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叱るときは青筋立てて真っ赤になって怒れ、それが子どもの心に響くんです

 私たち教師の仕事は、今、クラスの一人ひとりと、どれだけ二人だけの関係を作れるかにかかっている。
 私は、クラス作りは担任と一人ひとりの子どもとの個別対応の時代になったと繰り返し主張している。私とその子との個別の関係をどれだけ作れるかにかかっている。その意味で、大変な時代になっているとも言える。
 昔なら全体への働きかけだけで十分だったのである。それだけで、一人ひとりを変えていくことはできたのである。
 今は、全体への働きかけは、ほとんど子どもたちの心へ届かない。私たちの言葉は、ほとんど子どもたちの頭の上を通過していくだけである。このことに、私たち教師は自覚的でなくてはならない。
 最近、うまくいっていないクラスが多く先生たちが悪戦苦闘している。
 どの先生からも聞かれる共通した問題点がある。それは、クラスにいる「やんちゃ」な子どもにさんざんクラスをかき回されて手を焼いていることである。この「やんちゃ」な子どもたちとの闘いが、うまく進んでいないのである。
 静かにきちんと叱ることで分かってくれる子どもたちもいる。現実には、その子どもたちは多い。
 だが、「叱る」程度のことでまったく意に介さない子どもたちもいる。この子どもたちは、口先だけの叱り言など屁とも思っていない。学級崩壊の中心人物達であるやんちゃな子どもは、そういう子どもである。この子たちに、口先だけの叱り言など通用するはずはない。
 しかし、実際は、ほとんどの教師は、どの子どもに対しても静かに叱るようにしている。感情むき出しで、怒るなんて、教師としてはとんでもないことだと指導されているからである。
 教師たちの多くは、まったく今の現実を見据えていない。戦場のような今の学校現場では、どのような方策と手立てを具体的に取っているかが問われる。
 叱るのではなく、怒らなければならないということです。「感情的になるのはよくない」と思っている教師がいるかもしれないが、私はそういう迫力は必要なのだと思います。
 今の時代の子どもを「叱る」だけで指導できるなんて、子どもはそんなに甘いものではない。子どもを見くびってはいけない。子どもは、教師がどのように反応するかというのをいつも注意深く見ている。あなたの反応で、どうにでも子どもは行動を変えていく。甘いと感じたら「やんちゃ」な子どもたちを中心に一気にやりたい放題、言いたい放題になる。叱れない先生は、教師を続けていくことは難しい。
 今は昔に比べて教師は子どもと深く関われないことも多くなってきました。でもそんな時代だからこそ、教師が子どもたちに気持ちでぶつかっていくことも時として必要なのだ。
 教師は、このようなわけのわからない「やんちゃ」たちと闘った経験が少ない。闘いの経験も、「やんちゃ」たちが上回っている。闘いなれているので、いいように引き回される。
 大学で学んだことも何の役に立たない。子どもは「個性を大事にしよう、叱らないでしつけよう」などと、教えられた言葉も、空々しく響く。そんなものは、まったく通用しない。
 「やんちゃ」たちは、教師の足元を見ている。教師がどのように自分たちに出てくるか様子を見ている。時々、挑発して様子をうかがう。
 教師は子どもたちが悪いことをしたときは、きちんと叱れないとだめだ。「子どもたちは、誉めて育てなければいけない」というのが頭にあるから、一生懸命に指導しようとするが、効果はないはずである。
 私がいつも言っているのは、叱るときは感情をむき出しにして、怒れということです。
 そうすると子どもは、「この先生は、本気になって怒っているな」と意識します。すると効くんです。ですから、まさに青筋立てて真っ赤になって怒れと。それが心に響くんです。
 それを、こんこんと諭すなんて、血が通っていません。私は怒ります。まさに怒りながら叱ります。感情を入れてください。感情のない教育は教育ではありません。
 子どもたちは叱られることで「やっていいこと」と「やってはいけないこと」を区別する、自己抑制する力が身についてくるのである。
 叱るとき注意しなければならないことは、叱ることを常用しない。だらだらと叱らないで、叱るときは終わりと宣言した方がいい。
 それと、心しておかなければならないことは、叱ることはあくまでも対症療法的な効果しかない。子どもが育つのは「認められたとき」や「ほめられたとき」である。これを忘れてはならない。
(
野中信行:1947年生まれ、元横浜市立公立小学校教師、学級組織論を研究、実践を私家版で発行した。全国各地で教師向けの講座やセミナーを行っている)


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