国語科:論理的思考を育てるために、いたずらされた文章を元に戻していく
子どもが論理的に考えることができるようにするための「しかけ」として文章をいたずらする。
子どもが他者と関わる場である学級で、子どもが論理的に考えることができるようにするためには「しかけ」が必要になってくる。その「しかけ」として使う教材(国語)は、文章の一部が消されたり、段落が入れ替えられたりといういたずらがしてある。そのいたずらされた文章を元に戻していく過程で、子どもたちに深く考えさせる「しかけ」である。
まず、この教材を読む。子どもの「おや?」「えっ?」というつぶやきを取りあげて、その疑問の内容を話させると、子どもは段落の順序のおかしさを指摘する。
気づかなかった子どもに問題意識を持たせるとともに、「やっぱり、そうだったのか」という順序のおかしさきづいていたが、それを表現できなかった子どもに自分の疑問を確信させることになる。
そして、この疑問がクラス全体の共通の学習課題となり、解決にむけて再度、読み直す。どこがおかしいのか、お互いに考えを出し合うクラスになる。でてくる考えや意見は、子どもたちの共通の土俵になるので、建設的な意見が出て、高めていくことにつながるのである。
(白石範孝:1955年鹿児島市生まれ、東京都公立小学校教師を経て筑波大学附属小学校教師、國學院大學栃木短期大学講師、使える授業ベーシック研究会
会長、全国国語授業研究会理事、国語ICT研究会会長)
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