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あいさつのしかた、大切さを知らない教師

 ある校長の話である。
 今度の新採教師は、わたしが声をかけても、最初は返事もなかった。それで、「あいさつくらいしたらどうか」と話した。
 すると、この教師は、「どうしてあいさつしなくてはいけないのか? そんなの自由でしょ!」といったんですよ。校長は、「君は、教師の資格はない」とおこりましたよ。「全く驚くような人が教師になっていますね。人間性が全くダメですね」
 わたしが「おはようございます」と声をかけても、日によっては返事をし、日によっては返事もしない教師がいる。これは、三十歳代の教師である。こんな教師は、子どもにどんな対応をしているのだろうか。横柄な態度であろうことは想像に難くない。
 少なくとも、社会生活の基本であるあいさつくらいできるようになってもらいたい。それも、明るくて、声をかけられた方が気分がよくなるようなあいさつのしかたを身につけてほしい。
 ときどき鏡を見て、自分がいかにネクラな顔をしているか反省し、笑顔をつくるようにしてほしい。
 そうでないと、担任された子どもたちが、あまりにもかわいそうである。担任も子どもを選べないが、子どもたちだって担任を選べないのである。おたがいに運なのである。
 自分の健康のためにも、明るいあいさつのしかたを身につけてほしい。
 大きな声で子どもを叱ると、その声でますます興奮して激しく叱ることになる。これと同じように、大きくて明るい声であいさつすると、その声で自分の気持ちを引き立たせることになる。
 わたしは、大声であいさつすることによって自分の気分をもり上げ、明るくふるまえるように努力をしてきた。やればできるものだ。
(
有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し授業の名人といわれている)

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