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授業がうまくいかない原因   有田和正

 教材研究も十分にした。資料も準備した。しかし、授業がうまくいかない。子どもが食いつかない。おかしいなあと思い、よく考えてみると、子どもの能力にマッチした教材が提示されていないことがある。教師が興味にまかせて調べた、むずかしい内容を、そのまま子どもにぶつけてしまっているのである。
 とにかく教材研究の不足、それも子どもの実態を把握した上での教材のかみくだきが不足しているように思う。
 「こんな考えをしている、このくらいの能力の子どもに、こんな教材をぶつけたら、その子どもがこんな追究をして、考えがこうなった」というような研究を積み重ねていかないと、一般性のある研究になっていかないのではないだろうか。
 「教材は、子どものためにある」といわれる。しかし、子どものどんな点に対して教材があるか問われていないのではないかと思う。
 教材を選定するとき、
1 子どものどんな点に対して
2 教材のどういう内容が
3 どのように有効か
ということを考えておき、これを仮説として授業に取り組むことが必要ではないだろうか。
 教材研究をするとき、「具体的な子どもを思いうかべて、この子に、この教材をぶつけたら、どんな反応を示すか」と考えながら行うのである。そうすれば、教材を取り上げた理由もはっきりする。
 授業においても、当然その子に注目し、その子むきの発問をすることになり、ものすごく具体化する。
 これがズバリ当たれば、子どものとらえ方や教材の選定に自信がもてるようになり、うまくいかなければ、どこがおかしいか反省材料になる。反省も具体的にでき、次への発展材料となる。
 このようなことを重ねていくことによって、教材の程度やおもしろさがつかめると同時に、子どもを見る目ができていく。
(
有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し授業の名人といわれている)

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