« グループやペアによる学びはどのようにすれば効果的にできるか | トップページ | 算数:子どもの問いで創る授業  »

笑いを授業に取り入れて学級崩壊にならないようにする

 「笑い」を授業に取り入れている中村健一は、突然かっぱの帽子をかぶって教室に現れた。
 中村「らっぱって知ってる?ってきいて?」
 児童「らっぱって知ってる?」
 中村「ああ、池で泳いでいて、頭の上に皿があって・・、それは俺か!・・・いまいちやったね」
 こんな駄洒落で始まったのは国語の授業。その内容は“ボケと突っ込みを考える”というテーマだった。実は5年生の国語に「会話を弾ませよう」という単元があり、ならばみんなで漫才をやってみようというのだ。
 中村先生が“笑い”を授業に取り入れた理由は、子どもたちのある“変化”に気づいたからだ。
 「どうも子どもらの安心感が無くなっていると気づいたんです。今の子は距離が遠くなっている。子ども同士も先生ともちょっと遠慮がちにみんなつきあっている。そこに笑いというものを入れることで、安心感を生み出せると僕らは考えています」
 中村先生たちは、同じ志を持つ教師が集まり「お笑い教師同盟」を結成。それぞれが教室で鍛えたネタをメールなどで教え合って授業力の向上に取り組んでいる。
 「批判はあるかもしれません。そもそも“授業が面白くなくてはいけないのか”という疑問は出てきますよね。でも感覚的だが、笑いの無い授業をやっていたら授業は崩壊して、成り立たないと思いますよ」
 笑い、ユーモア力が必要なのは学級崩壊を防ぐためというのが一番の理由です。笑いがないのが、崩壊学級の特徴ですからね。逆に言えば、みんなで笑えるクラスは崩壊していないということです。笑い、ユーモアは、学級崩壊を防ぐ有効なアイテムの1つだと思っています。
 崩壊学級にサポートに入り続けている教頭がある時、ボソッと言ったのです。「あのクラスもみんなで一緒にドッと笑える瞬間があると良いのだけど…」私には非常に重たい一言でした。確かに崩壊学級には、笑いがないですからね。
 
 有田先生がいらっしゃらなかったら、「日本の教育にユーモアを」なんて発想すらなかったかも知れません。有田先生は、ユーモア教育の元祖だと思います。一流と呼ばれる教師は、ユーモアの素養を持っているものです。一緒に話していても、面白いじゃないですか。また、そうでなければ、子どもたちもついてこないですよね。
 子どもたちは厳しい先生が嫌いではありません。厳しく叱って、教室に秩序をもたらしてくれる先生を望んでいます。しかし、厳しいだけではダメなのです。これからの教師は「片手に厳しさ、片手にユーモア」が必要ですね。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。「笑い」と「フォロー」をいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている)

|

« グループやペアによる学びはどのようにすれば効果的にできるか | トップページ | 算数:子どもの問いで創る授業  »

授業のさまざまな方法」カテゴリの記事

学級崩壊」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 笑いを授業に取り入れて学級崩壊にならないようにする:

« グループやペアによる学びはどのようにすれば効果的にできるか | トップページ | 算数:子どもの問いで創る授業  »