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算数:子どもの問いで創る授業 

 私は多くの学校の算数の授業を参観させていただいている。算数の授業は大きく分けると3つに分類できると考える。「教師の説明型」、「問題解決型」、「子どもの問い型」の授業の3つである。 私が参観した授業で最も多かったのが「問題解決型」授業である。「教師の説明型」授業は少なかった。
 私も、教師生活6年目までは、「問題解決型」授業こそが、算数の授業であると思い込んでいた。しかし、筑波大学附属小学校の夏坂哲志先生の「正5/2角形」の授業を参観させていただいたとき、強烈な衝撃を受けたのである。「子どもたちがどうしてこんなに生き生きと議論するのだろう?」と思った。
 「型」を守る算数の授業は、どうしても子どもを型にはめ込んでいってしまい、子どもの自由を奪ってしまうと私は思うのである。1年生を担任すると、それを痛切に感じる。1年生の子どもたちには、問題解決の「型」など存在しない。自分の考え、疑問を素直に表してくる。考えたいときには考え、興味を抱かないことについては、そっぽを向く。友だちが面白いことを話し始めると、真剣に耳を傾ける。わかったときには、満面の笑みを浮かべる。
 自分流の算数授業を創るためには、教師の熱い思いがなければできない。自分の授業観、自分の価値観を見つめ直し、目の前の子どもたちと常に正対し続けようとする教師の生き方そのものへの挑戦であると思う。
 「問い」で創る算数の授業では、子どもは教師の前をたくましく歩み始める。何も発問をしていないのに「先生、見つけたよ!」「先生、もしも○○だったらどうなるのかな」と、自ら問いをもって、追究し続けようとする。そのような子どもたちが、みんなで智恵を出し合いながら、算数の本質を貫く「話し合い活動」により、よりよい数理を創造していく。
 子どもの「問い」で創る算数の授業へ転換しようとするとき、確かに子どもの言葉に右往左往する時期がある。板書がめちゃくちゃになる時期がある。
 しかし、その時期は決して無駄な時期ではない。なぜなら、教師が子どもに寄り添った分、子どもは意欲的に算数にかかわろうとするようになるし、素直に算数を学ぼうとするようになるからである。
 そして実は、そのような授業のほうが、数学的に考える力や、友だちとともに生きる力が身につくと私は確信している。
(小松信哉:1967年生まれ 福島県公立・福島大学附属小学校、教師を経て、福島県公立小学校教頭。全国算数授業研究会全国理事、平成20年度文部科学大臣優秀教員として表彰される)


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