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優れた授業をまねてもうまくいかないのは実力がないから

 優れた授業を参観して自分でやってみても授業はうまくいかないということが若いころにあった。
 どうしてだろうかと考え込んでいるうちに、授業の表面的なところばかりまね、底に流れている思想や、一時間の授業のために準備されている布石などがまったくなされていないことに気がついた。
 また、一時間の授業が、子どもの追究活動の氷山の一角であることなどに考えが及び、一からやり直す必要に迫られた。
 その優れた授業を行った先生の授業を毎年のように見にいった。そして、その先生の著書、講演など追い求めた。そうでないと、とても先生の考え方を深くとらえることはどきないと思ったからである。
 しかし、どうしても思うような授業ができない。私は、意を決して一週間の年休を願い出て、その先生に手紙を書いて一週間教育実習をさせてもらった。
 この一週間で、先生の授業が、いかに多くの布石がなされているか、さりげない指導の中にいかに多くの学習技能を子どもたちに鍛えているか、そして、いかに息の長い授業であるかを発見でき、目がさめる思いであった。
 他人の授業や実践を豊かに読みとれるかどうかは、見る教師の実力にかかっていることをこのときさとった。やはり、自分のものを持っていないと、他人のものが見えない。
 その証拠は、同じ指導案や著書などを何回も読んで何かをつかみ、それをもとに実践する。また同じものを読んでみて、更に自分のものをある程度つくり出してからまた読んでみると、以前に読みとれなかった内容がつかめることである。
 他人の実践から豊かに学べるようになるためにも、自分の足場となる実践を創り出さねばならない、と強く想った。
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有田和正:1935年生まれ、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授を経て,東北福祉大学教授。教材・授業開発研究所代表。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し授業の名人といわれている)

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