« 転職があたりまえの時代に求められる基礎的な力とは何か | トップページ | PISA型読解力の育成の手だて »

教科指導で心がけていることは落ちこぼれを作らないこと

 私が教科指導で心がけていることは落ちこぼれを作らないということです。
 今知りたい内容を理解するには、特に数学や理科などは、それ以前に分かっていなければならない知識が欠けていると「どこが分からないのか、分からない」「分からないから、つまらない」「つまらないから、やりたくない」という悪循環に陥っていくのです。それは落ちこぼれのときの私と同じです。
 そこで私は「それぞれの生徒の分かるところから始める」という授業に徹することにしました。生徒が分からないと言えば、中学校の内容でも、小学校の内容でも、生徒が分かるところまで戻りながら、何度でも説明を繰り返し、理解しなければいけないポイントを根気よく話します。
 そして、今説明したことをふまえて、もう一度分からなかった問題を考えてもらい、最後の答えは必ず生徒自身に出してもらうようにしています。そうすることで「正解は自分の力で出した」という気持ちが強くなり「やれば出来るかもしれない」という気持ちの芽生えにつながっていきます。つまり、私は「答えを教えない教え方」を心がけているのです。
 そして、生徒が問題を解き終えたならば「最初は何が原因で、この問題が解けなかったのか」を確認させるようにしています。勘違いなのか、知識不足なのか、解き方の経験不足なのか。この検証を何度も行うことで、自分に欠けているのは何かということを、生徒自身が自分で分析できるようになります。
 また、自分の弱点が分かるようになると「何が分からなくて、解けなかったのか」が分かるようになります。「数学でxとかyとか、文字がでてきたときから分からなくなった」とか「三角形の内角の和は180度ということを知らなかった」というような知識不足など、欠点を認識したということが、すでに解決への入り口に立ったことになります。
 その欠陥を認識し補習すれば、さっきまで分からなかった問題が、分かるようになるのです。「そうか、この知識をこう応用すれば、この問題は解けるのだ」そうすると、生徒もすっきりした気持ちになり、理解できる快感を少なからず覚えてくれます。
 このとき、大切なことは、正解した生徒を必ずほめることを忘れない、ということです。人からほめてもらうことがどんなに励みになるか、それは、落ちこぼれでオール1だった私が一番痛切に感じたことです。人からほめてもらうことで、自分に価値を見いだすことができるのです。これが自信へとつながるのです。
 私がもう一つ心がけているのは、質問してくる生徒に対しては、分かるまで何度でも説明するスタイルをつらぬくことです。「この先生は分かるまで教えてくれる。聞いてもいいんだ。じゃあ、やってみようか」という気持ちを引き出すきっかけになればと思って、このスタイルを崩さないようにしているのです。
(宮本延春:1969年生まれ、小学生のときいじめで学校嫌いになり、九九は2の段しか言えず、中学校1年「オール1」の成績をもらう、23歳の時 アインシュタインのビデオを見て感動し、小学校3年のドリルから勉強し24歳で定時制高校入学、27歳で名古屋大学合格し愛知県私学高校教師となる)

|

« 転職があたりまえの時代に求められる基礎的な力とは何か | トップページ | PISA型読解力の育成の手だて »

各教科の授業」カテゴリの記事

学習指導・学力」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 教科指導で心がけていることは落ちこぼれを作らないこと:

« 転職があたりまえの時代に求められる基礎的な力とは何か | トップページ | PISA型読解力の育成の手だて »