶つケースも少なくありません。
モンスターペアレント対策は急務です。苦情対策マニュアルをつくる。保護者面談の回数を増やす。専門チームを編成する。弁護士や臨床心理士を活用する。さまざまな対策を講じてきて、どれだけクレームが減ったのでしょうか。
保護者のクレームは、メールの活用次第で効果があります。そして、メール次第で保護者とのコミュニケーションは楽しくもなるはずです。
私の会社では、緊急時に有効な情報伝達手段として、数多くの教育現場や防災現場等においてメール配信システムの提供を行っています。
東日本大震災では、このメール配信システムが、子どもの引き渡しや集団下校の連絡や津波注意喚起の連絡用として利用されました。
個人情報保護のために電話による緊急連絡網が廃止され、メールを使う学校が増えています。
メール配信システムを導入し、学校全体に一斉に送れるようになった東京都のある中学校では、学校からのお知らせは全てメールを利用しています。
先生は大変忙しく、時間的にも精神的にも余裕がなく、こまめな対応ができないことがクレームを生む一因になっています。
忙しいのは保護者も同じです。生活スタイルの多様化により保護者の状況もさまざまです。そのため学校からの情報を把握できず、子どものことが気になることが増えているのかもしれません。
だから学校から保護者に積極的に働きかけることで、保護者に学校側の取り組みが伝わり、情報が行き渡れば保護者も安心できるはずです。
メール配信システムは、天災・人災の非常時の連絡用として導入されながらも、日常の連絡ツールとして利用されることが増加しています。運動会やマラソン大会、校外学習などの行事連絡に活発に利用されています。
私の会社では、学級会や授業など、子どもの日常風景を教師が写真に撮ったものをインターネットにアップでき、それを携帯やスマートフォンみることができます。子どもたちの様子がわかると喜ばれています。
子どもに関する情報を学校側と保護者が共有することで、ともに子どもを守り育てる新たな信頼関係が生まれていくと思います。
クレームは教師と保護者のささいな行き違いから発生します。
しかし、保護者も教師も、子どもたちを守り育てたいという思いは同じです。日ごろからメールを使いこなしてその思いが保護者に伝われば、クレームをなくしていくことは不可能ではないのです。
(米田昌弘:1972年岐阜県生まれ、バイザー株式会社CEO、NPO法人「ドットNET分散開発ソフトピア・センター」理事長)
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