学校長の静と動
学校長の「静」と「動」ということについてお話しいたします。
「静」というのは、「動かざること山のごとし」といった校長の哲学だと私は思います。
全日本中学校長会会長のつぎのような話になるほどなと思いました。
「うちの学校は空き缶拾いで学校を立て直した。やんちゃな子も、近所の方からありがとうと言われ、ほめられたことのない子が地域でほめられる」
だから「学校の特色は何ですか」と問われたら、「空き缶拾いです。それで学校を立て直しました」と答えています。
いろんなことをしなくても、うちの学校はこれでいくという学校長の信念。それはすばらしいことだと思います。私はこういう学校をつくりたい、私はこういう子どもを育てたいという動かざること山のごとしという校長の信念です。
もう一つは「動」でありますが危機管理の問題であります。
教育委員会から見ておりますと、学校の様々な事故や事件が起こったときの初期対応のまずさ、危機管理の不徹底で、こじれて大阪府の教育委員会にあがってくるときがあります。そのときは、手のほどこしようがないほど、保護者の不満やら苦情が渦巻いているという状態で、私どものところに来ます。
じっと事件や事故の報告を見ておったら、ああ、これが起こった最初の日に、校長先生が足を運んでいてくれたら、全て解決していたのになあと思います。
初期対応のまずさという危機管理の問題です。
学校経営が非常に複雑な今の時代で、様々な府民が保護者としておられ、どれだけ日頃から危機管理がなされているかどうかということが問われています。十分に学校の危機管理の体制は整えておくべきだと考えます。
ある校長先生にお聞きしましたら、私は必ず保健室の保健日誌は、一日一回必ず報告させ、今日は何という名前の子がケガをしたか、目を通して印を押すことにしているということです。学校がきちっとしているということも、大事だろうと思います。
そういうことも含めた危機管理の体制を整えることが、今日、非常に重要になり必要になってきています。
(野口克海:1942年生まれ、大阪府公立中学校教師、大阪府教育委員会副理事、堺市教育長、園田学園女子大学教授、大阪教育大学監事を経て子ども教育広場代表)
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