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国語科:国語の教師として備えるべきものはなにか

 国語という教科は、ことばでことばを教える教科だから、指導者としては次の条件を備えなければならない。
1 ことばを理解し表現し豊かな言語感覚を持っている言語行動者でなければならない。
2 教室は、学習者が指導者と教材を媒体にしてさまざまな関係を結びながら学習活動を営む場だから、絶えず状況をとらえ、新たな状況を創り出す創造者でなければならない。
3 授業の質を高めるうえにも、指導者としての能力を備えなければならない。
その能力を次のように規定してみた。
(1)
気力
 授業を創造していくエネルギー。本気・やる気・気配り・根気・勇気
(2)
体力・精神力
 健康な精神と肉体
(3)
知識力
 指導者としての言葉の力(言葉を理解し表現する力、豊かな言語感覚)
(4)
識見
 確かな見通しをたてるための基礎となっている知識。ものごとの道理をわきまえ、筋道だてて考え、判断し処理していく力。高い見識
(5)
度量
 広い度量。正邪を判断し、美醜を見分け、どこでとどまるべきか(言うべきか言わざるべきか)を見きわめる行動基準
(6)
技術
 狭義には授業の技術だが、動かしていく技術
(7)
品格
 学習者である子どもたちを暗黙のうちに感化させ、納得させる人間的魅力
 この7つの格を備えた総体が指導者である。その姿が学習者である子どもたちの目に映り、言語環境を作りあげ、学習全体に作用して子どもたちを育てあげる。それがプラスにもマイナスにも作用するから、指導者たる者、精進怠るべからずである。
(安居総子:1933年生まれ、35年間中学校国語教師、岐阜大学教授、大正大学教授を経て、学習者側に立つ国語教室の運営を通し、国語教育実践理論の研究を進めている)

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