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教師の身体的表現力は子どもたちの学びや振る舞いに直接的に影響する

 「目は口ほどに物をいう」のことわざもあるように、ことば以上に、教師の表情や身ぶりによって教室のコミュニケーションは成立しています。
 とくに、教える内容を相手に印象づけ、認識や信念を根づかせる教育活動において、教師の身体的表現力は大きな役割を果たします。
 たとえば、物語文の指導で、場面のイメージを膨らませるために、教師が登場人物の表情やしぐさを再現する。あるいは、説明することが大事な内容であることを強調するために、抑揚をつけて、ゆっくりと話す。また、子どもの発言を聴くときに目を合わせてうなずく。このように、教師は、言葉とともに身体をも自由に、表現の手段として使えるようになっていなければならないわけです。
 また、授業は教師が子どもの前に自分の身体をさらす仕事です。たとえば、教師のこわばった身体は、子どもとの関係が固くなり、教室の雰囲気を重くします。そして声にも影響します。自分を出すのを恐れ、子どもとの間に壁をつくるため、教師の説得力も弱くなります。そうすると、教師の言葉は子どもの心を打つものにならないので、子どもたちが集中しなくなってしまう恐れがあります。
 このように、教師が気づかないうちに、教師の人間としての存在のあり方や、身体のありよう、表現によって、子どもたちに多くのメッセージを伝えているのです。子どもたちの教室での学び方や振る舞い方にも直接的に影響します。
 授業中さわがしいといった、子どもたちの問題は、実は教師自身の問題なのかもしれません。教室における教師の存在のあり方や話し方、振る舞い方を、教師自身が自覚的に反省をして、思いきって変えてみることも重要かと思われます。
(
石井英真:1977年生まれ、京都大学教育学研究科准教授。専門は 教育方法学:学力論、授業論、教育評価論)

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