子どもは笑わせるにかぎる
笑わない学級は、学級崩壊の温床だ。さわやかに笑えれば、学級のすべてはよい方向に向かう。
ネアカな教師、ときにはピエロになれる教師を子どもたちは大好きなのだ。
例えば、何か指示を出したときに、子どもたちが「え~っ~」と少し不満を訴えた。どの教室でもよくあることである。
私はこういうときに、よく「はいはい。AとかBとか言わないんだよ~」と返した。子どもたちから「じゃ、C!」などと笑顔で返ってくれば、もう不満は解消している。
また、母親に連れられて学校の玄関までやってきた不登校傾向の子に「大丈夫だ。笑えば治る。今日は先生が百回笑わせてやる」と言い、その場でいきなりその子をくすぐった。思わず身をよじって「助けて!」と笑ったので「はい、助けましたあ!」と手を放し、すかさず「二回目!」こうして玄関だけで十回笑わせて、母親と別れて教室へ。
その日は、とにかくその子をくすぐった。そのうち、私がその子の方を見るだけで笑うようになった。周りの子もそんな様子に笑った。お調子者の子が、私の真似をしてその子に迫る。それでも笑った。お昼頃には、私がその子の名前をつぶやくだけで学級中が爆笑に包まれるようになった。
その子はその後はずっと休まなかった。
またある時は、一人の子どもが発表しているとき、突然両手を広げて「待て!」と阻止した。発表する子はもちろん、他の子どもたちも何事かと私に注目する。
私は広げた手をゆっくりと上げていく。顔もゆっくりと上げていき・・・、「ウワーックショイ!」とくしゃみをした。一瞬後に教室は大爆笑。「いやあ、ごめんごめん。さあ、続きをどうぞ!」と続ける。
こんなくだらないことでも、笑いのない教室よりはずっとよい。
(横藤雅人:1955年北海道生まれ、札幌市立小学校校長を経て北海道教育大学招聘教授)
| 固定リンク
「学級づくり」カテゴリの記事
- よりよい学級づくりのために集団活動に必要な力を育てる 椙田崇晴(2021.08.16)
- 朝の会や帰りの会で集中しないときどうすればよいか 重水健介(2021.07.18)
- 大変な学級を受け持つときは、目に見える形で、短期間で子どもたちを変えていかなければ認められない 中野やす子(2021.04.16)
- 学級づくりの目的は、子どもたちが群れからチームになること 赤坂真二(2021.04.08)
- 学級づくりの基本は「ルールが守られ、あたたかい触れ合いのある学級」、どうすればよいか(2021.04.06)
「教師と子どもの関係づくり」カテゴリの記事
- なめられる教師となめられない教師はどこが違うか、教師が心がけたいこととは 桶谷 守(2021.06.10)
- 教師の遊び心が子どもとの距離を縮める 斎藤 修・篠崎純子(2021.06.02)
- 子どもたちと人間関係が築けない教師の要因とその改善方法 山口菜穂子(2021.05.26)
- 教師が子どもから信頼されるには、どのように接すればよいか 関根正明(2021.05.19)
- 生徒と信頼関係をつくるうえで大事なことはなにか 杉田雄二(2021.04.24)
「学級崩壊」カテゴリの記事
- 学級崩壊はどのようにして起きるか、その実態と解決に役立つものとは 大塚美和子(2021.07.06)
- 学級崩壊を防ぐには何が大切か?(2021.03.01)
- 学級崩壊を起こす教師、起こさない教師とは(2020.07.16)
- 学級崩壊になったクラスを何回か任されて分かった学級が崩れる要因と、対応の「ツボ」とは(2020.03.27)
- 学級の崩壊の前兆を見逃さず、学級を立て直すには、どうすればよいか(2020.01.11)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント