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指導者にとって謙虚な態度と感謝のこころが特に大切である

 私が最近お会いした人々の中に、指導者としてすぐれた成果をあげておられる人が何人かおられた。その中には企業の経営者もあれば、団体の指導者の立場にある人もある。いずれも、その業績も立派であり、また人柄もまことに好ましいという人ばかりである。
 私は、その人びとが指導者として日々どのようなことを考え、実践されているかくわしくは知らない。しかし、特に共通して強く感じられることがある。それは、どの人もまことに謙虚であるということである。そして、きわめて感謝の念にあつい人でもある。そのことが、私がお会いした今日のすぐれた指導者の人に共通していえるように思う。
 経済が不況の中にあって、着実に業績を伸ばしておられる経営者の人がある。ところが少しもそれを誇らない。「ありがたいことですが、あまりうまくいきすぎて、自分でもおそろしい」といわれる。そして私に、多くの人びとの知恵の集め方を教えてほしいとたずねられる。
 また、隆々と発展しているある団体の指導者の人は、私が訪問すると、約束の時刻の10分も前から玄関に出て、待っておられる。そしてこちらが恐縮するほど辞を低くして迎えてくださる。その隆盛にいささかもおごるような気持ちがみられない。
 結局、それらの人びとは、その会社なり団体の最高指導者でありながら、一番謙虚で、だれよりも感謝の心がつよいように思われる。そして内外の人につねにそうした謙虚な心持ちと態度で接しているのであろう。それで、だれもがその人に好感を持つから、そこにおのずと内外の人びとの衆知が集まってくる。それが会社を発展させ、団体を隆盛に導く最大の力になっているのだと思う。
(
松下幸之助18941989年、パナソニック創業者、経営の神様と呼ばれ、日本を代表する経営者)


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