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優れた授業のポイントとは何か

 優れた授業のポイントとは何か。
(1)
授業づくりの順序を変えている
 ほとんどの教師は、目標を書き、展開を考えて指導案を書く。ところが優れた授業は、一番やりたいことを、こんな教材をこのように提示すれば子どもが熱中するということを念頭に置き、その後でその展開にふさわしい目標を書くようにしている。子どもにマッチした授業ができ、かたい目標にとらわれず、おもしろい授業ができるようになる。
(2)
教材が優れている
 「材料七分に、腕三分」と言われるように、授業の良し悪しは、教材が七分をしめている。よい魚が入手できれば、おいしい料理はできたも同然である。
(3)
資料の収集・作成・提示のしかたを工夫している
 すぐれた授業は、おもしろい情報を集め、それをユニークな資料にまとめている。身近なことから、広い世界が見えるものが、資料(教材)としてよいのである。
(4)
発問・指示が鮮明でわかりやすい
 よい発問・指示には、
 1 子どもがよく反応し、多様なおもしろい考えを出してくる。
 2 声なのに、よく見える。
 大事なことは、発問・指示はまねることができることである。追試が可能なのである。しかし、教材研究をしないと追試はできない。
(5)
発問・指示を中心とした対応の技術が優れている
 授業の善し悪しは発問・指示を中心とした対応の技術で決まるといってよい。それほど大切なものなのである。私は、タレントでは明石家さんまが対応の技術の第一人者だとおもって感心して学んでいる。
(6)
板書のしかたが優れている
 板書には、授業のねらい、内容、方法、子どもと教師の学力といったものが、はっきりした形であらわれる。また、教師の教育観や人格ようなものも表れる。
(7)
話し合いのしかたが優れている
 授業がうまいということは、話し合いのしかたがうまいと言いかえてもよいくらいである。
 1 話題が鮮明である
 2 子どもたちの話題についてズレがあり、このズレをうめて、新しい考えを創り出す作業が話し合いのポイントである。話し合いは弁証法なのである。
 3 共通基盤がある
(8)
教師の話術・表情・パフォーマンスが優れている
 すぐれた教師は、話し方がうまく、いつも笑顔である。表情がやわらかく、子どもたちを包み込むような雰囲気をもっている。ここぞというときに、おもしろいパフォーマンスを行う。これで、子どもがわき、子どもを引きつけている。
(9)
教室があたたかく、子どもも教師も明るくおもしろい
 教師が明るくおもしろければ、子どもも自然にそうなり、教室があたたかい。
(10)
子どもと教師の間合いがピッタリである
 教師は子どもに合わせなくてはらないのだ。プロとしてサービス業として、そうしなければならない。合わせながら、ゆっくり教師のペースにもっていくことだ。急がないことが大事だ。多くの教師は急いで失敗している。
(11)
教師にやさしさと厳しさがある
 基本的にはやさしいのである。しかし、子どもの度がすぎた行いや言葉づかいには、きびしく注意している。子どもたちは納得している。
(12)
授業全体にゆとり(ユーモア)がある
 授業は、ゆったりとやり、じっくりと子どもたちの力をつけ、人格をみがきながら行うことが大切である。
 教師は明るく、おもしろく、話していても楽しい。授業は教師の人格がにじみでて、ユーモアを解している。子どもの理解のスピードに合わせて「これだけは」という基礎基本を教えている。
(13)
授業は布石の連続になっている
 授業で今していることが、次の授業の布石になっている。子どもたちがまったく気づかないうちに、きちんと前のことを生かしながら、今のことをやっているのである。
 しかし、導入は小単元くらいの一番おいしいところから導入することだ。日常は論理的にやっていおき、それを破るところにおもしろさが出るのである。
(14)
思考の作戦基地としてのノートの使い方が優れている
 ノートに書かせてから発言するなど、ノートを大切に扱っている。ノートをするということは、体を通し、体験することである。だからこそ、理解がよくなり、学力もつくのだ。
(15)
学習スキル(学習技能)を鍛えている
 学習技能は体で覚えているので残る、このことが大切である。最も大切なことは、子どもたちに学習技能を鍛えるということを意識させないことである。子どもたちが楽しみながら、辞典や事典、地図帳などを使って調べるようにすることである。そして、調べたことは必ずノートするようにしつけることである。
 学習技能は基礎学力である。だから応用がきくのである。
(有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し授業の名人といわれている)


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