教師仲間と語り合うことで支え合い、教師としての自覚と喜びを
現在、学校現場で教職に従事することは、かなり厳しい時代になってきました。日々の教育実践に取り組む喜びや手応え、やりがいを感じられなくなり、退職していく教師も少なくありません。ストレスの増大ややりがい感の低下は、教師の心の健康度を低下させ、それが教育実践にマイナスの影響を与えます。
実践における迷い、子どもや保護者の対応における悩みなどは、多くの教師たちが必ずもっているものです。それを教師仲間と語り合うことで、悩んでいるのは自分だけではないんだという気持ちになり、ふさぎ込んでいた心が浄化されます。
人間は、周りから認めてもらいたいという思いがあります。日々、取り組んだ後には、必ず同僚同士で互いの努力を、言葉にして認め合うことが必要です。
多忙なとき、ストレスが多いときこそ行うようにします。教師仲間の支え合いが、教師としての自覚と喜びを、喚起してくれるのだと思います。
目の前の問題に対しても、これまでと同じやり方を繰り返すのではなく、自分なりに新たな方法で取り組んでみようという意欲がでてくるものです。自ら、やりがい感が実感できる取り組みを意識的に行うことが切に求められるのです。
やりがいのある取り組みを意識的に行うためには、
(1) 目の前の問題を冷静に把握し
(2)多面的に原因を整理して、その影響の大きさに順位をつけ
(3)それに対応する方法を複数の中から最善な対処法を探し
(4)与えられた条件の中で、丁寧に対応を展開し
(5)その結果を検討して、次のよりよい対応に繋げていく
というようにしてみてはいかがでしょうか。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)
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