教師の話は長く、くり返しと言いわけが多く、なかなか詫びない
「教師の話は長くて」と、世間でいわれています。端的な話し方が大事だし、メモでいいから原稿をつくればいいのです。
また、「教師の話には、くり返しが多くて」と、保護者の集まりの日の帰りに話題となることもあるようです。相手によって、話の切り換えが必要なのだろうと思います。
教師の話には「実はこうしようと思っていたのですが・・・・・」「子どもたちが、こうしたらと言うものですから・・・・・」と、聞く人に言い訳ばかりと受けとられそうな話し方はないでしょうか。
ところで、きちんと詫びれば一件落着することも、なかなか詫びることのできない人がいます。詫びれば落着するだろうという状況が読めないのだと思います。こうしたタイプの教師が職員室にはいないでしょうか。教師は自分の失敗を認めたがらないと、しばしば指摘されています。これはどうしてでしょうか。
詫びることは、非を認めることと思い込んでしまっているのでしょうか。非を認めれば、責任問題が浮上すると、教師は考え込んでいるのでしょうか。
この際、釈明することはきちんと釈明し、詫びることははっきりと詫びるようにしたらどうでしょうか。もちろん、言葉は選ばなければならないし、相手の心に響くような詫びを、きちんとしなければなりません。
この世の中、人はだれでも物事がゆきとどかないことや、注意がゆきわたらないことがあります。大事なことは、詫びなければならないことかどうかを、きちんと判断することでしょう。
もしかすると、教師は学校で過ごすことが多いので、そうしたことに不慣れなのだろうと思います。不慣れであることを自覚することだって、としても大事なことではありませんか。自覚しているかどうかが、こうした際の分岐点であるようにも思います。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)
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