学級崩壊のクラスを一喝して静にさせた
授業が始まっても勝手なことばかりをしている子どもたちを前にして、ただオロオロとうろたえている教師が少なくない。
言うべきことをピシッと言って、静に席に着かせられないことが問題である。本気で生徒と向き合えば、それは決して難しいことではないと私は思う。
私自身、小学校の総合学習の時間にゲストとして呼ばれて、授業をやった経験がある。教室の中は「崩壊」した状態で、ほとんどの子どもが後ろを向いてペチャクチャとお喋りをしている。席についていない子も何人もいた。担任の先生に「では義家先生、お願いします」と言われた途端、思い切り机を叩いて吠えた。
「てめえら、黙れッ! 今すぐ席に着け!」一発で、教室はシーンと静まりかえった。
「オレは今日、おまえらに会うために、一生懸命に準備をしてきた。良い授業をしようと思って、しっかりした心構えでここに立っている。もし、おまえらが徹夜で勉強して、みんなの前で何か発表するとき、誰も聞いてなかったらどう思う?」
とりわけ落ち着きのなかった男の子にそう問いかけると、「悲しいです」と答えた。
「そうだろ? オレだって同じだ。さっき、おまえらが騒いでいたとき、オレがどれぐらい悲しかったかわかるか? わかるなら、最後までしっかり聞いてくれよ」
これで、授業は最後まで落ち着いた雰囲気の中で行われた。
別に私は、自分のやり方だけが子どもに言うことを聞かせる方法だとは思っていない。私は直球しか投げられないタイプだから、相手が小学生だろうが高校生だろうが同じように吠えるというだけのことで、教師によってやり方はいろいろだろう。
大切なのは、どういうやり方であれ、教師が本気で話せば、子どもたちはこちらの言うことを理解するということだ。
ただ「黙って席に着け」と命じるだけでなく、「立場が逆だったらどう思うか」と自分の身に置き換えさせて考えさせれば、なぜ静にしなければいけないのかは子どもにもわかる。そういう動機付けをしっかりすることが大事なのだ。
(義家弘介:1971年生まれ 中学生で不良と呼ばれ高校中退し家から絶縁される。里親の元で大学を卒業し、塾講師、高校教師になり、ドラマ化され評判となる。横浜市教育委員を経て国会議員)
(ヤンキー先生の教育改革 義家弘介著、幻冬舎、2005 )
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