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いじめっ子といじめられっ子が入れ替わる

 NHKのいじめの討論会に出席したこともあり、最近、いろんな学校のいじめの校内研修会に呼ばれます。僕は、事前に「いじめアンケート」を実施して、その学校のいじめの状態を分析してから研修を始めることにしています。
 そのため、いろんな学校のデータを持っていますが、今の子どもたちのいじめは、僕たちが子どものころに経験したいじめとは、かなり違ってきています。
 僕たちの頃のいじめは、ジャイアン(いじめっ子)がのび太(いじめられっ子)をいじめるという単純な図式でした。ジャイアン(いじめっ子)を叱ればいじめは簡単になくなります。しかし、今のいじめは、そう簡単ではありません。
 ある学校でのデータでは、「何度もいじめたことがある」と答えている子どもの524%が「何度もいじめられたことがある」と答えています。……つまり、ジャイアンのようないじめっ子の半分以上が、何度もいじめられたことがあると答えているということです。
 また「何度もいじめられたことがある」と答えている子どもの552%が「何度もいじめたことがある」と答えています。……つまり、のび太のようないじめられっ子の半分以上が何度もいじめたことがあると答えているということです。
 しかもこれは、その学校に限ったデータではなく、どの学校もほぼ同じような比率です。ジャイアンが何度もいじめられ、のび太が何度もいじめる……。いじめっ子がいじめられっ子をいじめるという単純な図式ではなく、いじめっ子といじめられっ子が入れ替わるという複雑な様相です。
 順番にいじめのターゲットが変わる場合もあります。ちょっとしたきっかけで、いじめられる子も多くいます。ですから、子どもたちは、目立たないように、人と違うことをしないように、ひっそりと生活している子もたくさんいます。
 「のび太」は、「ジャイアン」を怒らせないように気を遣っていますが、今の子どもたちは、周りのすべての人に対して、気を遣って生きています。
 だとしたら、すごいストレスです。もしかしたら、そのストレスが、他の誰かをいじめる動機になっているのかもしれません。悲しいですね。
(
) 竹内和雄:1965年大阪府生まれ、中学校で20年間教師、大阪府寝屋川市教委指導主事を経て2012年より兵庫県立大学准教授。生徒指導を専門とし、いじめ、不登校等への対応方法を研究。学校心理士。ピア・サポート・コーディネーター)

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