教師の指導に反発する親はどう対応すればよいか
生徒が問題を起こしても認めないモンスターペアレントがいる。
あるとき、教師の目の前で、生徒が消化器の粉を廊下中にばらまいた。当然、教師が指導しようとしたが生徒は認めない。やむを得ず、親を呼び事情を話したが、親は「子どもがやっていないと言うのだから、子どもを信じます」と言うばかりである。「見間違えたか、嘘を言っているのでは」とまで教師を攻撃してきた。子どもの非を棚上げにして、逆に学校を攻撃してくるという例は最近ではめずらしくない。
このような場合には、担任だけで抱かえてしまって、一人で対応しないことだ。教師個人の責任だと考えずに、学年・学校全体で対応するのが良い。
叱ることが成立する条件の一つは、叱る相手の生徒に教師が好かれているか、尊敬されているかなどがあげられる。昔のように教師というだけでは、もはや通じない。
したがって、ふだんから子どもをほめることもしていなくてはいけない。特に「モンスターペアレント」は子どもがほめられた体験がなく、いつも学校に対して身構えているのだ。
子どもをほめるようにすると、子どもと心が通じ合い、その上で叱ると、受け入れてくれるものだ。親と共同するためにはまずこのことからはじめるとよい。
(吉田 順:1950年生まれ 元横浜市立小・中学校教師。生徒指導コンサルタント)
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