新任教師の授業を参観した感想
新任教師の授業を参観した感想について明石一郎はつぎのように述べている。
二人の新任教師の授業を参観した。まず中学一年の英語の授業を見た。声の通りがいい。ハキハキとテンポよく授業が進む。やんちゃ風の男子生徒とのやりとりも軽妙で腰の据わった授業である。
しかし、言葉づかいが乱暴で「子どもになめられてはいけない」という自己防衛意識が強いと感じた。このままでは、子どもの内面に迫ることができないようにも思えた。
授業というのは、教師が一人ひとりの子どもの生活背景などの理解を深め、係や班活動などの学級づくりを通じて信頼関係を構築しないと成立しないものである。
授業の中盤で、生徒が「先生、単語まちがっています」と言った。教師は「うそ! ほんま」と言っておいて、次に進んだ。まちがいを指摘した生徒に寄り添うべきだった。「ありがとう。先生もまちがうんよ。気ついて言ってくれて、先生うれしいです」と。
失敗を、笑いや笑顔に変えていく力も授業力である。しかし、この教師のバイタリティーなら、きっと将来、力のある教師になれると思った。
つぎに、中学一年の数学の授業を見た。明るく元気でそれなりに授業も成立していたが、問題点はあった。教室の隅で自信なさそうにうつむいている生徒がいた。横で見ると、基本的なかけ算・割り算の解き方がわかっていない。
学級の中で学習に遅れがちな子どもや心身にハンディのある子どもや、家庭的に課題のある子どもなどに配慮できない教師は、教師として成長できないと思う。
(明石一郎:大阪府公立小学校教師、全国同和教育研究協議会事務局長、大阪府教育委員会指導主事、貝塚市立小学校校長を経て関西外国語大学短期大学部教授)
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