モンスターペアレントを生みださないためにはどのようにすればよいか
モンスターペアレントを生みださないためには、担任と保護者の関係を改善することが必要である。そのためには、話し合いの場を積極的につくっていくことである。
まずは学年の始まりに個人面談をする。親ときちんと、どういう風に子どもを育ててゆきたいか、家庭で今心配していること、親としてめざしていること、学校に期待していることをじっくりと話し合う。
そしてできれば、家庭での目標を具体的に絞り込んで決め、たとえば「忘れ物がないようにする」など、それを教師の側でも学校で気にかけるようにすると約束する。
当然、学校での目標も決める。短期的に達成できるものにし、保護者と共にどれだけ達成できたかを定期的に確認するため、できれば月一回、話し合いを行うようにする。
現在は、家庭の情報が少ないので保護者との関係は何がもとでトラブルになるかわからない関係になっているので、最初にできるかぎり家族の状況を聞いておく。
担任として保護者と協力し合いながら子どもを育ててゆくために知っておきたいと説明し、どんな叱り方をしているか、どんな性格の子どもか、家族関係はどうかといった家庭の雰囲気を聞ける範囲で聞く。
もちろん前の担任からの引き継ぎを丁寧に行っておくことも重要である。
また、できるだけ詳細に学校の様子を保護者に伝えるようにする。授業中の落ち着き、提出物、など、細かく子どもたちの様子を報告する。
盗難事件などの悪いところも知らせようにする。学級運営に常に関わってもらい、一緒に問題解決できるように協力を具体的にお願いする。たとえば、盗難事件が続けば、学校にお金を持ってこさせないでください。どうしてもお金をもってこなければならない理由があれば、担任に前日に連絡ください。などである。
このことで仲間意識を持ってもらい、モンスターペアレントを生まないように保護者との関係をつくってゆくのである。
もしかりに、ある保護者から「うちの子を特別扱いしろ」という要求が出された場合はどうするか。
担任だけで決めるのではなく、「大事なことですから私個人では決められません。特別扱いしたら他の子どもは変に思う。保護者たちの納得が必要である」と言って、保護者会で話し合いましょう、と提案すればよいのである。他の保護者がOKするはずがない。
(山脇 由貴子:1969年生まれ、東京都児童相談センターの児童心理司。年間100家族以上の相談や治療を受け持つ。国内外を問わず幅広く活躍。臨床現場の生の声を発信し続ける)
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