学級内でいじめが発覚したときどうすればよいか
いじめ指導の鉄則は「被害者支援を最優先する」ことです。
「絶対に守る」との強い姿勢と「つらい気持ちを受け止める」温かい心が何よりも大切です。傷ついた心を癒すのは担任の真剣なかかわりです。
帰宅後に電話でその日の様子を尋ねたり、休み時間に教師がパトロールするなど「目に見える具体的な対応」を行う必要があります。
保護者との緊密な連携や校内での組織的取り組みを通して、早期解決をめざす必要があります。
いじめの構造(被害者と加害グループとの関係、周囲の子どもの様子等)が把握できたら、その中のキーパーソン(問題解決に重要な役割を果たすと考えられる子ども)と面接します。
いじめの非に気づかせようと、いきなり叱責したのでは元も子もありません。穏やかな口調で、いじめに苦しむ子のことを告げ、いじめの原因について聞き出します。
キーパーソンとの関係が培われたら、いじめグループのグループ面接を行います。最終的には被害者を交えた話し合いをもつことになりますが、タイミングはベテランの教師に相談するとよいでしょう。
ロール・レタリング(加害者が被害者の立場になって、自分自身に手紙を書き、投函して、届けられてからその手紙を読むことによって、自分自身を客観的に眺めようという技法である)等の手法を取り入れたりすると効果的です。
いじめで学校が責任を問われるのは、子どもの心身の安全を守る「安全保持義務」の違反が大半を占めます。
その他に「いじめの本質の解明」「結果の予見」「問題の防止」「保護者への報告」「保護者との連携」等の義務違反を問われることがあります。
(嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都公立中学校教師、指導主事、校長を経て神田外語大学教授、日本学校教育相談学会会長)
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