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人と仲よくなれないとき、どうすればよいか

 あなたは、他人のいいところよりも欠点のほうが先に目についてしまうタイプなのでしょう。ひとたび他人の嫌なところを見つけると、その人が許せないと思ってしまう。
 そうしたあなたの気持ちは間違いなく相手にも伝わっているはずですから、相手だってあなたに好意的に接してはくれません。これでは悪循環の繰り返しで、心の許せる友人ができなくてもしょうがありませんね。
 人間というものは、相手が自分に好意を抱いていると感じると、好意でお返ししたくなるし、逆に悪意を抱いていると思うと、悪意でお返ししたくなる性質を持っているのです。
 だから、あなたは世間の人に対して、できるかぎり好き嫌いのハードルを下げて、これから生きていくようにしてください。あなたも私も、人間というものは欠点だらけの生き物です。
 あなたからすれば欠点にしか見えないことでも、他の人から見れば長所になることだってあります。あなたの「秤」の尺度がつねに正しいとは限らない。そのこともよく心に刻んでほしいと思います。
 相手のいいところ、長所だけを見るようにして、あえて欠点には目をつぶるようにしてください。そうしていけば、やがて相手もあなたのいいところを見つけてくれるはずです。
 あなたは繊細で、だからこそ相手の嫌なところも見えてしまうたちだったのでしょうが、その繊細さを今度は相手を思いやる方向に向けて使っていけば、きっと人間関係もがらりと変わっていくと思いますよ。
 自分だって、人から嫌われているかもしれないでしょう。でも、それを許されて生きているのです。人はみな許されて生きている。そのことも心に刻んでほしいと思います。
(
瀬戸内寂聴:1922年生まれ、26歳のときに家族を捨てて出奔、小説家を志す。73年に得度し、法名・寂聴となる。『花に問え』で谷崎潤一郎賞、『白道』で芸術選奨文部大臣賞。『源氏物語』の現代語訳を完成させる。文化勲章受章。現在は執筆活動のかたわら、天台寺、「ナルトサンガ」、寂庵(嵯峨野)などで法話を行なっている)

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