親と教師が共に気持ちをよせて取り組むことができることは何か
私の子どもがまだ五歳のころ、不登校の生徒の親から突然「先生に親の気持ちがわかりますか」と言われた。
「偉そうな態度で、あんた、まだ親でもないのに」という思いがその親の態度にあらわれていた。どう返事をしたらよいのか、私も親だと伝えるべきか、親であることと子どもの不登校の相談と関係があるのか。
ここで下手な返事をしたらもう話をされないだろうなあと思ったが覚悟を決めて
「私の子どもはまだ保育園なで、高校生の親のお気持ちはわかってないんでしょうね。私の子どもが高校生の頃になったら少しはわかるようになるかもしれませんが・・・。今日はできるだけ子どもさんの側に立ってお話をしようと思います」と言った。
すると、その親は「ありがとうございます。子どものことを大事に思っていただいているんですね」と言われた。
私はその親の思いほどその生徒のことを大事に思っていたかといえば自信がない。でも、学校で教育活動に関わる大人が一番に気持ちをよせて「どうしたらよいか」を考えるのは「生徒」のことであり、その基準さえぶれなかったら誰とでも共に取り組むことができるということを、理屈だけでなく実感させていただいた体験であった。
(佐藤友子:元京都府公立高校養護教諭、2008年退職)
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