教師の言葉は簡潔に、声に変化を
1 教師の言葉は簡潔に
下手な先生のしゃべり方の典型的なものは、だらだら長く、要点を絞らないで、しゃべっている言葉に終わりがない。
聞き手の頭の中で、句読点が打てないようなトークはいけない。分かろう分かろうとする生徒の思考を邪魔しているのである。
生徒の頭の中やノートに生徒自らまとめやすくしてやるためには、ワンセンテンスの簡潔性が大事だ。
生徒が「なにを言ってるのか分からない」とか「眠たくなる」のはセンテンスの簡潔性がないのが原因である。
家に帰って、親が「先生はどう、よく分かる」と聞かれて、子供が「よくわかるよ」と言わせることである。
少し改めるだけでまったく生徒の反応が変わる。先生は意図的に変える授業をしなければならない。
説得力のある授業は、歯切れのいい簡潔なセンテンスを丹念に、丁寧に積み重ねることだ。
2 教師の声は変化をつけるべきだ
発声で基本的に大事なことは、声が前に出ているかどうかである。
生まれつきの声質はしかたがないが、それを話すスピード、声の大小、声の強弱でカバーすべきである。塾にも、学校にもボイス・トレイニングを取り入れるべきだ。
メリハリのある授業にするには、声の大小・強弱・高低・スピードをうまく取り混ぜる訓練をすべきである。
生徒が授業中によく眠るのは、大いに教師側の声にある。大きな声を出していると眠らないのかと言うとそうではない。声の大小ではなく、変化のない一定した声で眠るのである。
(瀧山敏郎:小学校、中学校、高等学校(教頭)、大学講師、代々木ゼミナール、東進など有名予備校講師(英語)。予備校講師時代には爆発的な人気があり大教室で立ち見を出すこともあった。全国英語研究団体連合会理事を経て、教師アカデミー主宰)
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