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覚醒剤をやめさせるには

 覚醒剤のような常習性のあるものは、一斉にやめさせることはできない。なぜあんなものに子どもたちが魅入られるのか。
 家庭では「おまえのような子どもは産まなきゃよかった」と言われ、先生には白い目で見られ、友だちには無視され、なにもかもおもしろくない。
 そんなとき、覚醒剤は、快感を覚え一時的にでも彼らに嫌な現実を忘れさせてくれる。幻想の世界に心を遊ばせていなければ、心のバランスを保てない彼らの気持ちもわかるような気がした。
 このような生きる喜びを知らない子どもたちには、一人ひとりと真剣に向き合わないと、効果は絶対に表れない。
 ある子どもの例では、延々十時間、手を握って話し込んだ。「いつでも君の味方になってあげたい。応援しているから、何かあったら相談に来てほしい」
 私は、人間というものはさまざまな不本意な思いを心に抱かえながら生きていかねばならぬこと。その中でよりよい生き方を、最後の死の瞬間まで求め抜いていくことの価値を訴えた。
 するとようやく、「先生はとっても優しいんだね。わかった、もう明日からやめるよ」と約束してくれた。
 やはり子どもはいつも「ぬくもり」を求めているのだということが身にしみた。触れ合いたがっている子どもを拒絶すると、とんでもない方向へ曲がってしまうこともわかった。
 子どもにとって、自分が必要とされているという気持ちは、善悪を問わず、何ものにも代えられないものである。
 子どもを見守る大人は、「あなたが大切だ」という心の抱擁を、ぜひとも忘れないでほしい。
(黒川昭登:1951年生まれ、大阪家庭裁判所調査官、桃山学院大学・龍谷大学・関西福祉大学、皇學館大学、第一福祉大学教授等を経て皇學館大学名誉教授・龍谷大学名誉教授)

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