社会科(小学校4年):くらしの中で使われている水
くらしの中で使われている水の授業を鈴木宏紀はつぎのようにおこなっている。
単元の導入にあたり、子どもたちは、学校内にある水道の蛇口調べの活動、「京都市内の水道の給水量、給水人口の変化」のグラフを読みとる活動などを行い、自分たちが「どこで、どのように水を使っているのか」「どれくらいの量の水を使っているのか」という問題意識を高めていく。
また、「その水が、どこから、どのようにして自分たちのところに来ているのか」を予想し、資料で確かめる。その結果、びわ湖の水が配水管を通って蛇口までたどり着くという事実に出合う。
次に、自分たちが飲んでいる水の水源となるびわ湖の水を観察し、それが水道水に比べて濁っていること、ごみや虫が含まれていること、匂いがすることなどを発見し、「びわ湖の汚れた水を飲めるようにするには、どうすればよいか」という問題意識をもち始める。
この問題意識をさらに深めていくために、教師は「ろ過実験」を提案する。
子どもはその実験をとおして、ろ過した後の水が
「見た目では飲料水と変わらないほどきれいになること」
「きれいになったはずの水が、そのままでは飲む気持ちなれないこと」
などを実感する。
そしてさらに「新山科浄水場では、どうやってみんなが安全に飲める飲料水にしているのだろうか」という深まった疑問をもち、「消毒やにおい、目に見えないごみなどをどのように取り除いていくのか」など、浄水場見学の視点を明らかにしていくのである。
(鈴木宏紀:京都市公立小学校教師。京都市教育委員会から教育実践で表彰を受ける)
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