元気で仲の良いクラスにする簡単で効果抜群の「宝物ファイル」
私が2000年に出会ったもの。それは宝物ファイルでした。
宝物ファイルとは
「自分のマイナス探しではなく、プラスを見い出し、それに関する様々なものを宝物ファイル(クリアファイル)に綴じていくと、自分の存在や日々を受け入れ、『自信』を感じる気持ちにさせてくれる素晴らしい効果をもつ」
「ファイルに入れるものは、『自分の大切なもの』を入れればいい。夢や目標を書いたもの、絵などの作品や賞状、良い点をとったテストなど、自分や友だち、家族に書いてもらった自分のよいところや手紙やメッセージ、自分や友だち・家族の写真、好きなキャラクターやカードなど・・・・・」
私はそれを読んだ瞬間、手にビリビリッと電気が走ったような衝撃を感じました。これだ! これを使えば、私が子どもたちに長年、願ってきたこと「自分のよさを認め、自分に自信を持ち、自分のことを大好きになること(自己肯定感を育てること)が形として残せる!」と。
自己肯定感を育てる「宝物ファイル」の実践を始めて、もう10年以上が経ちました。この実践は、教育現場で、子どもたちの人生をさまざまに良い方向へと変えるきっかけとなっています。
なにより、この実践を続けてきた自分が実感するのは「宝物ファイル」づくりによって、クラスがまとまり、子どもたちの人間関係がとても良くなるということです。
クラスをもっと元気にしたい! 仲の良いクラスにしたい! そんな先生にはぜひおすすめしたい実践です。
「宝物ファイル」は、とてもカンタンな方法です。
100円ショップでファイルをひとつ用意して、自分の目標や夢や願い、自分のいいところを書いて、ファイルに入れていきます。
自分の宝物や好きな物、作品なども入れていきます。大事な自分の宝物のファイルを作っていくイメージです。
友だち同士でお互いのいいところを付箋に書いて渡し合ったり、教師や家族が子どもの良いところを書いた紙を渡したり、そういった物もフアイルに入れていきます。
そうすると、子どもにとって「このファイルを見ると、がんばれる」という心のよりどころができあがっていくのです。それは世界にたった一つしかない自分だけの『一生の宝物』です」
実践を始めると、子どもたちに変化が生まれてきます。クラスの子が次第に仲良くなり笑顔が増えていく。自分を好きになった子どもたちが驚くほど成長していく。保護者が涙を流して喜ばれる。それは本当にうれしくて、ワクワクする経験でした。
この実践で自分自身が救われました。以前は子どもたちの欠点ばかりが目についていました。でも、この実践を始めてからは、子どもたちの長所に意識が向くようになりました。たとえ叱っているときでも、その子に絶望するのではなく希望が見えるようになったのです。
人間は希望があれば救われます。前にも進めます。この宝物ファイルの取り組みによって一番救われたのは私自身でした。
(岩堀美雪:福井県公立小学校教師。簡単なのに効果抜群な手法が話題となり講演の依頼が相次いでいる。読売教育賞最優秀賞受賞)
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