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いじめ被害者の子どもの指導 

 いじめの被害を受けた子どもを指導するときの注意点。
(1)
相談に来たことをねぎらう
 いじめられていることを打ち明けることは勇気がいることです。被害者の子どもをねぎらい受け入れるようにします。
(2)
被害者のつらさや不安感に耳を傾ける
 いじめ被害者はつらい胸の内を言葉にできず、いじめられる自分はダメな人間だと自己否定的になりがちです。誰でもそのようなめにあったときは、つらいし苦しいと感じるものである、と伝えることが大切です。
 子どもの苦しみを汲んで「つらかったね」「悔しかっただろう」と被害者の子どもの感情を言葉で表現しながら、受けとめていきます。
(3)
いじめの事実関係を調べることを優先としない
 いじめの事実関係を正しく把握しようと、話をさえぎったり、何度も質問するようなことがないよう注意します。
(4)
子どもの身の安全を確保する
 いじめ被害を受けた子どもの身の安全を確保することは急務です。困ったときはいつでも保健室や相談室に来るよう伝えます。身の危険を感じるほどのいじめの場合は学校を一時休ませたり、教育相談所などの専門機関に相談する必要があります。
(5)
被害者本人の希望を確認する
 被害にあった子どもの安全が確保できたら、何をしてもらいたいか確認します。たとえば、いじめの事実を知ってもらうだけでよいのか、見回ってほしいのか、加害者やクラスに働きかけてほしいかなどを聴きます。
 いじめ被害者の子どもはいじめがエスカレートすることを一番恐れています。そうした気持ちを大事して、いつどのような対応するか、被害者の子どもと一緒に考えていきましょう。
(6)
安心できる人間関係をつくる
 家族に自分の気持ちを話せる。教師は自分の置かれている状況を理解してくれる。信じることのできる友だちがある。このように、自分の周りに誰かがいることで、人は孤立した状況から抜け出し前進することができるものです。
 「いつでも力になる」ことを伝えて、心のよりどころなにるような安心できる人間関係を構築することが大切です。
(7)
心のケアは腰をすえて長期間にサポートする
 カウンセリングを受けることによって、自分の気持ちを受けとめてもらえると感じた子どもは、徐々に気持ちが安定し、いじめについて問題を整理していくゆとりが生まれます。
 心の問題の解決には長い時間がかかります。いじめで、対人不安・恐怖になるなど人との関わりを避けるようになることがあります。
 いじめが終わった後も心身、人間関係、学習面のチェックなど長期的なフォローを行うようにしましょう。体を使った遊びは心のケアにとても有効です。遊びの中で表情が豊かになり、活発さが増してきます。人とのかかわる楽しい経験はとても大きな治療的効果となります。
(8)
いじめに負けない能力を訓練し引き出す
 元気がでてきたら、自己表現力や問題解決力、自己コントロール力を身につけるための訓練をするとよいでしょう。
 1)
自己表現力
 
嫌なことを断ったり、気持ちを上手に伝える、など自分の気持ちや考え、意志などを伝える能力です。
 実際の場面を想定したロールプレイなどを通して練習します。相手の顔を見て話す、にこやかに話すなど言葉以外の表現も大切です。
 2)
問題解決力
 つらくなったら保健室にいく、相手から離れて教師のところへ行くなど、困難な場面や出来事への対処能力です。
 この能力は「何が問題だったか」「どうすればいいと思う」など投げかけを行い、自分で問題を解決する能力が身につくように指導します。
 3)
自己コントロール力
 嫌なことを我慢したり、耐える、待つなど、不快なことや苦手なことを克服するための能力です。そうした力を発揮した際には「よく我慢できたね」などとしっかりほめることが大切です。
(
加藤陽子:十文字学園女子大学准教授。専門は臨床心理学・学校カウンセリング)

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