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教師に求められている教師力

 教師力を能力習得の難しさで三段階にランク分けしました。日ごろの仕事について、教師に求められている力を分かりやすく分類しています。
(1)
第一段階「モラル・生活力」
 モラルと生活力が教師の土台となるのは、当然でしょう。
(2)
第二段階「指導力・事務力」
 以前は指導力と事務力の割合が九対一でしたが、今は五分五分という感じでしょうか。事務に追われ、子供たちと向き合えないことに悩む教師が多いという実態も、ここに要因があるのです。
 指導力は、悪いことは悪いと生徒にしっかりと伝える「父性型」、悩んでいる生徒を包み込む「母性型」、生徒と一緒に楽しむことができる「友人型」に分けられます。この型を時と場合によって使い分ける能力が必要です。批判の多くも、この部分に集中している感じがします。
 見落とされているのが「事務力」です。成績処理や進路事務などには高い「緻密(ちみつ)性」が求められ、新たな授業法を開発する「研究力」も必要です。複雑な時間割作りや年間計画の策定など、教育課程の編成にかかわる「教務力」も不可欠です。
(3)
第三段階「先見性・創造性」
 いじめや不登校などの問題が起これば、教師や学校は『予兆がとらえられなかったのか』と責められます。行事などでは生徒の多くが活躍する、華のある運営が求められ、学校改革では、最新のデータを用いて学校独自の特色も創造しなければなりません。
 求められる能力は、多種多様ですので、そこで私が強調したいのは、一人の人間がすべての能力を持つのは無理だということです。
 私は今、中学三年の学年主任と担任、運動クラブの顧問をしています。指導力では『父性型』と『友人型』を使い分けていますが、『母性型』は持っていないため、同じ学年の同僚教師の力を借りています。また、主任として、若手の学級運営に対する目配せを強く意識しています。
 三年前に勤務校に赴任して以降、学校・学年単位で教師が互いの長所と短所を理解し、カバーし合うことを念頭に置いてきました。
 保護者会の機会を多く持つなど家庭と緊密に情報交換し、初期段階の対応に腐心しました。これらの相乗効果で学校の運営は安定し、今はクレームを受けることがほとんどなくなりました。
 学級崩壊にしてもいじめにしても、対応が担任まかせになったり、担任自体が問題を抱え込むケースがいまだに多いように思います。
 個々の力を向上させるのはもちろんですが、いかにチーム力を発揮する環境を整えるか。その視点が、今後ますます重要になっていくと思います。
(堀 裕嗣:1966年生まれ、札幌市立中学の国語科教員、国語教育研究サークル「研究集団ことのは」を設立、「教師力ブラッシュアップセミナー」の代表)

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