今までのような、教え・わからせ・理解させる指導ではダメ
時代の変化による子どもの多様化は、指導法の改善を迫っているといえる。「時代の変化に対応して、新しい知識や学習技能を生産し続けていく力」を育成するためには、今までのように「教え・わからせ・理解させる」という指導法から、子どもが自ら学んでいくようにする指導法へとかえなくてはならなくなっている。
子どもが、「はてな?」を発見し、それを楽しみながら追究するようにしなければならない。そのプロセスで、新しい知識を修得し、新しい学習技能を体得していくように指導していくことが、今求められている。
指導するということは、
(1)子どもの学習意欲を引き出す
(2)「学び方」(学習技能)を体得させる
(3)みえないもの(わからない)を、みえる(わかる)ようにする
「みえない」(わからない)教材を、みえるようにする過程で、「学び方」(学習技能)を体得させ、「学習意欲」を引き出すのである。
「子どもの実態」を把握したうえで、しかも、個を生かし、個を育てる観点をもった一斉指導でなくてはならない。
つまり、形のうえでは一斉指導のようにみえるが、よくみると、個への対応がよくなされているというものでなくてはならない。
(有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し授業の名人といわれている)
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