学級崩壊末期は教師チームで対応する(3)
学級を三つに分けて、三人の教師によって進められます。
具体的な取り組みは、次のようにします。
1 個人単位でできる取り組みをさせる
1)ルールの確立
(1)授業は講義形式の一斉授業を少なくし、個人的に作業できる、書き込み式のプリントやドリルを中心にする。
(2)係り活動は一人一役を割り当てる
(3)学習や係り活動の評価は、教師が一人ひとりをチェックし、プラス面をほめる。
(4)帰りの会で再契約の内容を点検する。
2)ふれあいのある人間関係の確立
(1)教師と子ども一人ひとりの人間関係の形成に努める
(2)教師と子ども一人ひとりをつなぐ交換日記などの心のパイプをつくる。
(3)簡単なルールで、個人単位で参加できるゲームなどを定期的に行う。
このような取り組みを2週間続け、子どもたちの様子を三人の教師が話し合い、落ち着いてきたのが確認できたら、次のステップに進みます。もう少し必要な場合は、あと1週間継続します。
2 2日に1回の割合で、学級全員でゲームや遊びを実施します
単純にみんなで遊ぶと楽しいという体験をさせることが大事です。これを2週間続け、大きなトラブルもなく展開できるようになったら、次に進みます。
3 1日に1回の割合で、学級全員で
(1)班ごとの調べ学習を図書館でやる
(2)各グループの学習発表会などの協同学習を行う
(3)学校行事にグループ単位で取り組む
という協同作業を取り入れていくのです。これも2週間続けます。
4 学級全員でともに生活をさせる
教師チームの二人も入って、TTを行います。そして、子どもたちが三人の教師が同じように対応しているのを見て、担任教師だけがムカツクことを言っているのではないと感じて、担任教師への不満が軽減していくのです。
そして、担任教師を中心とした学級生活が動き出したら、TTの教師は除々に学級から手をひいていくわけです。
ここまでで、早くて約2か月かかります。根気強い対応が必要なのです。
私の調査によると、学級崩壊末期の学級が出現するのは、11月と2月がとても多いのです。
したがって、11月に崩壊した学級では、学級崩壊末期の再生プランを参考に計画を立てることを進めます。
そして2月に崩壊した学級では、再生プランのどこまでを実施するのかを定め、次年度のクラス分けの有無などを考慮して柔軟に対応します。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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