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荒れている子どもをどう指導すればよいか

 子どもは計算では動きませんし、変わりません。そのときどきに子どもに教師の思いを感じさせてやれるかどうかなんです。
 子どもはね、感性が豊かで鋭いんです。ごまかせませんよ。「今の子どもが変わってしまった」とか言っている先生などにね、私は言いたいんですよ。「何を言ってるんだ」と。
 今の世の中を見ていると他人の責任にしようとする言い訳ばかりが目につくでしょう。それでは一歩も踏み出せないんですよ。新たなものを生み出すには、矢を自分に向けるしかないんです。矢を自分に向け、結果を自分で受けとめる勇気を持つことから始まるんですよ。
 初めて教師になった頃、初めて担任を持ったとき、どんな気持ちだったんだ。生徒を前に緊張感を持ったし、勝手が分からず、うろうろしている生徒を見た時、可愛いと思ったでしょう。「この子のためなら」と素直に思ったでしょう。
 そうしたドキドキした自分やときめきを持ったその初心に戻れば「よし、もう一丁」と気持ちを前に進めることができるでしょう。そのような生徒との出会い、その原点を呼び覚まさねばならないんですよ。
 「そうだ、おれもやらなきゃあ」と、そう思える。子どもとのそういう出会いですよ。これが出会いの力ですよ。
 人生においてはね、自分の思うようにならないことだとか、つらいことが一杯ありますよ。しかし、本当の感動はそれをくぐり抜けた向こうにあるんですよ。待っているんですよ。だから、それを求めていく力というか、支えというのは、そんなふうに思える自分がいるかどうかなんですよ。
 ですから、教育などというものは、理屈やどうやというのではないんです。
 例えば、陸上で何週も何周も走る時、今までだったら、三周で止めたかもしれない自分がどんどん先にいって、気持ちがどんどん先にいって、自分をいじめたくなる。そういう自分を発見する喜び、新しい自分と出会えたという喜び、それと向き合わせるってことですよ。子どもというのはわれわれが「どんな気持ちにさせるか」以外にないのです。
 荒れている子どもたちというのは、放っておいても頑張れる子たちと違って、いい要素を持っていても真っ直ぐ進めないんですよ。そこを分かってやらねばならない責任が親や教師にあるんですよ。子どもの責任だけにしてはいかんのですよ。
 子どもが本当に真っ直ぐ進めないという時に、その行動とか言動とか、彼らの発信していることを感じとることが大切なんですよ。感じとるんです。「そうか、こんな気持ちなのか」というように、ちょっとそこに手を伸ばしてやればいいんですよ。
(山口良治:1943年生まれ 無名の公立高校で恵まれない環境からのラグビー全国制覇と、ラグビー部生徒への体当たりの指導が多くの反響を呼び、TVドラマ『スクール☆ウォーズ』の主人公のモデルとなった)

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