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豊かな言葉や動作で子どもに働きかけ成長を助けることが教師の仕事

 島小学校の教師は、個人や共同で教材研究をしたり、授業研究をしたりしたほか、絶えず表現活動の修練を積んでいた。
 合唱や舞踊や演劇の基礎訓練をするほかに、きめられた時間に詩や短文や絵をかいて合同評価会をしたり、朗読の練習をしたり、声の出し方や他人の発言を正しく聞きとり解釈する練習をしたりした。
 職員の合唱練習は、職員会・研究会などのあとに必ず歌った。舞踏とかステップとか歩く練習とかは校庭でもした。音楽に合わせて、全員が一斉に前後左右に動きながら、演出者の指示で、さまざまの表現をする練習をした。そこには少しのはじらいも、てらいもない。
 こういう努力をしたのは、教師は豊かな言葉や動作によって子どもに働きかけ、子どもの成長を助けていくことを仕事としていると考えたからである。
 教師の表現が貧しかったり、固定していたりしたのでは、子どもたちに生き生きと働きかけ、子どもたちを触発していくことなどできないと考えたからである。
 教師は、自分たちの一般教養を高めたり、人間を豊かにする努力をするとともに、自分たちを解放された表現ゆたかな人間にするための努力をした。
 豊かでひらかれた表現のできる教師になっていったとき、授業は豊かになり、子どもたちも楽しんで授業に参加し、自分をつくり出していくことを痛感していたからである。
 また、教師は職員室の炉燵で教材研究をした。職員室へは、いつでも誰が、いまやっている教材を持ち込んでくる。するとそこにいたものが自由に集まり、その教材をどう解釈し、どのように授業していったらよいか、またどこに授業の失敗があったなど話し合われる。教師はそれを持ってまたつぎの授業にのぞむ。そのために校長はいつでも時間があけられるようにしている。
(
斎藤 喜博:1911年~1981年、1952年に島小学校校長となり11年間島小教育を実践し、全国から一万人近い人々が参観した。子どもの可能性を引き出す学校づくりを教師集団とともに実践した。昭和を代表する教育実践者)

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