授業でいじめに負けない生きぬく強さを鍛える
いじめの卑劣さを諭すことは必要ですが、一番大切なのは、子どもたちがさまざまなストレスを自ら克服し、生き抜いていく強さを「鍛える」ことではないでしょうか。
いじめは絶対してはならない行為です。しかし、悪口や暴力などを禁じ、教室を無菌化することは難しいことです。
生き抜く強さは日々の授業の中でこそ育成すべきことです。
(1)健全な自信を育てる
できないことが、できるようになることこそが素晴らしいのだ、と教え、実践させ、自分の弱点を克服する喜びを実感させる。
(2)自分の考えを持つ習慣を育てる
たとえば簡単な問題を出し「○か×か」をノートに書かせる。これを繰り返し訓練することで、考えることが苦手な子どもも、次第に自分自身で考える習慣が身に付く。
(3)主張できる勇気を育てる
誤った発言にも話しあいの内容を深めるなどの意義があることを教える。また、自信がないときにも自分の考えを人に伝えられる勇気を養う。
(4)あざ笑いを許さない
勉強が苦手な子どもや引っ込み思案な子どもの発言や行動をあざ笑うような態度は、断固として許さず叱る。
(5)正誤を明確にする
誤答も評価してはやるが、正誤をあいまいにしない。何が正解で、何が不正解なのかを明確にし、考え方のすじみちを示していく。
(6)変容を評価する
自分の誤りに気づき、素直に考えを改めようとする、強じんで主体的な態度を大いに評価してやる。
そして授業は、このしなやかな心を育てるもっとも効果的な機会なのです。
(野口芳宏:1936年生まれ、元小学校校長、大学名誉教授、千葉県教育委員、授業道場野口塾等主宰)
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